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「帝国ホテル京都」の”残す解体”!文化財に泊まる!

「残す解体?」

聞きなれない言葉ですが、2026年3月5日に開業した「帝国ホテル京都」の4年にわたる工事はまさにこれ、だったのです。

東京、上高地、大阪に続く、国内4つ目の帝国ホテル。

「祇園甲部歌舞練場(ぎおんこうぶ かぶれんじょう)」のお隣りにある「旧 弥栄会館(やさかかいかん)」跡地にオープンしました!

「歌舞練場(かぶれんじょう)」とは、芸妓さん、舞妓さんが舞踊や三味線、お囃子などのお稽古を行う練習場のこと。

そして「旧 弥栄会館」は、本館、正門、などと共に国の登録有形文化財に登録されています。

つまり、泊まれる有形文化財!
その美しい「帝国ホテル京都」の宿泊記と共に、京都で150年続く「都をどり」を見てきましたのでレポートします!


⭐歌舞練場とは?


✅1913年(大正2年)「祇園甲部歌舞練場」竣工
✅1936年(昭和11年)「弥栄会館」竣工

これらは、「都をどり」などの芸能公演を行う劇場、そしてお稽古の場として建てられた祇園を代表する歴史的建築物です。

中でも「弥栄会館」は、祇園のお茶屋組合や芸妓さん、舞妓さん達が資金を出し合い、無借金で建てたんだそうですよ。

左が帝国ホテル京都(旧弥栄会館)、右下が歌舞練場です。

その「弥栄会館」の老朽化と耐震性の問題から、ホテルとして再生させるプロジェクトが始動するのですが、ここで立ちはだかったのは高さ制限

「弥栄会館」がある祇園町南側地区は、木造茶屋様式の町家などが立ち並び、歴史的景観保全修景地区に指定されているため、京都市の条例によって「建物を新築する場合は高さ12メートル以下にする」という制限が課されるというのです。

ところが、1936年に建造された「弥栄会館」の高さは31.5メートル。
もし、建て替えともなると、かなり低層の建物になってしまうし、文化財の大部分を取り壊さなければいけなくなる。

そこで、南面と西面の外壁と構造体を残しながら中をくり抜く形で増改築することになったというのです!

これにより、祇園のメインストリートである花見小路から見える景観も継承されることとなりました。

この、”残す解体”がとても難しく、工期は通常の新築工事の倍となる4年以上もかかり、約124億円を投じてリノベーションされたそうです。

⭐引き継がれる歴史


鉄筋コンクリート造りの西洋建築でありながら、瓦やテラコッタレリーフなど和の要素も織り交ざり、どこか城郭の天守を思わせるような佇まいです。
なんて美しい☆

車寄せの天井部分は、弥栄会館時代の緞帳(どんちょう)上部の壁に使われていた麻の葉のデザインをアレンジ。

エントランスの天井にある、梅の枝の透かし模様が入ったエッチングガラスは当時のまま。

そして外壁のタイルは全て剥がし、一枚ずつ洗って元に戻したというから驚き!

これを、生け捕り(いけどり)というそうです。

最終的には、全体の10%程度、約1万6000枚を元に戻すことができたそうです。

ホテルの中へ入りましょう!
こちらは、待合などで使える1階の共有スペース。

ちょっと脱線。

東京にある帝国ホテルの2代目本館(現在は、3代目→4代目に建て替え工事中)は、アメリカ近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライトの建築デザインで、栃木県宇都宮市で産出される大谷石(おおやいし)が多く使われました。

移築・保存されたライト建築の帝国ホテルを見るために愛知県の「博物館明治村」を訪れたり、宇都宮市にある大谷石の採石場跡「大谷資料館」にも行きました。

そして「帝国ホテル京都」。
1階の太い柱は、耐震性を増すため元々あった柱をそのままに、周りが補強されたそうです。

壁の石も、「おおお!これ、大谷石じゃないのー?」とすりすり♪

写真右下、銅板屋根の「歌」の文字が入った部分も忠実に再現したそうです。

奥にある宿泊者のみが入れるラウンジは、和風。
とても静かで庭園の風景がなんとも風流。

そしてラウンジにあるテラコッタがいい!

テラコッタとは、粘土の焼き物の総称なのですが、ライト建築に多く見られるもので、「帝国ホテル東京」2代目本館へのリスペクトを感じる~!

ライト建築を語り出すと長くなりそうですので、この辺にして、続きは以前のnote記事に託しましょう。


ラウンジで、日本茶、お茶菓子をいただきながらチェックイン。

ラウンジ奥の一角には、自由に楽しめるドリンクやスイーツ。
抹茶の一口アイスだー!

⭐90年の歴史を感じるヘリテージツイン


全55室のお部屋には、スイート、本棟 保存エリア、本棟、北棟があります。
宿泊したのは、本棟保存エリアの「ヘリテージツイン」。

登録有形文化財である「旧弥栄会館」の柱や窓枠は、1936年(昭和11年)竣工当時のままで、随所に名残を感じることができるお部屋です。

ヘリテ―ジツイン(朝食付) 189,120円。

こちらが保存された窓枠。
歌舞練場本館を見下ろすこともでき、芸妓さんらしき人が歩いてました~。

歴史ある建物でも、やはり水回りだけは新しくあって欲しいですよね。
完璧です!

スーツケースを置く台があると助かります。

宿泊特典として、帝国ホテルカラー(グリーン&ベージュ)のネームタグ。
なんと、私達の名前のイニシャルが刻印されていました。
可愛い絵葉書と、超書きやすいボールペン!

右上の、かや棉ふきんはこの前日に宿泊した「星のや奈良監獄」でもらったものです。

⭐絶品づくしのレストラン


🔶オールデイダイニング「弥栄」のランチ

宿泊とは別日に行った「弥栄(やさか)」のランチコース。
壁にある絵は有名な絵なのか、スタッフさんが他のお客さんに説明しておられるのに聞き耳を立てましたが、、、忘れました。

前菜は、生魚が苦手な私のために色とりどりのサラダに変えてくださり、ありがたい~♪

メインは4種類から選べるので、私達は、弥栄バーガーとハンバーグステーキにしました。

🔶「弥栄」の朝食

和朝食は、割烹「祇園川上」の監修。

「六瓢息災」とは、「無病息災」との語呂合わせで、お食事の中に6つの瓢箪(ひょうたん)が隠れている、ということでした。

器も美しい~!

洋食のエッグヴェネディクト、アボカドトーストも美味しかったです。

🔶【錬】フレンチディナー

ディナーは、フランス料理「錬」で一人4万円超えのコース。

贅沢なディナーを彩る食材がこちら。
キャビア、フォアグラ、トリュフ、アイナメと豪華!
アスパラガス、しいたけ、茄子など、お野菜が巨大!

とろけるホワイトアスパラガス!
焼きたてのパン、そしてイチゴやリンゴの形をした可愛いバター♪

神山椎茸に添えられていたのは、帝国ホテルの装飾にも使われているテラコッタ型のパリパリ。
これも食べられました♪

アイナメには、ドリップされたスープをかけ、グリーンのオイル?でドレスアップされていました。
目の前で美しい一皿に仕上がっていくのを見ているのも楽しい!

私は、メインを近江牛ステーキ(+6,800円)に。
アスパラが見たこともない大きさ!
そしてお肉が隠れるほどのトリュフ!

稚鮎や、フォアグラの一皿。
友人のメインは鴨のグリル。

デザートは、びわ、マンゴー、プチフールと3種類でハッピー!

🔶「オールド・インペリアル・バー」

この日の夜は雨の予報だったため、昼間のうちに最上階のルーフトップバーを見たくてスタッフさんに声をかけると、案内してくださいました。

残念ながら、雨に備えてクローズだったので利用はできませんでしたが、周辺に高い建物はないため、遠くまで見渡せて清水寺までばっちり!

落下防止の措置が施されたという避雷針や歌舞練場の「歌」の文字入りの巴瓦(ともえがわら)も目の前!

🔶ザ・ペストリーショップ

ショップにあったピンクとグリーンのケーキは、歌舞練場で、舞妓さんが手に持って踊るうちわの形。

帝国ホテルと言えばの、フランク・ロイド・ライトの幾何学模様になったクッキー、そして名物のパイ。

とにかく隅から隅まで素晴らしいホテルでした!

「帝国ホテル京都」
京都市東山区祇園町南側570-289


⭐春の風物詩「都をどり」


京都で150年以上続く春の風物詩「都をどり」を観てきました。

初めて「帝国ホテル京都」に行った際に、隣接する「祇園甲部歌舞練場」で毎年、4月中のみ開催される舞踊公演「都をどり」があることを初めて知ったのです。

奥にある「Gion Corner(ギオンコーナー)」では、狂言、文楽、能、筝曲、雅楽、茶道などの演目も沢山あるようでした。

「都をどり」は、舞と唄と踊り、「ヨーイヤサァー」などの掛け声だけで、せりふなどはないため、「イヤホンガイド」は借りるべし。

舞台のあらすじ、歌詞、衣装、舞の意味などを音声で同時解説してくれるので、とてもよく分かります。

芸妓さん、舞妓さんの色鮮やかな着物、しなやかな踊りが本当に美しく、京都の四季を感じる伝統舞踊でした。
中は撮影ができなかったのですが、外にあったパネルがこちら♪

観客の90%くらいが外国の方でびっくりしました!
関西在住の私もつい最近まで知らなかったというのに。。。

公演が終了し、誰もいなくなったところで撮影できました♪

祇園甲部「都をどり」
京都市東山区祇園町南側570-2


⭐建仁寺の天井画の龍と見つめ合う


ホテルのすぐ近くに京都最古の禅寺「建仁寺」があります。
京都で最も好きなお寺のひとつです。

国宝の「風神雷神図屏風」や法堂の天井画「双龍図」、美しい庭園などで有名です。

久しぶりに行ってみると、令和の大改修に伴い、「西来院」が2024年3月から見学可能になったとのことで、拝観。

江戸時代前期に造られた「蘭渓道隆坐像」を祀る方丈の間の天井にある「白龍図」の迫力がすごい!

手前と奥、2匹の龍を、案内板の通りに寝転んで見る!

2匹の龍、表情が全然違いますね。
左の龍の方が精悍な顔つきで好き!

「西来院」の特別公開は、2026年12/27(日)までのようです。


「建仁寺」
京都市東山区大和大路通四条下る小松町584

「西来院」
京都市東山区大和大路通四条下る小松町590



~まとめ~

歴史ある建造物を残すことって、すごく大変なんですね!

最近、フランスでは連日38度超えの猛暑で、熱波による死者が7300人を超えた、というニュースがありました。

フランスの一般家庭でのエアコン普及率は20~24%、パリの一部の区域では10~20%程度!?

その原因は、歴史的建造物が多く、外観を損ねる室外機の設置や、壁に穴を開ける工事に対して厳しい制約があるからなんだとか。

京都の町を歩いていると、室外機やガスメーターなどが、茶色や黒、外塀と同色の竹細工で囲われ、目隠しされているのをよく見かけます。

フランスも何か方策はないのでしょうか。

とはいえ、京都でも町家の減少は進む一方で、1日に2軒のペースで姿を消していると言われています。

私も町家を利用したカフェやレストラン、古民家をリノベした宿泊施設などが好きですが、外国人旅行者が好んで利用してくださることも、その保存を助けているとも思います。

「帝国ホテル京都」の努力で、またひとつ京都の文化財が守られたことを日本人として嬉しく思います。


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