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「お金を使うのが怖くなった…」|借金500万円を完済した私が『心の後遺症』を乗り越えるまで

はじめに

500万円の借金を、5年という歳月をかけて自力で完済したこと。それは、自分に自信を持てなかった私の人生において、数少ない誇りの一つです。

でも、正直に言います。

長い返済生活が終わり、手元に完済証明書が届いたあの日、私の頭に浮かんだのは、喜びや達成感ではありませんでした。

そこにあったのは、底の抜けたような虚無感。そして、厄介な「心の後遺症」です。

今回は、ドラマや小説には描かれない、借金完済の「その先」に続く、不器用な私のリハビリ生活についてお話しします。

1. 完済した日に押し寄せた、猛烈な「虚無」と「恐怖」

5年間の返済生活中、私の生きる目的はズバリ「毎月の返済日をクリアすること」でした。

給料が振り込まれた翌日、ATMの前に立ち、引き落とされる金額を引いて、残ったお金で来月までどうやって生きるかを計算する。私は5年間、毎月繰り返してきました。

感情を殺し、ただの『返済マシーン』になることでしか、あの絶望的なプレッシャーには耐えられなかったのだと思います。

そして、ついに最後の支払いを終えて、完済証明書をベッドの上で見つめた瞬間、足元からガタガタと崩れ落ちるような感覚が私を襲いました。

「明日から、私は何を目印に生きていけばいいんだろう?」

ずっと目指していたゴールに到達した瞬間の、なんとも言えない徒労感。

今まで麻痺させていた心と体の疲労が一気に噴き出し、「あっという間に、5つも歳を取ってしまった……」という後悔だけが胸に残りました。

そして何より恐ろしかったのは、借金がゼロになったはずなのに、お金を使うことへの「罪悪感」と「恐怖心」が、すっかり染み付いて剥がれなくなっていたことでした。

2. コンビニでの買い物すら躊躇する日々

スーパーで買い物をするとき、1円でも安い商品を求めて売り場を何往復もしてしまう。小一時間かかって買ったものが「たったこれだけ?」なんてことも日常茶飯事です。

コンビニで200円のラテを手にとってみても、「スーパーなら安値で買えるのに」という罪悪感で胸がチクチクと痛み、それを持ってレジに並ぶのを躊躇してしまう。結局、耐えきれずに商品を棚に戻してしまうことも一度や二度ではありません。

フリーランスとしての収入があるおかげで、預金残高は確実に増えているはずなのに…ATMで通帳記入をするたび、なぜか悪いことをしているような感覚に陥り、通帳に印字された数字を見るのが怖くなりました。

「もう、お金に怯えなくていいんだよ…?」

頭では理解しているつもりでも、長年私を縛り付けてきた「お金を失う恐怖」という「呪縛」は、そう簡単に解けるものではありません。

完済の日、歓喜できなかったのは、それだけ自分が限界を超えて心をすり減らし、必死に戦ってきた証拠だったのだと、今なら分かります。

傷ついた心が、正常な感覚を取り戻すには、費やした歳月と同じくらいの、長い時間が必要なのだと思います。

3. 勇気を出して買ったのは、たった1つのブランド品

借金完済後、私が「呪縛」を解くために、勇気を出して行った「儀式」があります。

返済生活の途中、心が折れそうになるのを防ぐために、私は自分自身と「1つの約束」を交わしていました。

「完済したら、好きなブランド品を1つだけ買う」

金額にすれば、数万円。借金を抱えている身からすれば、とんでもない贅沢です。 でも、完済の先に楽しみがあったからこそ、私は長い節約生活にも耐えることができたのです。

完済してしばらく経ち、相変わらずお金を使うことに怯えていたある日、私思い切って、ずっと憧れていたそのブランドのショップへ向かいました。

ショーケースの前に立ち、お財布を出すときは、心臓バクバクでした。

頭の中で「本当に、これを買っていいの?」「またあの地獄に戻るんじゃないの?」と、恐ろしいゴーストが囁いているようでした。

けれど、最後は「えいや!」で買っちゃいました。

私が選んだのは『名刺入れ』でした。自分の部屋に帰り、綺麗に包装された箱を開けたとき、目から涙が「ポロッと」こぼれ落ちました。

それは、ずっと欲しかったブランド品が買えたからではなく、「あの暗闇を生き抜いて、ここまできたんだ」ということを実感できたからです。

おわりに

私にとっては、完済は人生のハッピーエンドではなく、再出発のスタートラインでした。

現在は、あの頃のように「お金を失う恐怖」に必要以上に怯えることなく、少しずつ、自分のために使うことができるようになってきました。

自分で稼いだお金で、自分らしく生きていく。

そんな日々の暮らしの中で、私は「自分を雑に扱わない」という本当のご自愛を、一歩ずつ、リハビリのように学んでいる最中です。


もし今、かつての私のように暗闇の中にいる方がいたら。私が実際に500万円の借金を5年で完済したリアルな家計簿と、完済までの全記録をこちらの記事にまとめています。何かの助けになれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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