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「自分を大切にする」ことは難しい|自分に厳しくする方が、ずっと簡単だった私

はじめに

「自分を大切にしましょう」

この言葉は、本やSNSなどでよく見かけます。

それを見るたびに、私は少しだけ立ち止まってしまいます。

(結局、自分を大切にするのって、一体どうすればいいのだろう?)

そんな、答えのない問いが胸の中に浮かぶからです。

私には、この言葉の本当の意味が分かりませんでした。自分を大切にするなんて、ただの「甘え」「わがまま」だと思い込んでいたのです。

1. 自分に厳しくする方が、ずっと簡単だった

DVによる離婚を経験し、手元に残された500万円の借金。

当時の私には、自分を甘やかすという選択肢はどこにもありませんでした。

朝から夕方まで派遣として働き、夜は深夜までパートに向かう日々。睡眠時間は平均4時間ほどで、常に体力の限界と戦っていました。

仕事帰りに行きつけのコンビニに立ち寄り、新発売のスイーツを眺めてはため息をつく。

(こんな贅沢をするなら、1円でも多く返済に回さなきゃ)

そうやって、自分の小さな欲求をすべて切り捨てていました。

当時の私にとって、この身体は返済日をクリアするための道具に過ぎませんでした。感情を殺し、ただの『返済マシーン』になることで、借金返済のプレッシャーに耐えていたのだと思います。

自分に厳しくすることは、自分を甘やかすよりもずっと簡単でした。そうでもしないと、あの過酷な状況を生き抜くことができなかったから。

2. 勇気を出して買った『自分へのご褒美』

5年という歳月を駆け抜け、ついに訪れた完済の日。静まり返った部屋のベッドの上、私はぽつんと一人で座っていました。

「……あ、終わったんだ」

そう呟いたものの、涙も出なければ、喜びや達成感すら湧いてきません。

完済というゴールに向かって走り続けることをやめた瞬間、今まで麻痺させていた疲労が一気に押し寄せてきたのです。

(明日から、私は何を目印に生きていけばいいんだろう……)

完済後も、私はお金を使うことへの罪悪感から抜け出せませんでした。

預金残高は増えているはずなのに、お金を使うのが怖くてたまらない。そんな不器用なリハビリ生活の中で、ある日、私は勇気を出して一つの買い物をしました。

SNSで見かけて気になっていた、シャワージェルとボディクリームのセット。価格は数千円程度でした。

(まるで『自分へのご褒美』みたいだ…!)

その夜、シャワージェルの泡風呂が予想外に泡まみれになってしまって、思わず笑ってしまいました。

お風呂上がりに、ボディクリームを手のひらで温め、自分の肌に丁寧に塗り込んでいきます。

そのとき、私は自分の肌が思っていたよりもずっと柔らかくて、そして温かいことに気づきました。

(私はずっと、この身体を酷使してきたんだな……)

手のひらから伝わる自分の体温が、そう教えてくれたような気がしました。

私にとって「自分を大切にする」とは、おしゃれなライフスタイルを送ることではありません。それは、傷だらけだった自分の心と身体を愛おしむという、静かなリハビリの始まりだったのです。

3. 他人から優しくされることに戸惑う私

「自分を大切にする」というリハビリを少しずつ重ねる中で、私にはもう一つ、どうしても超えられない高い壁がありました。

それは、他人の優しさを素直に受け取ることです。

(せっかくの『ご厚意』を断るのは失礼だし、申し訳ない)

頭ではそう理解しているのに、誰かが私に手を差し伸べてくれるたび、反射的に冷たいバリアを張ってしまうのです。

(この人の『優しさ』の裏には、何か別の意図があるのだろうか)

元夫との結婚生活で深く刻まれた傷跡は、頭の理解を超えて、私の心がしっかりとその『痛み』を覚えていたのだと思います。

怒鳴られない、否定されない、こちらの気持ちを理解しようとしてくれる。そんな当たり前の温もりに触れたとき、私の心は、凍りついたまま激しく震えていました。

差し出された『優しさ』を信じることが、ただ怖かったのです。

おわりに

自分を大切にすることは、意外と難しいものです。

絶望の渦中にいたあの頃は、自分を甘やかさず、あえて厳しく律することで、自分の心を守ってきました。

それは、あの過酷な状況から私を必死に守り抜いてくれた、大切な『盾』でした。だから、その盾をすぐに手放せなくても、自分を責める必要はありません。他人の優しさが怖いと思う自分を、みっともないと恥じることもないのです。

少しずつ、自分のペースで、その盾をそっと足元に降ろしていけばいい。それこそが、自分の人生のハンドルをもう一度握り直すための、美しくて確かな歩みなのだと、私はそう信じています。

もし今、あなたが一人で抱え込むことに疲れて立ち止まっているとしたら。どうか、そのボロボロになっているあなた自身を、これ以上責めないであげてください。

今夜はまず、温かい飲み物をゆっくりと口にして、ご自身の身体に「今日もお疲れ様」と優しく語りかけてみてください。その不器用な一歩が、あなたの明日をそっと、暖かく照らし始めるはずですから。

今夜はどうかゆっくり、ご自身をたくさん労わってあげてください🌱


過酷な状況に必死に耐えながら、他人の優しさを警戒して生きていた私。そんな私が、初めて向けられた「普通の優しさ」に、どう戸惑い、頑なだった身体をどう溶かしていったのか、その物語をそっとここに置きますね。

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みゆき 私のnoteを見つけてくださり、本当にありがとうございます。 いただいた温かいお気持ちは、これからの執筆活動を支える活力として、大切に受け取らせていただきます。 これからも飾らない「ありのままの私」の言葉を届けていきますので、応援していただけたら嬉しいです。