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yas_260516
寒い日の朝
肩がひんやりして
目が覚めた
部屋の中がじんと冷えている
カーテンから覗くと
どうやら
霙が降っているみたい
目覚ましの時間までは
まだ少しある
枕元のリモコンに手を伸ばし
エアコンのスイッチを入れる
こんな日は
おばあちゃんを思い出す
寒い日の朝
誰よりも早起きして
家中のストーブに灯油を入れ
部屋を暖めてくれた
わたしが起きる頃には
着替えをしても寒くないくらいに
ぽかぽかになっている
こたつの上には
偏食なわたしでも
食べられるようにと
梅干しを細かく刻んで混ぜた
小さなおにぎりがふたつと
熱々のお番茶
時計がわりにつけている
テレビはワイドショー
わたしは
おばあちゃんと会話することもなく
ただ黙々とおにぎりを頬張る
おばあちゃんもおばあちゃんで
わたしに何か話しかける訳でもなく
私の後ろに立ち膝になると
わたしの長い髪を
針金の先に丸い玉のついた
トゲトゲのブラシで梳かしていく
おばあちゃん
痛い
ごめん、ごめん
今日はどんな髪型にする?
今日はふたつに結んで
わかった
わたしはお番茶をすすり
おばあちゃんはわたしの髪を結う
しばらくすると
友達が迎えに来る
おはよう、みよちゃん
おはよう
はやく、いこいこ
急いでくつを履き
ついでみたいに
おばあちゃんに
行ってきます
と言うと
はい、気をつけて
行ってらっしゃい
と玄関の向こうから
おばあちゃんの声がする
おばあちゃんが困った顔をしているのが
わかるから
振り向かない
一人暮らしをしたり
家族をもったりして
部屋に暖を入れるのは
わたしの役割になった
寒い朝には
おばあちゃんの
困った顔が
思い浮かぶ
