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寒い日の朝

肩がひんやりして
目が覚めた

部屋の中がじんと冷えている

カーテンから覗くと
どうやら
霙が降っているみたい


目覚ましの時間までは
まだ少しある
枕元のリモコンに手を伸ばし
エアコンのスイッチを入れる



こんな日は
おばあちゃんを思い出す

寒い日の朝
誰よりも早起きして
家中のストーブに灯油を入れ
部屋を暖めてくれた

わたしが起きる頃には
着替えをしても寒くないくらいに
ぽかぽかになっている

こたつの上には
偏食なわたしでも
食べられるようにと
梅干しを細かく刻んで混ぜた
小さなおにぎりがふたつと
熱々のお番茶

時計がわりにつけている
テレビはワイドショー

わたしは
おばあちゃんと会話することもなく
ただ黙々とおにぎりを頬張る

おばあちゃんもおばあちゃんで
わたしに何か話しかける訳でもなく
私の後ろに立ち膝になると
わたしの長い髪を
針金の先に丸い玉のついた
トゲトゲのブラシで梳かしていく

おばあちゃん
痛い

ごめん、ごめん
今日はどんな髪型にする?

今日はふたつに結んで

わかった

わたしはお番茶をすすり

おばあちゃんはわたしの髪を結う

しばらくすると
友達が迎えに来る

おはよう、みよちゃん

おはよう
はやく、いこいこ

急いでくつを履き

ついでみたいに
おばあちゃんに

行ってきます

と言うと

はい、気をつけて
行ってらっしゃい

と玄関の向こうから
おばあちゃんの声がする

おばあちゃんが困った顔をしているのが
わかるから
振り向かない



一人暮らしをしたり
家族をもったりして

部屋に暖を入れるのは
わたしの役割になった


寒い朝には
おばあちゃんの
困った顔が
思い浮かぶ

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