人の本質は、逃げない姿勢に現れる
人は、自分の前に問題が起きたとき、その本質が表れます。問題から逃げる人、向き合わない人、そして立ち向かう人。
私たちの人生には、さまざまな問題があります。その中で、「問題から逃げない人」の姿は、やはり強く印象に残ります。
自分の心が弱っているとき、ふと「あの人ならどうするだろう」と考える。そんな存在が、いつの間にか心のメンターになっていくのだと思います。
今回は、私が壁にぶつかったとき、いつも「もう一度頑張ろう」と思わせてくれる、ある方のことを書きたいと思います。
営業マンとして試されている感覚
その方は、お取引先の宮原さんです。
出会いは、税理士の先生からの紹介でした。「保険の見直しを検討している経営者様はいませんか」と相談したところ「話だけなら聞いてもいいよ」と言っていただいたのがきっかけです。
初対面の印象は、柔らかい雰囲気。優しいお父さんのような空気感でした。
しかし、挨拶が終わったあと、ふっと表情が変わります。
「じゃあ、話を聞こうか」
その一言で、場の空気が一気に引き締まりました。
重要な話になると、思考は極めて論理的になる。言葉は整理され、判断に迷いがない。
その瞬間、直感的に思いました。「あ、本物だ」と。
同時に、自分が営業マンとして試されている感覚もありました。
弱さやつらさを隠さない「強さ」
最初の商談は、私の力不足で持ち帰りとなりました。それでも、その後も時間をいただく中で、宮原さんという人が少しずつ見えてきました。
特に印象的だったのは、「感情を大切にしている人」だということです。
話は常に論理的です。それでも、その根底には必ず感情がある。
社員との関係、会社の空気、家族との時間。数字では測れないものに、真正面から向き合っているのです。
さらに印象的だったのは、弱さやつらさを隠さないことでした。
お母様の体調をきっかけに会社を引き継いだときの話。眠れない夜が続いたこと。経営の重圧に押しつぶされそうになったこと。
その言葉は、決してポジティブなものではありませんでした。
それでも「弱い」とは感じませんでした。むしろ、「強く、誠実な人だ」と感じたのです。
きっとそれは、問題から逃げていないから。
感情からも、現実からも、目をそらしていないからだと思います。
魅力的な人は学び続けている
もう一つ、強く印象に残っているのが「学ぶ姿勢」です。
宮原さんは51歳。
十分な経験と実績を持っています。それでも、新入社員のように学び続けています。
外部研修に足を運び、経営の在り方を問い直し、社内のコミュニケーションを見直す。数字管理の仕組みも、より良くしようと改善を重ねている。
その姿を見て、こう思いました。「この人は、本気で会社を良くしようとしている」と。
そして同時に、「だからこそ魅力的なのだ」とも感じました。
宮原さんから頂いた「忘れられない言葉」
特に印象に残っている言葉があります。
「頑張るのは、当たり前」
一見すると厳しい言葉です。しかし、それが軽い意味で発せられていないことは、すぐに伝わってきました。
自分自身に厳しい人だからこそ出てくる言葉。その厳しさは、誰かを追い込むためではなく、「より良くあろうとする姿勢」そのものです。
人の凄さは、派手な実績ではなく、“これからどうなろうとしているか”に表れるのだと思います。
宮原さんに最初に感じたのも、まさにそこでした。
仕事も家庭も「つながり」で捉える
もう一つ、忘れられない言葉があります。
「一度会社を離れても、また戻ってきたいと思える場所にしたい」
育児や介護で離れた社員が、もう一度戻ってきたいと思える会社。それは制度の話ではなく、「どんな場所でありたいか」という思想の話です。
会社を良くしたいという想いは、多くの経営者が持っています。けれど、その“良さ”をどこに置くのかは人それぞれです。
利益なのか、効率なのか、それとも人なのか。
宮原さんは迷いながらも、その答えを探し続けています。そして良いと思ったことは、仕事だけでなく家族や取引先とも共有している。
仕事と家庭を分けるのではなく、つながりの中で捉えている。その姿勢が、とても自然で印象的でした。
コンフォートゾーンを抜け出す勇気
宮原さんは今、まさに改革の真っ最中です。慣れた環境や思考、いわゆるコンフォートゾーンから一歩外に出ようとしているのです。
会社も、人も、これからの在り方も。
正解はないのかもしれません。
それでも、その過程には確かな価値があります。
外に出て初めて、新しい視点が手に入る。限界が更新され、「できること」の定義が広がっていく。
変化は、外に出たときにしか起きない。そのことを、宮原さんは体現していました。
さいごに
人は放っておけば、現状維持を選びます。私も例外ではありません。
だからこそ、宮原さんとお話していると気づかされます。
自分は変わろうとしているだろうか。現状に満足していないか。変化を怖がっていないか。
私が宮原さんに惹かれる理由は、そこにあります。
完成された人の話よりも、変化の途中にいる人のほうが、ずっとリアルで、学びがある。
この人の話を聞いていると、自分の現在地がはっきりする。そして、もう一歩先へ進もうと思える。
そんな宮原さんという存在に出会えたこと自体が、すでに一つの価値なのだと思います。
保険営業マン 宮崎 将哉
宮原さんについて
株式会社ケンショー工業 宮原 健徳さん
宮原さんは、建物を長く安全に使うための“防水”に特化し、提案から現場管理まで一貫して担う施工管理会社の社長様です。
神奈川県横浜市に本社を置く建設会社で、主に「防水工事(建物を雨から守る工事)」の管理を行っています。マンション・学校・病院・商業施設など、さまざまな建物の耐久性と快適性を支える役割を担っています。
