日本国民は高市-トランプ同盟を支持しない -トランプ大統領のベネズエラ、イランの戦争を批判せず、難民審査の厳格化を唱える高市首相
毎日新聞は23、24の両日、全国世論調査を実施し、高市早苗首相がトランプ米大統領とどのような関係を築いていくのが良いかと尋ねたところ、「現状の距離感でよい」が32%で最多、「一定の距離を置く」の27%が2位で、他方「個人的な信頼関係をより深める」は14%にとどまった。3月19日にホワイトハウスでハグを交わすなどトランプ大統領との親密な関係をアピールすることに国民は批判的、あるいは冷めた目で見ている。
トランプ大統領は今年に入って、国際法に違反するベネズエラとイランに対する戦争を行い、国際的に孤立しているが、そのトランプ大統領の戦争を批判する様子は高市首相にはまるでない。

トランプ大統領の国際法に違反するベネズエラ攻撃について木原官房長官は「『直接の当事者ではない』ということで『コメントは控える』」などとコメントした。だったら、ロシアのウクライナ侵攻だって日本政府は「コメントを控える」ということになる。イラン戦争でもヨーロッパ諸国がトランプ政権を非難したり、米軍に基地の使用を認めなかったりしなかったが、日本の佐世保基地から米軍の強襲揚陸艦トリポリがイラン攻撃に赴いた。日本政府の姿勢はイランからは敵対的と見られても仕方ないだろう。
トランプ大統領はイランとの和平交渉は「ほぼまとまる」としているが、その内容は60日間の停戦延長を主な内容とするものだ。「終戦」を議論するものではなく、60日間の期間中、ホルムズ海峡は通行料なしで航行が可能となり、イランは機雷の除去を行う。また、イランが石油を自由に販売できるようになり、イランは核兵器製造を関わる活動を停止し、濃縮ウランの備蓄の撤去をめぐって交渉する。トランプ大統領は11月の中間選挙を意識してイランについてはのらりくらりと決着をつけない姿勢でいたいのだろう。
イスラエルは、ガザに支援物資を届けるスムード船団の活動を妨害し、活動家たちを拘束したが、スムード船団の事件はガザで生活のための食料、水、医薬品などの物資が依然として著しく不足していることを明らかにした。ガザで活動する医療チームは、麻酔、抗生物質、血液製品、基本的な外科用品などが極度に不足していると述べている。
スムード船団の活動家たちに対するイスラエルのイタマル・ベングビール国内治安相の振る舞いが虐待に相当するとヨーロッパ諸国はいっせいに反発の声を上げるようになり、フランス政府はベングビール国家治安相のフランス入国を禁止し、イタリアのメローニ首相はイスラエル政府に謝罪を求めている。

日本の高市首相は、ガザ問題についても何の見解も明らかにしていない。この首相は国旗損壊罪のように、枝葉末節な、つまらないことには関心をもつが、紛争国や地域の人道問題など重要なことにはほとんど関心を示さない。
2021年8月に米軍がアフガニスタンから撤退し、現地に残る邦人の救出という問題が発生すると、高市氏は、カブールの空港だけでなく、市街地などでも自衛隊が銃器を使えるような法改正をと主張したが、高市氏はアフガニスタン問題ではこの国の平和創造などはまるで眼中になく、自衛隊の派遣や、その現地での活動にしか関心がないという印象だった。

自衛隊がアフガニスタン国内で武装集団といきなり戦闘を行っても現地の事情に精通しない自衛隊員に相当の犠牲が出ることは明らかだ。高市氏はアフガニスタンから平和主義を唱えた中村哲医師が最も嫌う考えをもっている人だ。これでは中国の習近平主席から高市首相の下で新型軍国主義が復活していると言われても仕方ない。高市首相の「台湾有事発言」で中国からの観光客は激減し、中国での日本人アーティストの公演中止や、またレアアースの輸入やパンダの貸与もまったく不透明になった。これらの問題にも高市氏はまったくの無策で、応えようとしない。
また難民の受け入れについても、高市氏は2001年4月に「厳格な難民審査を期待します」という文章の中で日本の難民認定率が高いと批判を述べているが、2019年の難民認定率で言うと、アメリカは22.73%、イギリスは39.80%、ドイツは16.05%、フランスは18.26%、カナダは51.18%、オーストラリアは17.25%、日本は0.29%と、日本は飛びぬけて低い。(ワールド・ビジョン・ジャパンより)日本の難民認定率の低さは高市氏が語った2001年の時期からほとんど変わっていないことは明らかだ。このように、経歴詐称をする高市氏はやすやすと事実とは異なる発言を行う人物のようだ。難民の受け入れを嫌うという点では高市首相のメンタリティーはトランプ大統領のそれと似通っているが、高市政権は極右やネトウヨ層の主張に応じて、難民の審査と取り締まりの厳格化を強調するようになった。

諸外国や国際社会は「ドナルドだけが世界に平和や安定をもたらす」などと言う高市氏のことをトランプ大統領と同等の荒唐無稽な人物と見ていることだろう。日本国民の選択としてやはり恥ずべき人だ。冒頭の毎日新聞の調査が、日本人が高市氏への観察について少し冷静になったことを示していると信じたい。
