2026/5/14 その店が消える前に

先ずは、こちらの4分の動画を観てください。

外国籍の人が日本で会社を作って滞在するための「経営・管理ビザ」について、2025年10月の省令改正で、資本金要件が500万円から3000万円へ引き上げられました。

制度悪用対策という名目は理解出来る一方で、日本人には存在しない高額な資本条件を外国籍の人だけに課す構造になっており、実質的に小規模事業者や移住者を排除する制度ではないか、という批判も出ています。

実際、既に長年営業し、納税や雇用実績のある外国籍飲食店経営者から、「3年後の更新時に3000万円を用意出来なければ店を畳むしかない」という声も出始めています。

今回の改正は、本来「ペーパーカンパニー対策」を目的としているとされています。しかし、AERAの取材では、資金力のある層には影響が限定的である一方、日本で真面目に小規模飲食店を営んできた人たちが直撃を受ける構造になっている、という指摘もなされています。

さらに在留資格の更新費用も、すでに4000円から6000円へ引き上げられ、今後は数万円単位への値上げや、上限額自体の引き上げも議論されています。

加えて、武蔵野美術大学では留学生向けの追加負担金が導入され、日本ラグビーでは海外ルーツの選手に影響する教育歴規定が議論になるなど、外国籍であることへのハードルを高めるような流れが、ここ数年で目立ってきたように感じます。

もちろん、それぞれに制度上の理由はあるのだと思います。しかし、それらが積み重なった時に、「外国籍の人を歓迎しない社会」の空気として機能してしまわないか。SNSやニュースサイトで、排外的な言説が以前よりも強い熱量で支持されているように見える今、私は不安になります。

制度悪用対策と排外主義は、本来分けて考えなければならないはずです。人は、何か困難や不安に直面した時、本来向き合うべき構造や歴史ではなく、自分よりも弱い立場に置かれた誰かを見下すことで、溜飲を下げてしまうことがあります。

深い悲しみや不安、絶望が、人を極端な言動へと向かわせてしまうこと自体は、決して特別なことではないのだと思います。しかし、それが賢い選択であるとは、私には思えません。

何故そのような状況が生まれているのか。誰が得をし、誰が切り捨てられているのか。分断や怒りに飲まれるのではなく、既に多様であるこの社会の中で、互いの違いを受け入れながら共に生きていける社会を作ろうとすること。その積み重ねこそが、本当の意味での豊かさに繋がるのではないかと、私は思っています。


■当該署名(私は賛同しています)
客が来ても、黒字でも、閉店。カレー屋を潰す「資本金3,000万円」ルールを止めてください #推しエスニックといつまでも


AERA dot.「インドカレー店はあと3年で激減、新大久保は『廃墟』になる?」
出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』に係る上陸基準省令等の改正について」
朝日新聞|在留資格更新手数料の引き上げ報道
武蔵野美術大学「留学生修学環境整備費について」
朝日新聞|新ルール見直し求め公取委と地裁に訴え 日本国籍取得のラグビー選手

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宮本七生 miyamoto nanami 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 もしよければ、これからの文章や写真のために、そっと支えていただけると嬉しいです。