【建物探訪】台北市定古跡・新芳春茶行の閩南風と洋風が融合した建築様式と台湾茶の歴史を学ぶ(台北市・無料見学可)
私の記事に関心をお持ちくださりありがとうございます。
今回の建物探訪は、寧夏夜市から徒歩5分の場所にある台北市定古跡・新芳春茶行です。
この建物の前を通るたびに気になっていました。

無料で見学できるということなので、今回は、外観だけでなく建物の中もご紹介しますね。

中に入ると、日本語の案内パンフレットもありました。

建物の中に入って左側には、間口三間、奥行き三進の説明があります。

右側には、売店。

もう少し進むと、常設展エリアです。
《茶業における性別分業》
「揀茶女(女性)」と「製茶師(男性)」という役割分担の仕事を並べて配置展示することにより、この建物への訪問者に今日の世界におけるジェンダーと労働力について考えることを促します。
…と大まかな訳です。

《お茶を仕分ける女性の仕事》

《お茶作りの男性職人の仕事》

《台湾茶の繁栄から転換へ》

《産業の輝き》
19世紀後半、台湾茶は国際市場で大変な人気を博し、急成長します。
茶葉は、ここで分級、焙煎、包装され洋行が輸出処理を行います。缶入り、袋入りが木箱に詰められ、木箱の外側にラベルと輸出業者のマークがスプレーで付けられます。
…と大まかすぎる訳です 笑
その時に使われたのが、こちら。
ボロボロに腐食することなく、残っているなんてすごい!!

当時の缶や日本向けのポスターです。

オーナーの写真と日本統治時代と戦後の名刺のディスプレイもありました。

名刺のみアップで撮ってみました。

《輸出の衰退》
1970年から1980年代に入り、工業化が進んだことから賃金も上昇し、働き手が製茶業からほかの製造業やサービス業へと流出したため人材不足とコスト急騰に直面します。
そして、ベトナム・タイなどの低コスト国に国際市場を奪われる形で台湾茶は競争力を弱め、輸出から台湾内での販売に方向転換することとなりました。
…とまたまた大まかな訳です。
それでは、焙煎工場の方へ進みましょう。
工場の前には中庭がありますよ。
このレンガ造りが閩南風です。
上の写真の中にもところどころ写っていますよね。

二階を見上げてみる。

《第一工程 揀梗間(茎取り室)》

まずは、茶農家から仕入れた茶葉から茎や異物をこの機械で取り除きます。

この後、先にご紹介しているとおり女性によって、手作業で丁寧に選別が行われます。
高級茶製造の第一工程になります。
《第二工程 焙籠間(焙煎室)》

炉の中で木炭を砕き、もみ殻を加えて火を起こして、竹製の篩で焙煎します。
福建省安渓出身の人々から伝わった技術なのだそうです。
高級茶製造の第二工程になります。

《大師傳房》
そして、この焙籠間の右隣りには、大師傳房があります。
焙籠間は24時間体制で焙煎が行われていたので、火加減と茶葉の品質を厳格に管理するため仮眠場所として利用されていたのでしょうね。
日本酒造りと共通しているのかも、と思いました。

現在は、置かれていませんでしたが、火の安全を祈願して「灶君(竈神)」を祀っていたそうです。

茶師手帳を展示のために現代風にまとめたものですね。

《第三工程 風選間(風力選別室)》
風の力で茶葉を舞い上げ、軽さや重さによって自動的に等級を選別します。
ここで、欠けた茶葉などを除去します。
高級茶製造の第三工程になります。

では、2階へ行ってみましょう。
この階段から。
モダンなデザインなんだけれど、亀甲は吉祥紋様ですからね。

階段を上りきると、オブジェのようなディスプレイがありました。

『蒔現茶空間』という喫茶になっています。


浜松の太田屋糸店で現在も取り扱いがあるようです
窓枠も素敵。

こちらでは、この後、台湾茶の試飲の準備をはじめていました。

天井もいい感じ。
石柱と木製の梁の組み合わせですね。

喫茶の奥にも展示があります。
《台湾茶葉のはじまり》
オランダ統治時代には、すでに茶樹があったことが記録として残っており、イギリス商人が台湾茶を世界の貿易市場に導入しました。
…と大まかな訳です。

《日本統治時代に築かれた基礎》
日本総統府は台湾茶の生産を大規模化し茶樹の栽培を促進しました。
ただし、日本国内の緑茶産業との直接競争を回避するため、欧米などの海外市場への輸出を拡大しました。
台湾茶の品質を向上させただけでなく、台湾茶業の国際化を加速させました。
…とまたしても大まかな訳です。

《戦後の発展と衰退》
戦後、台湾茶の輸出は急速に回復しました。
1975年頃から国際情勢や台湾経済の発展と、茶業の代わりとなる農作物の出現によって台湾茶業は徐々に衰退し、転換の課題に直面しました。
…と大まかな訳です。

2階から3階を撮ってみました。

この階段から3階に上がりますが、3階はガイドツアーでしか見学できないようです。
祖先を祀る「公媽庁」と生活空間のようですね。

台湾の友人Lさんは、台湾茶に造詣が深くてLさんのお姉さんのお宅でよく台湾茶をご馳走になります。
かなりの年代物だと思うのですが、1mほどの大きな一枚板の茶盤はでこぼこがあって山や川をイメージするような風流で素敵な台です。
タイマーできっちり時間を測りながら、最初に香りを楽しみ、1杯目、2杯目の味わいの違いなど、とても楽しいものです。
お土産に梨山茶をいただくことがあるのですが、素人の雅が入れても美味しい!!
台湾旅行記を書いているnote記事を拝読していると、台湾茶の静かなブームは続いているような気がしますね。
台北市定古跡・新芳春茶行
台北市大同区民生西路309号
いいなと思ったら応援しよう!
雅の記事を楽しんでいただけたでしょうか?
いただいたチップは、取材時の旅費に使わせていただきますね。