【さぶいぼ選手権】来訪者
⇩⇩⇩こちらの企画に参加させていただきます⇩⇩⇩
よしまるさん お世話になります。
初めて書いたホラー寄りのお話しです。
さぶいぼ立ちますように。
よろしくお願いします。
【お題】身の毛もよだつ「さぶいぼストーリー」500文字~1,000文字程度の身の毛もよだつショートストーリーでお願いします。
とにかく「さぶいぼ」になるストーリーなら、ジャンルは不問です。
【応募ルール】8/31(月)23:59までに投稿してください。
タグに、#さぶいぼ選手権を付けるとともに、今回の募集記事を貼り付けてください。
お一人につき、何作品でもOKです。
写真やイラストの使用について、挿絵等に使用してオッケーです。
是非他の方の作品にスキやコメントをしてあげてください。
深夜二時。古い一軒家に一人で暮らす私は、玄関のチャイムで目を覚ました。
モニターには誰も映っていない。
故障だろうと思い布団へ戻ると、また鳴る。
「ピンポーン」
今度は少し長い。
気味が悪くなり、恐る恐る玄関へ向かう。
ドアスコープを覗くが、やはり誰もいない。
鍵は閉まっている。
胸をなで下ろした、その瞬間。
コン……コン……。
チャイムではない。
ドアを叩く音だった。
私は息を潜めた。
相手も黙っている。
数分後、音は止み、夜は静けさを取り戻した。
翌朝、ドアを開けると、小さな泥の足跡が一つだけあった。
家の外へ向いているのではない。
玄関の中へ向いている。
誰かが外から入った跡ではなく、中へ歩いてきた跡だった。
警察は「子どものいたずらでしょう」と笑った。
だが、その日から奇妙なことが続く。
夜中、二階で床がきしむ。
洗面所の鏡には、曇りガラスに指で書いたような「ただいま」の文字。
冷蔵庫を開けるたび、昨日より少しだけ食べ物が減っている。
私は家中を調べた。
侵入者はいない。
それでも、誰かがいる。
耐えきれず、知人の紹介で霊能者を呼んだ。
霊能者は家へ入るなり青ざめた。
「ここには何も憑いていません」
私は安堵した。
しかし霊能者は震える声で続けた。
「あなた以外には」
意味が分からなかった。
「あなたには、ずっと前から誰かが住んでいます」
その夜、眠れずに天井を見つめていると、押し入れから衣擦れの音がした。
意を決して襖を開ける。
誰もいない。
ほっとした瞬間、スマートフォンが震えた。
防犯カメラの通知だった。
留守中の録画を確認すると、真っ暗な寝室で、私が押し入れを開けて中を確認し、閉める姿が映っていた。
そして、その直後。
閉まったはずの襖が、内側からゆっくり開く。
暗闇から一人の女が這い出し、私の眠る布団の横へ座る。
数分間、じっと私の寝顔を見つめると、顔をこちらへ向けて笑った。
その笑顔は、私とまったく同じ顔だった。
動画はそこで終わっていた。
私は震える手で画面を閉じた。
その瞬間、耳元で女の声がした。
「やっと私の番。今日は、あなたが押し入れに入って」
椎名林檎 / あの世の門
