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宮本浩次さんの歌声と、チケットを手放した静かな夜に

カレンダーに付けた小さなしるしを、そっと指でなぞる。
本当なら、私は今頃、熱気と純粋なエネルギーに満ちた場所にいたはずでした。

宮本浩次さんの、60歳を迎える特別なバースデーライブ。
その歌声に、真っ直ぐな日本語の歌詞に、どれほど背中を押されてきたことか。
ずっと楽しみに、大切に温めてきた予定でした。

けれど、人生には時折、自分の意思とは関係なく、突然風向きが変わる瞬間があります。
義父の入院。
予期せぬ慌ただしさと、家族としての役割が、日常の真ん中にすっと入り込んできました。

あんなに楽しみにしていたライブに行けなくなってしまった。
その事実を知った瞬間、心の中に寂しさの波が寄せては返しました。

HSPの私にとって、日常のバランスが少し崩れるだけでも、心は思っている以上にエネルギーを消耗してしまうものです。

実は、このところ、色々な意味で少し気分が落ち込んでいました。

なんだか心がいつもより繊細になっていて、外からの刺激を大きく受け止めてしまう。
そんな状態のまま、大勢の人が集まる空間へ飛び込んでいたら、私の心は追いつけていたでしょうか。

後ろ髪を引かれる思いで、チケットをリセールという形でお戻ししました。
画面の向こうの、どなたか必要な方の元へ届くようにと願いながら。

手放した瞬間、不思議なことに、胸の奥がふっと軽くなるのを感じました。
寂しさが消えたわけではないけれど、どこかホッとしたような、深い呼吸が戻ってきたような感覚。

「ああ、これで正解だったのかもしれないな」

今の私に必要だったのは、特別な非日常のきらめきよりも、自宅のいつもの椅子に腰掛けて、お気に入りのマグカップから立ち上る湯気を眺めるような、静かで、起伏のない時間だったのかもしれません。

完璧な準備をして、期待通りにすべての予定をこなすことだけが、正しい日々の送り方ではないのだと、今回の出来事が教えてくれた気がします。

行けなかったことを悔やむのではなく、「今は心を休めるタイミングだったんだね」と、自分自身に寄り添ってあげること。
そうやって、自分の心に耳を澄ませ、そっと守ってあげる選択ができた自分を、少しだけ愛おしく思います。

お楽しみは、少し先へ延びただけ。
年末からは、待望のアリーナツアーが始まります。

それまで、日々の暮らしの営みをひとつひとつ、ていねいに重ねながら。
“家のことをきちんとやる”という、今の私が一番大切にしたい温度感を守りながら、その日を楽しみに待とうと思います。

会えなかったからこそ、次にその歌声を聴いたとき、きっと私の心には、もっと深く、温かく染み入るはずだから。
大切な予定を手放した今日の選択は、未来の私への、優しい贈り物。

今はただ、ゆっくりと心を整えていきたいと思います。
今日も無理せず、ぼちぼちいきましょう🐢

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