ケアマネの処遇改善加算、初月の算定率は76% 訪問看護は67.6%「賃上げ」はどう?
介護職員の処遇改善をめぐって、気になる数字が出てきました。
厚生労働省が公表した、2026年6月サービス分の「介護職員等処遇改善加算」の算定状況です。
今年度から新たに対象となったサービスでは、
・居宅介護支援 76.0%
・介護予防支援 76.9%
・訪問看護 67.6%
・訪問リハビリテーション 59.8%
となりました。
居宅介護支援、つまりケアマネジャーの仕事にも処遇改善加算が広がったことは、大きな変化です。
一方で、数字を見ていて、ふと考えました。
「算定率76%」と「ケアマネの賃金が76%上がった」は、もちろん違います。
そもそも処遇改善加算は、国が職員一人ひとりの給与額を直接決めて支給する制度ではありません。
事業所が加算を取得し、その収入を職員の賃金改善につなげていく仕組みです。
つまり、今回の「76.0%」は、
「対象となる事業所のうち、これだけの割合が加算を算定した」
という数字です。
そこから先に、
実際に働く人の給与がどのくらい増えたのか。
ここは別に見ていく必要があります。
しかも、居宅介護支援の加算率は2.1%。
事業所に入る加算の原資が、そのまま職員一人ひとりに2.1%ずつ上乗せされる、という意味ではありません。
事業所の規模や職員の人数、給与体系などによっても、実際の配分は変わります。
また、賃金改善の方法も、毎月の手当だけとは限りません。
基本給への反映や、賞与・一時金など、さまざまな方法があります。
だからこそ、制度として「処遇改善加算をつくりました」で終わらず、
「現場で働く人の賃金は、実際にどう変わったのか」
まで確認することが大切なのだと思います。
今回、訪問看護の算定率は67.6%、訪問リハビリテーションは59.8%でした。
新しく対象となったサービスでは、まだ算定していない事業所も一定数あります。
制度が始まったばかりなので、初月の数字だけで良し悪しを判断するのは早いでしょう。
これから算定する事業所が増えるのか。
そして、加算を取得した事業所で、職員の処遇がどのように変わっていくのか。
そこまで追っていきたいところです。
介護の現場では、人材不足が長く課題になっています。
ケアマネジャーも、訪問看護師も、地域で暮らす人を支えるために欠かせない存在です。
制度の対象を広げることは、その第一歩。
でも、本当に問われるのは、
「その制度によって、働く人の待遇は変わったのか」
なのかもしれません。
今回の「76.0%」という数字。
私は、ここから先の数字も見ていきたいと思います。
参考リンク
厚生労働省|第263回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75439.html
厚生労働省|介護職員等処遇改善加算の算定状況
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001743314.pdf
Joint|居宅介護支援の処遇改善加算、初月の算定率は76.0% 訪問看護は7割弱=厚労省
https://www.joint-kaigo.com/articles/48394/

