30秒動画を3カットに分ける|同じキャラをつなぐ設計メモ
30秒のAI動画を、1本で作ろうとすると崩れやすいです。
理由は単純で、30秒の中には、顔、ポーズ、背景、カメラ、音、表情変化がまとめて入るからです。モデルが一度に補完する範囲が広くなるほど、最初のキャラから少しずつ離れます。
だから私は、30秒をそのまま投げるより、まず3カットに分けます。
先に結論を書くと、同じキャラを保ちたいときに必要なのは「長いプロンプト」ではなく、前のカットの出口と、次のカットの入口をそろえることです。
この記事は、絵コンテの作り方全体ではありません。30秒動画を3カットに分けるとき、キャラをつなぐためにどの欄を埋めるかだけを整理します。

30秒を3カットに分ける理由
AI動画で30秒を作る場合、問題は長さそのものより、変化の量です。
カット1で正面を向いていたキャラが、カット2で横顔になり、カット3で歩きながら振り返る。これを1本の指示でまとめると、途中で顔の比率、髪の流れ、服の形、背景の光が少しずつ変わります。
再生中は気にならなくても、カットを止めると別人に見えることがあります。
3カットに分けると、確認単位が小さくなります。
カット1:キャラを見せる
カット2:動きを見せる
カット3:表情か結果を見せる
このくらいに分けると、どこで崩れたかが見えます。顔が崩れたのか、動きが強すぎたのか、背景の情報量が多すぎたのか。1本の長い動画より、原因を戻しやすいです。
固定するキャラ情報
カットを分ける前に、まず固定する情報を短く決めます。
ここで必要なのは、キャラクター設定の全部ではありません。動画で別人に見えやすい要素だけです。


顔だけ固定しても、服の襟や髪の外側が変わると、別カットに見えます。逆に顔が少し揺れても、髪型、服、小物、色温度が残っていれば、同じキャラとしてつながることがあります。
同じキャラを保つ作業は、顔の固定ではなく、読者が同一人物だと受け取る手がかりを残す作業です。
各カットの入口と出口を決める
3カット構成でいちばん重要なのは、各カットの「始まり」と「終わり」です。
動画の途中を全部管理するのは難しいですが、入口と出口なら確認できます。カット1の終わりとカット2の始まりが大きく違うと、つながりが切れます。
制作カードは、この形にします。

ここで「動き」より先に入口と出口を書きます。
たとえば、カット2を「キャラが元気に動く」とだけ書くと、モデルは大きく補完します。代わりに「右を見た状態から始まり、手を上げた状態で終わる」と書くと、次のカットへ渡す形が残ります。
動画は、1カットごとの完成度だけでなく、隣のカットに何を渡すかで決まります。
つなぎ目で見る場所
生成後に見るのは、各カットの中央ではありません。
最初に見るのは、つなぎ目です。
カット1の最後のフレーム
カット2の最初のフレーム
カット2の最後のフレーム
カット3の最初のフレーム
この4枚を並べると、キャラの連続性が見えます。
確認する順番は、顔、手、背景、音です。
顔:目の距離、輪郭、口元が別人化していないか。
手:次のカットで急に指の数や形が変わっていないか。
背景:同じ部屋なのに光の方向や物の配置が変わりすぎていないか。
音:声の距離感、環境音、BGMの入り方が急に変わっていないか。
特に音は見落としやすいです。映像がつながっていても、カットごとに声の近さや部屋鳴りが変わると、別の場面に切り替わったように感じます。
空欄テンプレート
そのまま使うなら、この空欄で十分です。

このテンプレートの目的は、きれいな企画書を作ることではありません。
生成後に「どこが違うのか」を戻れる形にしておくことです。カット単体で見ると良いのに、並べるとキャラが変わる場合、入口と出口のどちらかがずれていることが多いです。
<!-- 画像挿入位置2:空欄テンプレートを手書き制作カード風にした画像。顔・髪・服・入口・出口・音の欄が見える。公開時はこの行を削除。 -->
実行するときのツール欄
ここまで決めてから、どのツールで作るかを見ます。
3カットを別々に生成するなら、各カットのプロンプトと参照画像を保存しておく必要があります。生成後は、開始フレームと終了フレームを並べて、つなぎ目だけ先に確認します。
実行ツールの候補としては、普段使っている画像から動画ツール、動画生成AI、編集ソフトを組み合わせてもいいです。シーン分け、生成候補、字幕、音声、書き出しまで同じ流れで管理したい場合は、CrePal のような動画制作ワークフロー型ツールを使う選択肢もあります。
ただし、ツールを変えても確認は残ります。
最後に見るのは、完成した1本ではなく隣の2枚
30秒動画を3カットに分けるとき、最初から全体をなめらかにしようとすると確認範囲が広くなります。
まず見るのは、隣り合う2枚です。
カット1の終わり。
カット2の始まり。
そこが同じキャラに見えるなら、次へ進みます。違うなら、30秒全体を作り直す前に、入口か出口の指定を直します。
同じキャラをつなぐ設計は、長い動画を一気に作る技術ではありません。
カットとカットの間で、何を渡すかを決める作業です。
