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【創䜜】ヘリオス 第郚 第話


「凪、倧䞈倫か」

晃茝さんが家に来おくれた。長い廊䞋を小走りで玄関たで迎えに行き、郚屋に着くなり私は晃茝さんにしがみ぀いお泣いた。子どもみたいに、声が出るほどに。晃茝さんはその間ずっず、髪を撫でおくれおいた。

「䜕かアドバむス出来るかもしれないから、匟いおみおくれるか」

そこで私はお箏を匟いた。酷い挔奏で苊しくなる。

「挔奏が  俺に䌌おきおいないか」

「䌌せようずしおいる蚳じゃないの  。むしろ、䌌ないようにしようず思っお匟いおいるのに、匕力が匷くお、勝手に䌌おしたっお、だけど、自分なりの挔奏に戻そうずするず、ぎこちなくなっお、耳障りになるの」

今たで垞に、お匟子さんたちに「挔奏䞭は心を無にしお」ず蚀っおきた。

䞊手く匟こうずか、感情を乗せようずか、䜕も考えないで、それでも知らず知らずのうちに挔奏に入り蟌んだ衚珟こそが最高だず。

今はそれが出来ない。あんなに簡単に出来おいたこずが。

無心で匟けば晃茝さんの、安っぜいむミテヌションになっおしたう。それならばず、足を螏ん匵っお自分なりの挔奏に戻そうずするず、意識しお匟いた挔奏はちぐはぐで、矎しく聎こえないどころか䞍快でしかない。

私はたるでファ゚トンだ。ヘリオスの銬車を操れず、巊に向けおも右に向けおも䞊手くいかない。䜕ずか軌道修正しようず躍起になっおも、炎に焌け焊げ堕ちお行った、哀れなファ゚トン。

晃茝さんは私を抱きしめお蚀った。

「凪、スランプは蟛いだろうが、挔奏者なら誰にでもあり埗るんだ。苊しくおも、凪はただ若い。今スランプになったのは良い経隓だったず、きっず思える日が来るから、しばらく箏から離れおゆっくりするずいい」

家元にも、来幎月の挔奏䌚たで、党おの挔奏䌚には出ないように蚀われおいた。お皜叀だけは人が足りず、私がやるこずにした、ず、腕の䞭で説明する。

「無理はするなよ。この際、人でいろんなこずをしよう。行きたいずころに行っお、食べたいものを食べよう。そろそろ涌しくなるから枩泉もいいな」

「  なんか  晃茝さんが蚀うずすごく、卑猥に聞こえる」

「ばれたか」

私を胞に抱いたたた、晃茝さんはマフィアのように笑った。


「先生、昚幎はこんなにすごい数の孊校に行ったんですか倧倉でしたね」

「そうなの。私はこういう仕事だから構わないけど、優成くんはきっず、盞圓倧倉だったね」

衚向きは私は䜓調䞍良ずいうこずにしおあるけれど、私の教える䞭でも垫範を取埗枈みのクラスには、自分がスランプになったから暫く匟けないず話した。代われるものはあなた達に代わっお欲しい、ず。

昚幎、優成くんず回ったお箏の孊校蚪問も䟝頌するこずにした。人しかいないから倧倉なこずをお願いしなければならないけれど、挔奏の腕を考えるずこのクラスにしか頌めない。

「優成、有絊をほが䜿ったっお蚀っおたもんな」

「明」

優成くんが珍しく明くんに怒りの衚情を向ける。

「そうだったの、優成くん。じゃあ、あの時はお仕事の調敎も倧倉だったでしょう。ごめんね」

「謝らないで䞋さい、凪先生。俺には本圓に良い経隓でしたし、玔粋に楜しかったので」

「優成、先生ず同じホテルに泊たった、っお喜んでたもんな」

「同じホテルの別宀だ」

あの時は毎回、二人で電車に揺られお、食事をしお、孊校の感想を蚀い合っお、ハヌドスケゞュヌルでも楜しかった芚えがある。優成くんずいるず、気負う必芁がない。

「ずにかく量が倚いのでごめんなさい。手分けしお行けるずころだけ行っお頂けるず有難いです。無理はしないで。埋たらない孊校はお断りするこずもできるから」

孊校蚪問のため、孊校公開日の土曜日か平日でなければならないのが痛いずころだ。私のお匟子さんで職業奏者は誰もいないので、本業の予定が優先になるからだ。

「俺、月末は無理でも、月初から月䞭の土曜ならできたすよ。優成ず同じ郚屋に泊たっお熱い倜を  痛っ䜕すんだ優成」

「お前は少し黙れ」

「あたし達は䞻婊だしパヌトだから、平日は任せずいお」

「私は隅田区近蟺なら、子どもが孊校の間に行けたす」

「なんかみんなでペアを䜜っお行くっお、楜しいね」

倧倉だろうに皆が快く協力しおくれお、目頭がじんわりず熱を垯びる。良いお匟子さんに巡りあえたこずに、感謝しかない。

お皜叀が終わり皆が垰った埌、意味なく箏爪入れをパチンず開けたり閉めたりした。挔奏胜力が戻らなかったらどうしよう。䞀人になるず嫌でも考えおしたうから、お皜叀を続けられるのは有難い。

「凪先生」

ふず芋るず、垰ったはずの優成くんが皜叀堎の入り口に立っおいた。

「優成くんどうしたの。忘れ物」

「いえ ただ心配になっお。倧䞈倫ですか」

優成くんはずおも優しい人なんだった。心配をかけたらいけない。

「倧䞈倫だよ、ありがずう。お䌑みする口実にもなるし、この際いろいろず普段できないこずをしようず思っお」

笑っお蚀うも、どこかが酷く痛むような顔をする。

「その、眠れおいないんじゃないですか、先生。目が  」

「やだ、腫れおる」

「少し。い぀も通り綺麗ですが  。䜕か俺に出来るこずは無いですか」

「ありがずう。蟛くないわけじゃないけど、今たでがきっず順調すぎたの。だからたたには乗り越えないず」

そう蚀っおも眉を䞭倮に寄せお、芋぀めおくる。所圚なさげに立぀姿でさえ絵になるな、ず挠然ず思いながら、蚀うべきこずを口に出した。

「あずね、優成くん、YouTubeは本圓に、䞀人でもやった方が良いんじゃない」

優成くんにYouTubeもできない旚を䌝えたら、頑ずしお「凪先生ず䞀緒じゃないずやらない」ず蚀われおいた。

「いえ、俺は䞀人ならやりたせん」

「だけど、優成くんは今が䌞びしろでしょう。それを私のせいで止めおしたうのは良くないず思うの」

「本業も忙しくなっお来る頃だからいいんです。凪先生ず䞀緒に䌑みたすよ」


続きはこちら。


前回のお話はこちら。


第1話はこちら。





いいなず思ったら応揎しよう

みおいち@着物で非垞勀講垫のワヌママ ありがずうございたす頂いたサポヌトは矎しい日本語啓蒙掻動の原動力(くたか薔薇か萜雁)に䜿うかもしれたせん。