40年ぶりに、チャイムに救われた。
学校のチャイムは、救世主でした。
50代のミニマリスト、
しばやまと申します。
子どもの学校で「保護者懇談会」がありました。保護者が教室に集まって自分の子どもの椅子に座り、先生と保護者でお話をする時間です。
じつは、親にとってはどこかノスタルジックなひととき。
まず、椅子に座るだけで懐かしい。
子どもが小学校1年生の頃は、小さな椅子に無理やり体を押し込んで、足も机に入らない状態でした。
それが今では、机も椅子もすっかり大人サイズ。黒板に残る文字も、どこか現実的な雰囲気になってきて、
5時間目体育
※脇汗スプレーは無香料!
なんて注意書きに、親たちが思わずクスッとする、和やかな雰囲気。
ですが、今回だけは様子が違いました。
担任は、超ベテランの男性の先生。
昭和の空気をまとった、やさしくて話し上手な先生です。
……そう、話し上手すぎるのです。
次から次へと話は尽きず、気がつけば、先生の独演会。30分を過ぎたあたりから、意識が遠のき、まぶたが重くなってきました。
しかし、ここで重大な問題が。
今、私たちは「自分の子どもの椅子」に座っているのです。
つまり、いい意味でも、悪い意味でも、
「この親にしてこの子あり」
を、先生の目の前で体現している状況なのです。
眠れない。絶対に眠れない!
内申点に関わるかもしれない…(気がする)、そんな思いで、必死に手をつねりながら耐えます。
ふと教室を見渡すと――
前の席のお母さんの頭が、ガクンと落ちるのが見えました。
ダメだ!眠ったらだめだ!
がんばれ、みんな。負けるな!!
もはや先生の話は、一切入ってきません。ただ、「眠るわけにはいかない」という一点に全集中。
しかし、そんな思いとはうらはらに、
「ああ、そうだ。こんなこともありましたよ!」
先生の楽しそうな声が響きます。

もう限界でした。
私は…もうだめだわ…
みんな…
後のことは…たのんだ…。
意識が完全に遠のいたその瞬間でした。
キーンコーンカーンコーン。
教室に鳴り響くチャイム。
「それでは時間ですので、このへんで」
という先生の一言。
終わった。
長い闘いが、終わった…。
その瞬間、ふと思い出したのです。
学生時代、私は何度この音に救われてきただろう。
長い授業。終わらない話。
そこに響く、あの音。
「キンコンカンコン」は、
私たちにとって救世主でした。
そして、今。
40年ぶりに、あのチャイムに救われました。
