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pinkcat009
陣内っ!今日も征くっ!
寒い日が続くこの頃、陣内はふと思うのだった。
昨年は熊の被害が多発し、世間は大騒ぎだった。
人里に下りてくる熊、襲われる人間、そして「駆除」という言葉が飛び交う日々。
俺も何とかせねばと考え、時を遡り――金太郎の生きた時代へ向かった。
結果として、ひとまずの終息は見えた。
……はずだった。
だが最近、目に入ってくるのは別のニュースばかりだ。
強盗、襲撃、詐欺。
熊の次は人間。
そして、人間は――駆除できない。
問題は、より深く、より厄介になった。
そう感じた陣内は、再び決意する。
「……行くか」
こうして陣内は、また時空の旅に出る。
今回のキーワードは――「泥棒」。
まぁ、いいか♪
次の瞬間、足元から現代の感覚がすっと抜け落ちた。
硬いアスファルトの感触は消え、代わりに柔らかな土が足裏に伝わる。
冷たい空気の中に、薪の匂い。湿った木の香り。
遠くで聞こえる、人の話し声。
下駄の音。
どこかで戸を閉める音。
振り返っても、街灯はない。
電線も、信号も、コンビニの光もない。
――だが、不思議と怖さはなかった。
「……江戸、か」
確信はない。
それでも、身体のどこかがそう告げている。
行き交う人々の服装、荷を担ぐ男、行燈の淡い光。
ここでは“盗み”が、今とは違う意味を持つ。
そんな予感だけが、胸に残った。
陣内は立ち止まり、空を見上げる。
月は同じはずなのに、なぜか現代よりも近く感じられた。
「泥棒、ね……」
善か、悪か。
罪か、生きる術か。
この時代では、その境目は今よりも曖昧だ。
そう呟いた、その瞬間。
――カラン。
どこかの屋根で、瓦がかすかに鳴った。
陣内は闇に視線を向ける。
音のした方角へ、一歩、また一歩。
この夜、何かが起きる。
いや――起こるのだろう。
陣内は、静かに息を整えた。
「よし……」
陣内っ!
今日も征くっ!
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この言葉が、どこかで触れたなら。
そのお気持ちを、そっと置いていただければ。