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『空飛ぶ魚』


絵皿-陶芸作品


見上げれば、今日も彼らがいた。
抜けるような青空を、大きな尾ひれをゆったりと揺らしながら、サカナたちが泳いでいく。
光を浴びてきらめく鱗は、まるでちりばめられた宝石のようだ。
町の住人たちは、彼らを「渡りのサカナ」と呼んでいた。
「今年ももう、そんな季節か」
カフェのテラス席で店主が呟き、空を見上げる。
サカナたちは決まった季節になると、
はるか東の山並みから現れ、西の地平線へと悠々と旅立っていく。
その姿は、この町の風物詩だった。
子供たちはサカナを追いかけて屋根に登り、
大人たちはそれを見て目を細める。
誰もが、自分たちは地に足をつけ、
あの自由なサカナたちを見上げているのだと
信じて疑わなかった。

ある日、一人の少年が、町で一番高い時計塔のてっぺんに登った。
もっと近くで、渡りのサカナを見てみたかったのだ。
ちょうど、巨大なクジラのようなサカナが、時計塔のすぐそばを通り過ぎようとしていた。
少年が夢中で手を伸ばした、その時、、、

ぽちゃん。

奇妙な音が響いた。
それは空が鳴らした音ではなかった。
少年が伸ばした指先が、サカナのすぐ近くの「空間」に触れた瞬間、そこから波紋が広がったのだ。
光が乱反射し、ゆらゆらと揺れる。
少年は息をのんだ。
手を引っ込めると、指先が濡れている。
それは、ひんやりとした水だった。

__ひっくり返った世界__

少年は気づいてしまった。
サカナたちが空を飛んでいるのではない。
自分たちが、深い、深い水の中に沈んでいるのだと。

見上げていた青空は、実は透き通った水面だった。

時折、町を吹き抜ける心地よい風は、穏やかな「海流」に過ぎなかった。
住人たちが「空気」だと思い込んで吸い込んでいたものは、
この世界の満ちる透明な水そのものだったのだ。
サカナたちは、ただ普通に海を泳いでいただけだった。
本当に閉じ込められ、気づかずに暮らしていたのは、
自分たちの方だった――。

少年は時計塔の上から、賑わう町を見下ろした。
人々は今日も、重力に縛られていると思い込みながら、
水の底を歩いている。

「ねえ、知ってる?」

少年は小さく呟いた。
その口元から、ひとつの小さな泡が、きらきらと光りながら
青空…みなも…へと昇っていった。



物語・私がが制作した作品を元に物語をAIと共同創造しました。


見上げる空は どこまでも青く
ゆったりと尾ひれを揺らして
町の上を
サカナたちが泳いでいく
誰もが彼らを「旅人」と呼び
自由な空を 羨んだ

ある日 ひとりの少年が
いちばん高い塔の上

旅立つサカナへ 手を伸ばす

ぽちゃん、と

静かな空間に 波紋が広がり
濡れた指先が 真実を告げた
ああ、サカナたちが飛んでいたのではない
僕たちが 深い水の底にいたのだ
見上げていた青は 透き通る水面
心地よい風は 静かな海流
気づかない住人たちを置き去りにして
少年がこぼした ひとつの言葉は
小さな泡になって
きらきらと 空へ還っていく

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キャンバスに油絵とオイルパステル
個人蔵
(販売済)

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