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夫の記憶力と、夫の初めてでいたい妻


~26歳下セネガル夫とのチグハグな週末婚の記録~


「昨日、すごくおいしいチキンを食べたんだ」

夫が言った。
親友のディオプと食事をしたらしい。

「よかったねー。どこで食べたの?」

「ケーフシー!」

力強くぶつけてきたが、私は受け取れなかった。

(どこよ、聞いたことないわー)

ポカーンとする私に、夫は続けた。

「知らないの?いっぱいお店あるよ」

そんなにおいしいチキン、食いしん坊の私が知らないわけがない。

「初めて食べたよ。おいしかったなぁ」

初めて!?
夫の初めてをディオプに取られ、チクショー!だ。

ところでケーフシー?
マジでどこよ。

「駅前にあるじゃん、ケーフシー」

「あれはケンタッキーだよ」

「ケンタッキーじゃない。ケーフシー!」

やっとわかった。
ケー・エフ・シー(KFC)ね。

看板の「KFC」を、夫はそのまま店名として「ケー・エフ・シー」と呼んだのだ。
そこへ、夫の発音の良さと、私の耳のアレさが加わって、ケーフシーってどこよ!となった。

私はその切り口では呼ばない。
ケンタとかケンタッキーと呼ぶ。

というか、夫よ。

「前に一緒に食べたじゃん」

「もちろん、覚えているよ!」

夫は大きな声で答えた。
目線は、完全に泳ぎまくっている。

忘れてたな、こんにゃろー。


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