雨の日だけ、やたら甘えてくる。梅雨の猫様と、ぐっしょり帰宅する下僕OLの話。
梅雨に入ってから、お猫様の様子がいつもと違います。
ぐっしょり濡れて帰宅した私が玄関を開けると、そこにいるんです。
玄関に。出迎えに来ている。
普段、お猫様が玄関まで出迎えに来ることは、ほぼありません。
帰宅しても、大体はリビングのソファの上でぐったりしているか、窓の外の何かをじっと観察しているかのどちらかです。
「あ、帰ったんだ」という視線を一瞬くれて、すぐに興味を失うのがいつものパターン。
それが。
雨の日に限って、玄関の前で待っているんです。
私がびしょびしょのまま靴を脱いでいると、足元に寄ってきて「にゃ」と一声。
この「にゃ」が、やけに細くてか弱い。
最初は気のせいかと思いました。
でも梅雨に入って3週間、雨の日の翌朝や、どんより曇った夕方に限って、お猫様が明らかに甘えモードに入っている気がする。
気になって調べてみました(経理の仕事そっちのけで)。
どうやら猫は気圧の変化に敏感で、低気圧が近づくと耳の奥の平衡感覚が揺らいで不安になる、という説があるようです。
あくまで「説」なので、断言はできませんが。
お猫様が不安になっていると思うと、こちらとしては放っておけません。
問題は、雨の日の帰宅はただでさえ最悪なのです。
傘はさしていても袖がぬれる。バッグの底が湿る。満員電車の中で他人の傘の雫を首筋に受ける。
コンビニで買った夜ご飯のビニール袋を提げながら、「今日もよく生き延びた」とつぶやきながら帰ってくる。
そんな状態で玄関を開けると、いるんですよ。
あの小さい生き物が。
「にゃ」って言いながら。
もうこれだけで、全部どうでもよくなる。
袖が濡れていても。バッグの底が湿っていても。首筋に他人の傘の雫が落ちた屈辱も。
全部、帳消しです。
私の残業を全て吸収する吸収体の容量を、この生き物は持っています。
その後、ソファで30分ほどお猫様を膝に乗せてぼんやりしました。
経理事務の限界OLが、雨の夜に濡れたまま猫に話しかけている絵面は、傍から見たらかなりアレですが、本人は大変満足しています。
お猫様はいつの間にか飽きて、窓の外の雨粒を観察し始めていました。
不安だったんじゃないのか。
まあ、いい。
来週も雨が続くらしいので、また帰り道の傘の無力さと戦いながら、玄関に「にゃ」を待ちに帰ります。🐈
雨の日に甘えてくる猫、うちだけですか?同志の皆さんのお猫様も聞かせてください。
