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4542億円の赤字決算なのに東電の執行役18人は一人平均1394万円もの業績連動報酬をもらっていた!=中部電力は浜岡原発のデータ改ざん発表で?株価上昇中

5月26日に東電の株主総会の開催通知と事業報告書がアップされました。これを見ると、4500億円を超える赤字決算にもかかわらず、執行役員に対して、平均で1394万円もの業績連動報酬が、基本報酬を加えると一人あたり3616億円もの報酬が支払われたことがわかりました。


大赤字だった2022年度も東電の役員は業績連動報酬をもらっていた

2022年度、東電は大幅な赤字決算となり、電気料金を値上げしました。また福島原発事故の賠償金の中で、東電だけが支払うことになっている特別負担金は「経理的基礎を毀損(きそん)する」恐れがあるという理由でゼロになりました。そんな状況でも、2022年度、東電の執行役は一人当たり2688万円の報酬をもらっていて、しかもそのうちの683万円は「業績連動報酬」として支払われていました。(詳細は以下↓のnoteで)
この記事にも書きましたが、東電は、2025年度、燃料デブリの取り出し準備に9000億円をこえる特別損失を計上したので、大幅な赤字決算となることが予想されており、それでも多額の役員報酬、特に業績連動報酬が支払われるのか注目していました。

業績連動報酬だけで2億5100万円、執行役18人で一人平均1394万円

表ー1 どんどん増えている取締役報酬

事業報告書によると、2025年度も業績連動報酬は支払われていることがわかりました。業績連動報酬は一人平均1394万円。報酬全体では3616万円にも増えていました。

取締役報酬は年100万円ずつ増額

ちょっと話が業績連動報酬から外れますが、表ー1を見ると、この5年間で取締役報酬がどんどん増えていることがわかります。
表ー1の一番上の「取締役」の報酬は該当者がひとりで、執行役と兼務していないたったひとりの取締役の報酬です。2023年の値上げ申請で取締役報酬の原価参入額を一人2041万円としたのに、2022年度から2025年度まで4年間、毎年100万円ずつこの役員報酬を増やし続けています。この間、赤字決算だろうと、電気料金を値上げをしようと、キャッシュフローのマイナスが継続しようと、毎年取締役報酬を増やしている、これは電力消費者との約束違反ではないでしょうか。

2025年度事業報告書 p.16 取締役報酬 https://www.tepco.co.jp/about/ir/stockinfo/pdf/260526_2-j.pdf

営業損益はマイナス4542億円

2025年度、どれくらいの赤字決算だったのかを見てみます。東電のファストブックによると、大赤字だった2022年度をはるかに上回る4542億円の損失です。(タイトル画像は下記の図の一部)

https://www.tepco.co.jp/about/ir/library/factbook/pdf/p03-j.pdf

フリーキャッシュフローは8年連続のマイナス

会社の経営状況をみるのに「フリーキャッシュフロー」*1という大切な指標があります。東電のファクトブックでみると、2025年度は、マイナス1032億円で、8年連続のマイナスとなっています。フリーキャッシュフローマイナスの状態が何年も続くのは、かなり危機的な経営状態だと判断できます。
こんなに大変な経営状態であるのに、しかも東電は福島原発事故の賠償や廃炉処理のために年間5000億円の利益をあげることを求められているのに、どういう訳でこれほど多額の報酬を、特に「業績連動報酬」を役員たちに支払うことになったのかという説明が必要だと思います。

https://www.tepco.co.jp/about/ir/library/factbook/pdf/p05-j.pdf

東電の株価は低迷中

今年1月21日には柏崎刈羽原発6号機が起動しました。2月16日に発送電開始、制御棒のトラブルなどが続き、何度も予定延期になりましたが、4月16日に営業運転入りしました。
この間の東電の株価の推移をみてみましょう。
起動した1月21日の株価は721円、2月16日には704円、営業運転入りした4月16日には638円。そして5月29日は565円。原発が再稼働しても株価は低迷を続けています。原発1基再稼働すれば年1000億円の収益改善効果という「宣伝文句」に市場はだまされていないことがわかります。

中部電力の株価は上昇中

一方で、浜岡原発のデータ改ざんを発表した中部電力の株価は上昇しています。以下の東京新聞の記事から一部引用します。

引用=一方、市場は皮肉な反応を見せている。1月の不正公表直後から、株価は2割以上上昇。人工知能(AI)により電力需要が増加することへの期待に加え、審査停滞に伴って安全対策工事などの巨額投資が事実上の休止状態となったことが好感された可能性がある=
実際に株価の推移をみてみると、浜岡原発のデータ改ざんの発表をした1月5日に2440円だった株価は、翌6日には2206円まで下がりました。しかしその後上昇に転じ、経産省への報告をした3月31日には2582円、5月29日には2925円まで上昇しています。

関電の株価も下がり傾向

参考までに7基の老朽原発を再稼働している関電の株価と比べてみましょう。
関電の株価は、1月5日2501円。中部電力(2440円)より少しだけ高かったのですが、3月31日には2584円で中部電力(2582円)とほぼ同じに。5月29日は2336円で、中部電力(2925円)に589円の差をつけられています。
中部電力は、福島原発事故直後、2011年5月に民主党政権の菅首相から唯一の原発である浜岡原発の停止要請を受け、それ以来まったく稼働できない状態が続いています。しかも、この1月には原発のデータ改ざんを発表して、ますます原発再稼働から遠ざかった状況にある中部電力が、市場からこれほど評価されていることに、正直驚きました。
しかし、大島堅一先生のX(旧Twitter)で、中部エリアの5月30日の供給実績*3をみて、納得しました。午前11時時点での再生可能エネルギー供給率が89%、昼間の余った電気は、揚水発電と蓄電で消費し、出力制御はまったく行っていません。素晴らしい!

https://x.com/kenichioshima/status/2060900586648940795/photo/1

東電は原発頼みの経営計画から脱却を

柏崎刈羽6号機が起動した1月21日の5日後の1月26日に、東電の新しい経営計画=第5次総合特別事業計画*2が認定されました。以下の毎日デジタル経済プレミアの記事にあるように「たとえ柏崎刈羽原発の6号機と7号機が再稼働しても改善にはつながらない」と書かれていました。「再稼働したとたんにこれですか」とちょっと呆れました。以下、記事から一部引用します。

=「東電の経営状況は柏崎刈羽原子力発電所6号機および7号機が再稼働したとしても抜本的な改善にはつながらない」。東京電力ホールディングス(HD)が2026年1月26日に政府から認定を受けた最新の経営再建計画「第5次総合特別事業計画(総特)」は、こう明記している。3月11日を目前にこれを読み、違和感を持つ人は多いだろう。東電は原発が再稼働すれば経営が改善し、福島の復興に役立つと説明していたのではないか=
東電は福島原発事故により、死に体のゾンビのような経営状態になっているのに、原発に頼る経営計画に固執しています。中部電力を見習い、脱原発による経営改善を目指すべきです。市場もそれを期待しています。

#脱原発を

*1 フリーキャッシュフローについてググってみました

フリーキャッシュフローの3つのポイント
・フリーキャッシュフロー(FCF)とは、会社が事業活動で稼いだお金のうち、自由(フリー)に使える現金(キャッシュ)がどれだけあるかを示すものである。
・フリーキャッシュフローは一般的に、営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引いて求める。
・フリーキャッシュフローが多い会社ほど経営状態が良好だと判断され、フリーキャッシュフローがマイナスの会社は資金調達の必要があると判断される

*会社の経営状態を見極めるには、単年でキャッシュフロー計算書を見るのではなく数年分を見渡す必要があります。また、フリーキャッシュフローの数値だけを見るのではなく、フリーキャッシュフローの使い道や中長期の経営戦略なども踏まえて、総合的に判断するようにしましょう。

*2 第五次総合特別事業計画 (2025年1月) P.4

https://www.tepco.co.jp/press/release/2026/pdf1/260126j0102.pdf  

*3 5月30日の中部エリアの供給実績 大島堅一先生のX(旧Twitterより) 原油等の供給率はわずか2.1%。「ホルムズ海峡封鎖で、原油不足だから原発再稼働を急げ」というキャンペーン?はウソだということがよくわかります。

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