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思い込みの賞味期限

一目惚れを、よくする。
昔は、もっとしていた。もっと激しくもっと頻繁に。異性や同性、やりたいこと、行きたいところ、色々なことに。簡単に言うと独りよがり、思い込み。

たとえば、40年も前の話。
「この人とお友達になりたい」と一目惚れして、お友達になった人がいた。その頃私はちょうど「人生の熱量、全開出力中」。その人もきっと私と同じなんだろうと思い込んでいた。
私のように「やりたいこと」両腕いっぱい抱えて全力疾走中なのだろうと。

だからずっと、
私はその友人に自分勝手な情熱と課題を熱く語り続けた。
40年間ノンストップで。
前のめりで何かに打ち込む私と同じようにその間ずっと彼女も何かにのめり込んでいるのだろうと、疑いもしなかった。挫折と失敗を繰り返し、全身アザだらけになりながら、戦況報告する私を「うんうん」と聞く彼女。

ひと息ついて、
(深く潜水していると、ひと息つきに水面まで上がってくる時間が長い)
「あなたは?今、何に夢中なの?何がしたいの?」と彼女の顔を覗き込むと、
「私はいいの。別に、どうでも。
あなたが一生懸命話してくれるから、聞いてあげることであなたが楽になるかと思って。」

そんな、、

信じられない。そんなはずない。
何かあるでしょ、と問い詰めても、
特に追い求める情熱も課題も持ち合わせていない、と彼女。

あなたは、本当にあなたなの?と、
往生際悪く問いただす私に、
「ずっとそうだったよ」と彼女。
あなたが気づかなかっただけ、と。

嘘だ、と言えない。
かと言って本当だと俄には認めたくない。
40年分の思い込みの重い扉が40年かけて静々と、そして完全に開き切って向こう側に彼女の姿が見えた。
ありのままだった。

「思い込み」のチカラを思い知った瞬間だった。

そういえば、、
惚れたあの男も、
追いかけていたあの仕事も、
なりたかった自分も、
ぜ〜んぶ思い込みの賜物だったのか?と。

あああ
私の人生、思い込みでできていた?

力抜けながら、
座り込みながら、
もう一度立ち上がるために、
新しい思い込みを募集中。
できるだけ賞味期限の長い奴。

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