iPhone Duo、登場。Apple秋イベント全発表まとめ ― 36万円の折りたたみとGemini製Siriの中身
起きてスマホを開いたら、タイムラインが折りたたみだらけになってた。
日本時間の午前2時。ぼくは普通に寝てた。毎年「今年は起きて見るぞ」と思って、毎年寝てる。
そこから慌てて追いかけて、一次ソースをひととおり読んで、いま書いてる。最初の感想は正直「え、36万円?」だったんだけど、全部並べ終わったあとに残ったのは、値段よりもう少し大きな感触だったんだよね。
今回のイベントで一番効いているのは、折りたたみの登場そのものじゃなくて、Appleがラインアップの組み方を根本から変えてきたことだと思う。
速報ベースだけど、出たものは全部拾っていく。長くなるので、気になるところだけ拾い読みしてもらってもいいよ。
まず全体像:出たのは5つの製品群+OS、そして1つの空席
今回のイベント名は「Surprise and shine」。9月1日付でジョン・ターナスがCEOに就任していて、これが新体制の初キーノートだった。ティム・クックは取締役会の会長に回っている。15年ぶりの交代の直後に折りたたみ、というのはなかなか出来すぎた並びだよね。

まずは全体像から。細かい話に入る前に、この1枚を頭に入れておくと迷子にならないと思う。

iPhone Duo(Apple初の折りたたみ)
iPhone 18 Pro / iPhone 18 Pro Max
Apple Watch Series 12
Apple Watch Ultra 4
AirPods 5
iOS 27 + Siri AI + ヘルスケアAppの大改装
そして、いないものが1つある。無印の「iPhone 18」。これは後半でちゃんと触れるね。
iPhone Duo ― Appleの折りたたみは「2枚の板」ではなかった
開くと7.6インチ、閉じても5.4インチ
まず数字から。内側が7.6インチ、外側が5.4インチ。どちらもSuper Retina XDRで、ProMotionと常時表示に対応していて、ピーク輝度は3000ニト。
ここでちょっと「お」と思ったのが、外側ディスプレイの面積がiPhone 18 Proの画面の約90%あるという点。折りたたみ機のよくある不満って「閉じてるときが使いにくい」ことだったじゃない。細長かったり、小さかったり。それを、ほぼ普通のiPhoneと同じ感覚で使える面積にしてきた。
しかも内外でアスペクト比を揃えてある。だから開いても閉じてもコンテンツの見え方が破綻しない。地味だけど、これは毎日効いてくるタイプの設計だと思う。
内側にはナノテクスチャ仕上げが入っていて、開いたときの映り込みを抑えにきてる。

ヒンジは100点以上の部品でできている
本体はグレード5チタン。背面にCeramic Shield、前面にはCeramic Shield 2で、傷への強さが3倍になったとされている。IP68。
そしてヒンジ。ここが100点を超える部品で構成されてるらしい。折りたたみで一番怖いのって、結局のところ「折り目」と「壊れないか」の2つだよね。Appleがチタンとセラミックで固めてきたのは、たぶんその不安に対する回答なんだと思う。
人間で例えるなら、関節をどれだけ丈夫に作れるかで寿命が決まる、みたいな話。スペック表の華やかさより、ここに一番お金がかかってる気がする。

中身:A20 Proと、左右で2枚のバッテリー
チップはiPhone 18 Proと同じA20 Pro。6コアCPUはA19 Pro比で20%速く、7コアGPUは40%速い。Neural Engineは16コアが2基で、演算能力は2倍。
面白いのは冷却で、専用のベイパーチャンバーを積んで、持続性能をiPhone 17 Pro比で最大35%引き上げてる。折りたたむと熱の逃げ場が減るわけだから、ここは避けて通れないところだよね。
バッテリーは左右に1枚ずつの2枚構成。内側だけを使えばビデオ再生31時間、外側だけなら44時間、混ぜて使う実運用で24時間。折りたたみ機の弱点はバッテリーだと思っていたのに、そこを2枚積むという力技で殴ってきたのが今回の一番の意外性だった。
充電は有線で約20分、ワイヤレスで約30分で50%まで。
カメラと、折りたためるからできること
背面は48MP Fusionメイン(光学品質の2倍望遠に対応)と、48MP Fusion超広角の2眼。内側ディスプレイの下にFaceTimeカメラが入っていて、外側にはCenter Stage対応の前面カメラ。向きを自動で判断してくれる。
動画はDolby Visionの4K120fps。撮ったあとからシネマティック効果をかけられる。
で、折りたたみならではの機能もいくつか用意されてる。
Smart Take:AIが良さそうな瞬間を自動で押さえる
Duo Preview:外側の画面を使ったプレビュー
Kid Cue:撮影中に子どもの視線を集めるためのアニメーション
Duo FaceTime:外側の画面とカメラを使って、その場にいる別の人もビデオ通話に参加できる
Duo Previewみたいなやつは、折りたたみじゃないと成立しない機能だよね。ハードの形が新しい機能を連れてくるのは、こういう瞬間だと思う。
ソフト側:iPhoneで初めて2画面が並ぶ
iOS 27側でSplit Viewに対応した。iPhoneで2つのアプリを横に並べられるのは、これが初めて。Dynamic Islandは縦向きに再設計されて側面に収まるし、StandByはどちらの画面でも使える。
NetflixとZoomとSlackはもう最適化に入っているとのこと。
価格と発売日
256GB:364,800円
512GB:399,800円
1TB:469,800円
2TB:574,800円
カラーはスターホワイトとナイトスカイの2色。予約が10月16日、発売が10月23日で、初日は70以上の国と地域。10月30日に対象地域が追加される。
純正アクセサリはキックスタンド内蔵のiPhone Duo Folioが129ドル、2ピース構造のiPhone Duo Caseが79ドル。どちらもMagSafeとQi2に対応する。
ターナスCEOはこう言っている。
iPhone Duoは、初代iPhone以来もっとも大きな変化だ。ハードウェアとソフトウェアを一体で設計したときに何が可能になるかを示している。
iPhone 18 Pro / Pro Max ― 主役は「絞り」だった
折りたたみに全部持っていかれた感はあるけど、Proの中身もかなり尖ってる。
6枚羽根の可変絞りが載った
今回の目玉はカメラ。48MP Fusionメインに可変絞りが載った。iPhone史上はじめて。
レーザーカットされた6枚の羽根が動いて、ƒ/1.48からƒ/4まで絞りを変える。焦点距離も24mmと48mm(1倍と2倍)を切り替える構造で、明るさと被写界深度を状況に応じて最適化してくる。
絞りって、カメラをやってない人には一番ピンと来ない用語だと思う。ざっくり言うと、光を通す穴の大きさ。同じ条件なら、開くほど多くの光を取り込めて背景がボケやすくなり、絞るほどピントが合って見える奥行きの範囲が広がる。従来のiPhoneでは絞りは固定だった。これからは光の量やボケ方を、レンズの絞りでも調整できるようになる。
そこに物理的な羽根を入れてきた。ソフトで足りない部分をハードで解く、という古典的な回答が2026年に戻ってきたのはちょっと面白い。
可変絞りの動作を見る(Apple公式動画)
Pro controlsという項目がカメラAppに増えて、シャッタースピードやホワイトバランスも手動で触れるようになる。
Apple Reference Image ― 写真に署名を入れる
もう1つ、地味だけど重い機能。Apple Reference Imageは、デジタル署名つきの「参照用写真」を生成する仕組み。撮影された画像が本物かどうかを検証できる。
フォトジャーナリスト向けの機能として説明されてるけど、生成AIで写真がいくらでも作れるようになった今、その画像が本当にカメラで撮られたものかを機械が証明できること。この価値は、これからどんどん上がっていくと思う。
カメラ会社ではなくスマホメーカーがこれを標準搭載してきた、というのが個人的にはニュースだった。
A20 Proと、45時間
A20 Proは2nmプロセス。メモリ帯域が前世代比で50%増、7コアGPUはA19 Pro比で最大40%速い。新世代のベイパーチャンバーは表面積が従来の3倍あって、持続性能が最大40%向上する。
バッテリーはビデオ再生で18 Proが36時間、18 Pro Maxが45時間。Pro MaxはeSIMのみのモデルでの数字で、通常使用でも30時間。有線なら約15分で50%まで入る。
正直、この手の数字はもう「一日持つかどうか」の話を超えてるよね。二泊三日の旅行に充電器を持っていくか迷えるレベルになってきた。
価格
iPhone 18 Pro:219,800円(256GB)〜429,800円(2TB)
iPhone 18 Pro Max:239,800円(256GB)〜449,800円(2TB)
カラーはシルバー、ブラック、グレイシャー、バーガンディの4色。予約が9月12日、発売が9月18日。

3機種のスペックは並べたほうが早いので、まとめておいたよ。

同じA20 Proを積んだ3台が、それぞれ何に振り切ったのか。Duoは形、Pro Maxは持続時間、Proはカメラ。だいたいこの3方向に整理できると思う。
Apple Watch Series 12 ― 「Readiness」という新しい単位
Health Sensing System
Series 12の主役は、新しい光学式・電気式心拍センサーからなるHealth Sensing System。
心拍を1日じゅう5秒ごとに計測
心拍変動(HRV)は5分ごと。これまでの最大24倍の頻度
1,000人以上を対象にした研究で「ウェアラブルで最も正確な心拍計測」としている
HRVは2種類に分けられていて、日々のストレスを見るRecovery HRVと、長期の循環器の傾向を見る全体HRVがある。
Readinessスコア
そして今回いちばん「うまいな」と思ったのがこれ。活動量、トレーニング負荷、バイタル、睡眠を統合して、その日のスコアを0から10で示し、日中も更新する。
出てくる答えは4つ。
Recover(回復に充てろ)
Pace Yourself(抑えていけ)
Ready(いける)
Go For It(振り切っていい)
しかもスコアは1日のなかでデータが増えるたびに更新される。Apple Heart and Movement Studyのデータをもとに作られてる。

これ、健康データを見せるフェーズから、判断してあげるフェーズに切り替えたということだと思う。心拍数を出されても普通の人は判断できない。でも「今日は抑えとけ」なら誰でもわかるよね。数字を出す競争から、意思決定を代行する競争へ。この移行は他のジャンルでもたぶん起きる。
音まわりのAI機能
Apple Intelligenceを使った音まわりの新機能も発表された。
Sound Recognition:聴覚に困難のある人向けの音認識
Live Rewind:直前15秒の会話をテキストで振り返れる
Siri Recap:会話の要約を作る
音声処理はハードウェアで分離され、保存するテキストや要約はエンドツーエンド暗号化で守られる、と明記されてる。なお、Live RewindとSiri Recapは2026年後半に英語でベータ提供予定。利用にはApple Intelligence対応のiPhone 16以降(iPhone 16eを除く)が必要で、当初はEUでは提供されない。
本体とお値段
S11チップ搭載。通常使用で24時間、屋外ワークアウトで10時間(前モデル比25%増)。15分の充電で12時間ぶん入る。歩数計測も機械学習アルゴリズムで作り直された。
サイズは42mmと46mm。アルミ(ダークブロンズ/ブラック/ライトゴールド/スペースグレイ)、チタン(レイディアントゴールド/ナチュラル)、セラミック(パールホワイト/ナイトブルー)。

日本価格はアルミが71,800円から、チタンが125,800円から、セラミックが159,800円から。9月18日発売。
Apple Watch Ultra 4 ― 84時間という数字の意味
Ultra 4も同じS11チップで、Health Sensing SystemとReadinessは共通。違いは、ひたすら持久力。
通常使用:最大50時間
低電力モード:最大84時間
ワークアウト(GPSと心拍フル稼働):最大25時間
最大延長ワークアウト:最大45時間
15分の充電で約18時間ぶん
低電力84時間って、金曜の朝に充電して月曜の朝まで持つ計算だよね。もはや「毎晩充電するもの」というカテゴリから半分抜け出してる。
カラーはナチュラルとブラックのチタン。バンドはトレイルループの新色(ダークアンバー/サンド/バーガンディ)、アルパインループ、半透明のオーシャンバンド。

日本価格はアルパインループが142,800円、チタニウムミラネーゼループが159,800円。9月18日発売。
AirPods 5 ― 開放型なのにANC、という矛盾を解きにきた
これ、地味にすごくない?
AirPods 5は開放型(耳を塞がない形)のまま、ノイズキャンセリングを積んでる。AirPods Pro 3から引き継いだ新しいマルチポート音響アーキテクチャで、AirPods 4のANCと比べてノイズ除去量が最大50%増えたとしてる。
耳栓みたいに物理的に塞げないのにノイズを消す、というのは要するに計算で殴っているわけだよね。遮音という物理の問題を、計算量で解きにいっている。この構図、AI周辺で何度も見てきたやつだと思う。
機能面はこのあたり。
次世代のAdaptive EQ。耳の形の違いを吸収して音を最適化する
パーソナライズされた空間オーディオ
強化された外部音取り込み、Adaptive Audio、Conversation Awareness
Siri AIにハンズフリーで応答できる。うなずけばYes、首を振ればNo
Live Translationによるリアルタイム翻訳
ワイヤレス充電ケース版は感圧センサーで音量スワイプができる(開放型では初)
バッテリーはANCオンで、標準モデルが1回の充電で最大4時間。ワイヤレス充電ケース版は最大5時間、ケース込みで最大22時間。防塵・防汗・耐水も強化されてる。

日本価格は標準が23,800円、ワイヤレス充電ケース版が27,800円。9月18日に65以上の国と地域で発売。
ヘルスケアApp大改装 ― Longevityと「Health Age」
ハードの陰に隠れがちだけど、個人的に今回いちばんザワッとしたのはここ。ヘルスケアAppが2026年後半に作り直される。
3つの新しいタブと機能
Insightsタブ:心臓、睡眠、Readiness、フィットネス、周期の要約が1日を通して更新される
Longevityタブ:長期の健康データを分析する。そこに「Health Age」という指標が入る。Health Ageの利用にはApple Watchが必要
動作評価:iPhoneのカメラとApple Watchなどを組み合わせて、柔軟性・筋力・バランスなどを自宅で評価する。VO₂ maxの推定には、Apple Watch、AirPods Pro 3、または対応する他社製心拍計が必要
Health Ageは、健康指標から算出した年齢を実年齢と並べて見せるもの。実年齢は変えられないけど、こっちの数字は動かせる、という設計は行動を変えさせるうえでかなり強い。体重計に乗るのと同じ仕組みを、体全体に広げたようなものだよね。

検査ラボとの接続
さらに、Quest Diagnosticsの約2,000拠点と連携して、50以上のバイオマーカーの検査を119ドルでApp内から予約できるようになる。米国での話ではあるけど、スマホが測るだけでなく、採血の予約まで通す段に入った。これはけっこう大きい線の越え方だと思う。
周期記録は更年期・更年期前の記録に対応。40歳以上のユーザーに対しては、周期の変化から更年期前の可能性を通知する仕組みも入る。
その他、Workout BuddyがiPhoneなしのApple Watch単体で動くようになったり、GymKitがAirPods Pro 3の心拍とジム機器の連携に対応したり、トレッドミルの距離計算が改善されたり。
watchOS 27は9月15日(日本時間)から、Apple Watch Series 9以降、SE 3、Ultra 2以降に提供される。ヘルスケアAppの新機能は当初は米国英語から。
iOS 27とSiri AI ― 中身はGoogleのGemini
さて、ここ。
iOS 27は日本時間9月15日に配信される。目玉は、何度も延期されてきた新しいSiri、つまりSiri AI。ただし、9月の提供開始は英語のベータ版で、日本語対応は10月に予定されている。
そして中身はGoogleのGeminiベースのモデル。AppleがGoogleと組んで、Siriの頭脳をGeminiで作っている。
これ、冷静に考えるとかなり異様な絵じゃない? 検索でもブラウザでも地図でも殴り合ってきた相手に、自社の音声アシスタントの中枢を任せてる。Appleは自分で全部作る会社から、一番いいものを持ってきて自分の器に収める会社へ、静かに立ち位置を変えたということだと思う。
もっとも、これはAppleが以前からやってきたことでもある。Intelのチップを使い、Googleに検索のデフォルトを売り、そのうえで「体験」の側を握り続けてきた。今回はその対象がAIの中枢になった、というだけとも言える。だからこそ、器のほうをどれだけ握れるかが勝負になる。
対応状況はこのあたり。
iPhone 15 Pro以降が対象。iPhone 17シリーズ以降はオンデバイス処理で音声認識がさらに強い
iPadは最新のiPad mini、Air、M1以降のPro
EUでは無期限に延期、中国でも提供されない
Liquid Glassデザインの調整、子どもの安全設定の拡充も入る
複数ステップの指示や複雑な質問にちゃんと答えられるようになった、という評価が初期テストで出ている。ここは実機で触ってから改めて書きたいところだね。
空席の話 ― 「無印iPhone 18」はどこにいったのか
今回、iPhone 18の無印モデルは発表されなかった。ProとPro Maxだけ。
背景にはラインアップを分けて投入する計画があると報じられていて、無印のiPhone 18とiPhone 18eは2027年春に回ると見られている。ただし、発売時期はまだ正式発表されていない。報道どおりなら、秋にPro、春にスタンダードという半年ずらしの二毛作に、iPhoneのカレンダーそのものが組み替えられることになる。
これ、実現すれば影響が地味に大きいと思う。秋に新しい標準モデルを待つ習慣も変わるかもしれない。買い替えを毎年秋に合わせてた人は、来年からリズムを見直すことになりそうだ。
発表後のラインアップを上から見ていくと、Duo、18 Pro、その下にiPhone Air、17、17e、16と続く。18の枠だけがぽっかり空いてるのがわかると思う。

イベントは一晩で終わったけど、発売が発表された製品が手元に届くのは9月と10月。そこに、報道ベースの予測として来春が続く。この図は、発表済みの日程と予測を分けて見てもらえると、買い替え計画を立てやすいと思う。なお、9月15日に始まるSiri AIは英語のベータ版で、日本語対応は10月予定だ。
日本価格の話 ― 為替が153円なのに、換算は165円
もう一つ、日本にいると避けて通れない話。
今回の日本価格、発表当日の東京市場のドル円が153円台だったのに対して、日本の税抜価格を同じ容量の米国価格で割ると、1ドル165〜168円程度に相当する。ただし、これは販売価格から逆算した目安で、Appleが公表した換算レートではない。SNSでも「円高になってるのに円安価格」という指摘が相次いだ。
しかも旧モデルが値上げされてる。iPhone 17が142,800円から159,800円へ。新型が出たら旧型が下がる、という当たり前が今回は逆に動いた。
iPhone 18 Proの最安構成が219,800円。前モデルから約4万円上がってる。Duoは36万円超。「うちの冷蔵庫より高い」という感想が流れてきて、笑ったあとに笑えなくなった。
為替レートは日々動くけど、その変動が販売価格に即座に反映されるわけではない。Appleには年途中の価格改定例もあり、改定が年1回に限られるわけではないんだよね。だから、為替だけで次の値下げ時期は判断できない。買うタイミングを考えるなら、為替の動きとあわせて、公式ストアの実際の価格や改定情報も見ておきたい。
36万円台という数字も、容量を上げていくとあっという間に50万円台に届く。ここは一度、実際の価格表を自分の目で見ておいたほうがいいと思う。
Miccellの視点:Appleは端末を売るのをやめて、ハブを売り始めた
全部並べたうえで、ぼくが今回いちばん面白いと思った点を書いておく。
今回の発表を、製品ごとではなく「データの流れ」で並べ直すと、絵がガラッと変わるんだよね。
Apple Watchが、心拍を5秒ごと・HRVを5分ごとに取り続ける
iPhoneのカメラが、Apple Watchなどと組み合わさって柔軟性やバランスを評価する計測器になる
ヘルスケアAppが、それを Health Age という1つの数字に畳む
Siri AIは10月に日本語対応予定。こうした健康データの意味を、対話で理解する入口になることを期待したい
AirPodsが、うなずくだけでそれに応答できる入出力口になる
つまり個々の製品はセンサーと出入口でしかなくて、真ん中にユーザーのデータを解釈する層が新しく置かれたということ。Readinessスコアが象徴的で、あれは複数デバイスの計測を1つの判断に変換する装置だよね。
ターナスがiPhoneを「知的なパーソナルハブ」と位置づけたのは、たぶんそういう意味なんだと思う。折りたたみは、そのハブに新しい形を与えるための入れ物。
で、ここからが本題。
中枢のモデルがGoogle製だとしても、データが集まる場所と、それを解釈して人に渡す出口を握っていれば、勝負は成立する。Appleが今回証明しようとしてるのは、たぶんこれ。AIの性能競争そのものからは半歩降りて、「どこにデータが溜まり、誰がそれを人間の言葉に変えるか」の位置取りを取りにいってる。
これって、ぼくらが個人でAIを組むときの構図とまったく同じなんだよね。モデルは借り物でいい。大事なのは、自分のデータがどこに溜まって、どういう順番で流れて、最後にどんな形で自分の手元に返ってくるか。その配管を設計した人が、いちばん得をする。
Appleは今回、その配管図を世界最大規模で見せてきた、という感じがしてる。
まとめ:買うかどうかより、並びを見ておくと得をする
長くなったので、要点だけもう一度。
iPhone Duoは10月23日発売、364,800円から。外側5.4インチが「普通に使える」のが最大の設計判断
iPhone 18 Pro / Pro Maxは9月18日発売、219,800円から。可変絞りとApple Reference Imageが本命
Apple Watch Series 12 / Ultra 4は9月18日発売。Readinessが「数字を判断に変える」新機軸
AirPods 5は9月18日発売、23,800円から。開放型のままANCを50%強化
iOS 27は9月15日配信。GeminiベースのSiri AIは英語のベータ版から始まり、日本語対応は10月予定
無印iPhone 18は2027年春発売との見方。正式発表はまだなく、実現すれば標準モデルの買い替え時期も変わりそう
全部を買う必要はまったくないと思う。ただ、今回の並びは、何が売られたかより、Appleが次にどこへ賭けたかのほうがはっきり出ている発表だった。
仕組みとして眺めると、新製品発表って年に一度の設計図公開なんだよね。買わなくても読めるし、読むだけでも十分に面白い。

みんなはどれが気になった? ぼくはiPhone Duoの外側5.4インチと、ヘルスケアのHealth Ageが同じくらい引っかかってる。コメントで教えてもらえたら嬉しい。
製作ノート
速報として書いたので、一次ソースはApple Newsroomの6本のプレスリリースを軸にして、日本価格はケータイ Watch、Siri AIまわりはEngadgetで補った。
書きながら困ったのは、情報量が多すぎて「並べるだけの記事」になりかけたこと。スペックを順番に書くと、たぶん誰も最後まで読まないんだよね。それで途中から、製品ごとではなく「データがどこを流れるか」で並べ直したら、急に一本の線が見えてきた。
図解を3枚入れたのも同じ理由。表が使えない環境で長い比較を文章にすると比較しづらくなるので、比較は画像に逃がして、本文は流れの説明に集中させてる。
たぶん来週には実機レビューが山ほど出てくる。そのときに、この記事の「Appleはハブを売り始めた」という見立てが当たってるかどうか、答え合わせをしたいと思ってる。
Miccell - 仕組みがわかれば、世界はもっと面白くなる。
