【第17弾】勝負は一瞬で決めろ。100億を創る「孫子の兵法」と風林火山(後編)
これまで、100億の構造を創るための戦略として、孫子の兵法から「事前のリサーチで負けない戦をする(前編)」「水のように形を変え、相手の弱点を突く(中編)」ことについて書いてきた。
しかし、どれだけ戦いを避け、準備を重ねて相手の懐に入り込んだとしても、ビジネスにおいて最後に必ず訪れるのが「クロージング(決戦)」の瞬間だ。 今回は、いざ戦うと決めた時の「スピード」と、勝った後の「冷徹な引き際」について書き留める。
■ やるとなったら「風林火山」。秒速で仕留めろ
いくら周到に準備をしても、いざ商談や交渉の場でダラダラと時間をかけてはならない。戦いが長引けば長引くほど、リソース(時間や気力)は枯渇し、相手に迷いや他の選択肢を与える隙を与えてしまうからだ。
孫子は、いざ動く時の極意を「風林火山:疾(はや)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如し、侵掠(しんりゃく)すること火の如し、動かざること山の如し)」と表現している。 勝負をかける時は、嵐のように猛スピードで「YES」をもぎ取る。逆に、相手が迷っている時や状況が見えない時は、林や山のように微動だにせず静かに待つ(陰雷)。この緩急と、一瞬で勝負を決めるスピード感こそが、100億を創るトップセールスの証なのだ。
■決して 相手を論破して「追い詰める」な
そして、多くの営業マンが勘違いしているのが、商談において「相手を論破し、ぐうの音も出ないほど叩き潰して買わせようとする」ことだ。
孫子は「窮寇(きゅうこう)には追ることなかれ」、つまり「追い詰められた敵に迫るな(逃げ道を残しておけ)」と警告している。相手の言い分を全否定して無理やり追い詰めれば、必ず強烈な反発(キャンセルやクレーム)を生む。 クロージングの際も、相手のプライドを傷つけず、「自分で選んだ」と思わせる逃げ道(選択肢)を必ず残しておく冷徹さが必要だ。
■ 「敵の貨を取り」最強の味方に変えろ(呉越同舟)
真の勝利とは、敵(警戒心の強い顧客や、手数料を交渉し合う代理店など)を完全に打ち負かすことではない。孫子が「敵の貨を取る者は利なり」と言ったように、相手の利益やリソースをうまく利用し、自陣に取り込むことだ。
これを孫子は「呉越同舟(敵同士でも同じ目的の船に乗せれば手を取り合う)」と表現した。 例えば、案件を紹介してくれる「代理店」だ。彼らを単なる外注先や、利益を削り合う交渉相手(敵)として見てはいけない。そうではなく、「このクライアントの課題を解決し、売上を最大化する」という巨大な共通の目標(同じプロジェクト)という船に一緒に乗せるのだ。 違う敵(クライアントの課題)を見つけ、同じプロジェクトを進めさせることで、利益を奪い合う関係になりがちな相手であっても、強固に手を取り合う最強のパートナーへと変わる。
顧客とも「売る・買う」の敵対関係になるのではなく、共に市場を開拓する同志へと引きずり込む。敵すらも味方に引き入れるこのスケールの大きさこそが、100億を創り上げるリーダーの器なのだ。
■ 怒りで動くな。冷徹な頭脳と熱い志を持て
最後に、孫子は兵法の締めくくりで「怒りをもって師を興すべからず」と説いている。 思い通りに動かない顧客や、ミスをしたメンバーに対して、決して感情(怒り)で戦いを始めてはならない。
100億の構造を創るリーダーに必要なのは、常に冷徹に「勝てる戦(負けない戦)」を見極める頭脳と、泥臭く他者貢献を続ける熱い志だ。 3回にわたって綴った2700年前の「負けない技術」。これを血肉に変え、今日からまた、圧倒的な行動を積み上げていく。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします! いただいたチップは違う形でみなさまに還元させていただきます!