【第190弾】「フォークボールは最後まで投げるな」。採用で「期待値 > 現実」の甘い嘘を投げ、入社後に急降下させる経営者の不誠実を疑え
「良い人材を採用したいから、うちの会社の良いところばかりをアピールしよう」「会社のビジョンや将来のアップサイド(MetaGrowthXの爆発的スケール)を見せて、いかに素晴らしい環境かを伝えて引き留めよう」と理由をつけて言い訳をし、自ら「最初から『この仕事は辛いし、簡単じゃない。ほとんどの人が途中で辞めていく過酷な戦場だ』という耳の痛い現実(期待値コントロール)を誠実に伝える決断の苦痛や、それを聞いて去っていく人間を目の当たりにするプレッシャー」から逃げ、放っておけば、すぐに「入社前だけ甘い夢を見せる『フォークボール』のような採用をして一時的に組織を大きく見せ、入社後のギャップに苦しむメンバーを見て見ぬ振りをする」楽な自己満足の道を選んでしまう自分がいる。
しかし、良い人を採りたいという目の前のエゴを盾にして、入社後に期待値が現実を上回る(期待値 > 現実)という最悪のバグを組織に埋め込んでいる経営者としての不誠実さは、ここで完全に、根こそぎ無くしたいと思う。
100億の構造を創るシステムビルダーの戦場において、最初から「プロフェッショナルの厳しい現実」を1ミリも誤魔化さずに伝えることこそが、最も深い「インテグリティ(誠実さ)」であり、結果として本当に自走する強い仲間だけを惹きつける唯一のショートカットであるという冷徹な事実を直視し、自らの属人性(良い人を気取りたい見栄)を根こそぎ破壊して「冷酷な期待値コントロールの仕組み」にフルベットするという痛みを伴う作業から、私は絶対に遅れることなく、逃げないようにしたい。100億の組織を創る「代表取締役」としての責務を果たす。今回から5回に渡り私の尊敬している先輩経営者から頂いた言葉を落とし込んでいきたいと思う。
■ 採用市場で良い顔をしたいという、経営者の卑しいエゴを疑え
私の中には「Metamonという会社を、誰もが憧れる最高にお洒落で、働きやすくて、一瞬で急成長できる魔法の環境であるかのように見せたい」という、極めて未熟で傲慢なエゴ(見栄)がすぐに首をもたげてくる。 その甘えに油断すると、私はすぐに「採用面接の場で、うちの会社の良い面や将来の輝かしいアップサイドばかりを強調して、いかにここに入るのが正解かをプレゼンして口説こう」という、耳障りの良い「ビジョナリーな採用」という言葉を都合よく言い訳に使ってしまう。
しかし、これは一人のプロフェッショナルとして、極めて未熟で危険な甘え(逃げ)でしかない。 これまでの備忘録でも強く自戒してきた通り、「見栄は高くつく」。 採用の時に、良いことばかりを言いすぎてしまうのは、ただの「脳のサボり(怠慢)」だ。 相手を口説き落としたい、優秀な人に入ってもらって自分の承認欲求(社長としての有能さ)を満たしたいがために、プロットの美しさだけを語り、現実の泥臭さや厳しさを隠してしまう。 それは、バッターボックスに向かって、最初は直球のストレート(綺麗な良い話)に見えるのに、手元で急激に落ちて誰も打てなくなる最悪の「フォークボール」を投げているようなものだ。 フォークボールは、最後まで投げてはならない。手元で急降下した瞬間、期待と現実の凄まじいギャップ(期待値 > 現実)に直面したメンバーは、脳内に強烈な不信感(ノイズ)を抱え、パフォーマンスを完全に崩壊させる。 採用の場で良い人ぶって、甘い嘘の球を投げる卑しいエゴは、今すぐ自分の中から完全に、根こそぎ無くしたいと強く願う。
■ 期待値コントロールの科学。「期待値 < 現実」の不等式だけが自走を創る
なぜ、どれほど優秀な人間を採用しても、入社後すぐに「思っていたのと違う」とモチベーションを失い、辞めていってしまうのか。 それは、モチベーションの上下が個人の資質の問題ではなく、完全に「期待値と現実のバランス(期待値コントロール)」という設計の失敗から来ているからだ。
組織マネジメントにおける絶対的な掟は、「期待値 < 現実」の不等式を常に維持し続けることだ。 期待値が現実よりも少しでも高くなってしまう(期待値 > 現実)状態は、100%NGである。 だからこそ、私たちは採用の場や、事業のアップサイドを見せる時に、絶対に嘘をついてはならない。期待させすぎてはならないのだ。 「うちの事業(MetaGrowthX)の伸び代は凄まじいし、ここには圧倒的な成長機会がある。これは事実だ。しかし、ここに入れば簡単に行ける、簡単に稼げる、簡単に成長できるなどとは1ミリも思うな。ここはプロの戦場だ。辛いし、簡単じゃない。最初の数ヶ月は地味で退屈な仕組み(マニュアル)の習得に脳のメモリをフルベットし、毎日何回も現場で転んで泥をすすることになる。ほとんどの人がついていけずに辞める。しかし、その苦の道を逃げずにやり切った0.5%だけが、本物のプロの人格者として圧倒的な豊かさを手に入れることができる」 そうやって、入社前に期待値のハードルを冷徹なまでに「辛い現実」へと下げておく。 最初から「不都合な真実」をすべて提示された状態で、それでも「この戦場で自分の力を試したい」と自らの意思で打席に立つ決断(主導権)をした人間だけが、現実の壁にぶつかった時に言い訳をせず、自らを自制(セルフガバナンス)して自走し始めるのだ。
■ 甘い嘘を排除し、徹底的な「事実(ファクト)」のインテグリティを敷き詰めろ
では、どのようにしてこの期待値コントロールを組織に実装すべきなのか。 それは、日々のコミュニケーションから小手先のハックや「良いこと」を語るのを引退し、徹底的な「事実(ファクト)」に基づくインテグリティを敷くことだ。
私たちは、面接の1回の対話において、「嘘ついたら絶対にダメだ」というモラルを死守する。 「うちに来たら100%成長できるよ」という、誰にでも当てはまるような無責任な寝言(平等)を言うのをやめ、「私たちは君に『環境と武器(マニュアルとスコアカード)』という公平な土台は100%与える。しかし、それを使いこなして本当に成長できるかどうかは、100%君の勉強(努力)と、日々の行動目標(スコアカード)をやり切るかどうかにかかっている」と、冷酷な役割の非対称性を伝える。 辛いこと、簡単じゃないこと、そして泥臭い「できた1回」を積み上げるプロセスの過酷さを、1ミクロンのごまかしも挟まずに言語化する。 この、一見すると不愛想で冷徹に見える対話こそが、相手の脳内メモリを最も気遣う「真のGiverとしての愛」なのだという真理から、絶対に目を背けてはならない。
■ 100億を創るためにも、フォークボールを引退し、現実の厳しさを語る不格好な率先垂範の背中を示したい
「良いことばかりを言って、お行儀良く人を集めれば、いつか自然にみんなが自走して幸せになるだろう」「夢やロマン(精神論)だけで組織は回るはずだ」。 そう言って、現場のリアルな厳しさから目を背け、採用や教育の場でフォークボールを投げ続ける経営者としての弱い甘えを、私は自分の中から完全に、根こそぎ無くしたいと強く願う。
代表取締役である私自身が、誰よりも「Doubt Wisely」を体現し、「採用の時の美しいアピール」を健全に疑う。 ただ人を多く雇うという見栄(エゴ)を完全に捨て去り、「期待値 < 現実」の冷酷なルールを敷く。 「人には愛(熱量)、行動には仕組み(ルール)」で向き合う。 面接に来た相手に対して、自社の圧倒的なインテグリティをさらけ出し、辛い現実を真っ先に伝える不格好な率先垂範の背中を示す。 「勝つまで負けない。戦う意志を示す限りあきらめない見捨てない」という我が社の絶対的な行動指針を、自らが耳に心地よい夢を語る見栄をすべて脱ぎ捨て、本当のプロとして生き残る「苦の道」の価値を語り続ける覚悟として、一生をかけて仲間に示し続ける。 その覚悟と、期待値を科学的に設計する圧倒的な執念(智情意)を持った時だけ、私たちは誰も見たことのない100億の景色へと、全員で手を携えて一気に到達できるのだと確信している。
このことを、しっかり肝に銘じておきたい。
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