【第145弾】「信用を減らさない」という守りの甘さを無くしたい。無傷のプライドを捨て、危機の最前線で泥をかぶり、信用を「担保」にフルベットするのが掟だと思う
「信用は貯まるのは遅いのに失うのは一瞬だから、とにかく失わないように大人しく、ミスなく立ち回ろう」「傷をつけないように、安全な選択だけを繰り返そう」と言い訳を用意し、自ら「リスクを背負って打席に立ち、不格好に失敗して頭を下げるという苦痛」から逃げ、放っておけば、すぐに「ピカピカの無傷な信用を守って満足する評論家」という楽な道を選んでしまう自分がいる。
しかし、減点を恐れて縮こまり、結局は何も挑戦せずに機会損失という最大の不誠実を積み上げている経営者としての甘さは、ここで完全に無くしたいと思う。信用とは守るための防壁ではなく、100億の未来に向けてフルベットするための「最強のレバレッジ(担保)」であるという冷徹な現実を直視し、不退転の覚悟で前線に立ち続けるという痛みを伴う作業から、私は絶対に逃げないようにしたい。100億の組織を創る「代表取締役」としての責務を果たす。 このことは、自分の中でしっかり肝に銘じておきたい。
■ 「失う恐怖」に怯える縮こまりは、綺麗な言葉でカモフラージュした「臆病(ビビり)」だ
私はすぐに「信用は貯まるのは遅いのに、失うのは一瞬だ。だから、今はこれ以上のリスクは冒さず、確実に勝てる無難なことだけを淡々と処理しておこう」という、一見ストイックで、しかし極めて冷めた保身の言い訳に逃げそうになる。
しかし、これは一人の経営者として、最も恥ずべき未熟な甘えでしかない。 「信用のクレジットを守る」という言葉は、非常に聞こえが良い。だが、その耳障りの良い言葉の裏で、私たちは「挑戦して失敗し、自分の無力さを白日の下にさらされる苦痛」や「不格好に頭を下げて泥をかぶるプレッシャー」から、無意識に逃げているだけなのではないか、と冷徹に自問しなければならない。 第74弾の備忘録でも強く自戒した通り、「見栄は高くつく」。 傷をつけないように、非難されないように、安全な選択肢だけをそろえて格好をつけているだけの鎧は、ただの「臆病(ビビり)」のデコレーションに過ぎないのだ。 ミスを恐れるあまりにスピードを落とし、現状維持という名の衰退に甘んじるような生ぬるい姿勢は、今すぐ自分の中から完全に、根こそぎ無くしたいと強く願う。
■ 無傷の信用は「一回も挑戦していない」ことの証明。ゼロイチの戦場にピカピカの鎧はいらない
新しい事業(MetaGrowthX)を立ち上げ、誰も到達したことのない高い目標(粗利20億・売上100億)を追いかけるゼロイチの現場において、最初から綺麗な「想定内」など何一つ存在しない。
自社の歴史が証明している通り、事業の確立とは「思い通りいかないことばかり、想定外ばかり、準備不足、力不足」の連続だ。 その嵐のような戦場で、一度も傷がついたことのないピカピカの鎧を着ている人間がいたとしたら、それは優秀なのではない。 「一回も、命懸けの打席(挑戦)に立ってこなかった」という、決定的な怠慢の証拠でしかないのだ。 第67弾でも綴った通り、本当に強いチームとは、背中を戦場で預け合える仲間がいるチームだ。 その「背中を預けられる信頼」は、お互いに無傷でスマートに立ち回っている時には、逆立ちしても生まれない。 「数字が落ちた時」「クレームが起きた時」「プロジェクトが崩れそうな時」。 その答えのない危機(Hard Things)の最前線で、自分の保身ではなく、チームや顧客を本気で守るために前に出て、泥だらけになりながらも絶対に「降りなかった(逃げなかった)」という事実だけが、本物の信頼(インテグリティ)を創り出す。 無傷のプライドで自分を大きく見せるのをやめ、失敗を恐れずに打席に立ち続ける不格好なリーダーでありたいと思う。
■ 信用を「貯金」として眺めるな。100億の構造(MetaGrowthX)を創るための「担保(レバレッジ)」にせよ
では、日々の地味で退屈な当たり前(約束を守る、時間を守る、事実を峻別する)を積み重ねて貯まった「信用のクレジット」を、私たちはどのように扱うべきなのか。 日本経済の父・渋沢栄一が『論語と算盤』の中で説いた「よく集め、よく散ぜよ」という富の還流の真理を、私は信用の設計においても適用しなければならないと確信する。
信用とは、ただ失わないように貯金箱の中に貯め込んで、夜な夜な眺めて悦に浸るためのものではない。 100億の構造を創るリーダーは、その地道に貯まった「信用(クレジット)」を担保にして、次の未踏の領域、誰もが「そんなニッチで面倒臭いことやめときなよ」と引き留めるような挑戦に対して、レバレッジをかけてフルベット(投資)するのだ。 「2頭は追わない」。 使えるリソースをすべて注ぎ込み、自社開発にこだわり、リスクを張って一気にマーケットに溝をあける。 その重要な意思決定(ピボット)を断行する時に、あなたを信じて「もう一回、この男に任せてみよう」「柴田が言うなら、この勝負についていこう」と、銀行や、クライアントや、背中を預け合う仲間たちが動いてくれるのは、あなたがこれまでに積み上げてきた「信用のクレジット」という、目に見えない無形資産があるからだ。 信用を守るだけの「貯金信奉」を今すぐ捨て去り、貯まった信用を爆発的な成長(メタグロース)を創り出すための「最大のレバレッジ(担保)」として使い倒す、攻めの経営者でありたい。
■ ハインリッヒの法則をハックする。誠実さとは「減点回避」ではなく「秒速リエントリー」のエネルギーだ
信用のクレジットを攻めに使うからこそ、日々の業務における「不誠実の排除(ハインリッヒの法則のハック)」は、極限まで徹底しなければならない。 企業の崩壊や不祥事という「1件の重大事故」は、突然起きるのではない。 日常の「ちょっと盛った」「言わなかった」という、300件の小さなヒヤリハット(不誠実)の積み重ねの先に、必ず起きる。
だからこそ、私たちはリアルタイムで事実を峻別し、110億の売上を月、週、日、AMPMにまで構造化して行動を数値管理(スコアカード化)する。 そして、不都合な事実(ミスや未達)が発生した時にこそ、現場が「怒られる恐怖」から事実を隠蔽するようなピリついた空気(心理的安全性がない環境)を完全に排除する。 ミスが起きた時、言い訳を1ミリも挟まない。 「言い訳3謝罪7でもNG。言い訳0謝罪10でやっと伝わる」。 ミスを最速で認め、言語化し、なぜ起きたのかという本当の原因(要因面)をえぐり出し、対策を打って、秒速でリエントリー(再挑戦)を繰り返す。 この「失敗を失敗で終わらせない、再挑戦を仕組み化する」誠実なプロセス(線)の逆算設計があるからこそ、想定外のピンチは「危険のサイン」から「最強の学習素材」へと変換され、信用のクレジットは減るどころか、驚異的な複利となって戻ってくるのだ。
■ 100億を創るためにも、綺麗な鎧をすべて脱ぎ捨て、泥だらけの背中で「信頼」を掴み取る自分でいたい
「信用を失うのが怖いから、新しい提案は控えよう」「うまくいく確証が得られるまで、この決断は後回しにしよう」。 そう言って、目先の摩擦や失敗を恐れ、本質的な挑戦から逃げ回ろうとする経営者としての弱い甘えを、自分の中から完全に、根こそぎ無くしたいと強く願う。
代表取締役である私自身が、誰よりも「Doubt Wisely」を体現し、信用の防衛という言葉の甘さを健全に疑う。 「100で取りすぎず、70にする」謙虚さを持ち、相手の脳内メモリを極限まで気遣うGiverとしてのコミュニケーションを徹底しながらも、ここぞという勝負どころでは、これまでに積み上げたすべての信用を担保にして、退路を断ってフルベットする。 「勝つまで負けない。戦う意志を示す限りあきらめない見捨てない」という我が社の絶対的な行動指針を、ただのテキストではなく、傷だらけになりながらも前に出続ける「泥臭い率先垂範の背中」として仲間に示し続ける。 その覚悟と、構造を科学的に設計する圧倒的な執念(智情意)を持った時だけ、私たちは誰も見たことのない100億の景色へと、全員で手を携えて一気に到達できるのだと確信している。
このことを、しっかり肝に銘じておきたい。
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