書籍『アイ・ボディ[増補改訂版]:脳と体にはたらく目の使い方』の紹介と " IF (直感的フィールド)" のアップデートについて
先日、読者様より贈っていただいた『アイ・ボディ[増補改訂版]:脳と体にはたらく目の使い方』を読み終えましたので、さっそく記事にして紹介したいと思います。また、本書の内容と関連することとして、わたしが提唱している霊的知覚養成ワークである IF( Intuitive Field:直感的フィールド )のさらなる強化方法についても書いてみます。
まずは本へのリンクはこちらになります。
まずアレクサンダー・テクニークについて
みなさんは アレクサンダー・テクニーク ってご存知ですか? アレクサンダー・テクニークとは簡単にいうと「頭と首と背中の筋肉を緊張から開放して、より楽でより効率的に動けるように意識的に体を使う技術」です。本書を書いたピーター・グルンワルドはこのアレクサンダー・テクニークの教師であり、アイボディとはいわばアレクサンダー・テクニークの原理的な考え方を目と視覚システムに応用したものと言えます。
わたしは10年弱ほどマッサージ・セラピストをやっていましたが、その期間を通して肉体を癒やすあらゆるメソッドを探求していました。そんな中で見つけたものの一つがアレクサンダー・テクニークでしたが、何冊か本を読んで色々と得るところはあったものの、きちんと習得するためにはちゃんとした先生について教わる必要があると判断したため、それ以上は踏み込めませんでした。しかし色々他にも学んだなかで、肉体とその使い方を根本的に改善するためのメソッドしてはこのアレクサンダー・テクニークを含めたいくつかのものは本当に意義深いことが分かりました。せっかくですので、本題に入る前に他のいくつかのメソッドについても情報だけ提示しておきましょう。
フェルデンクライス・メソッド
これもアレクサンダー・テクニークと似たような印象の技術ですが、その原理となる考え方と実際のメソッドはそれぞれ異なっています。特徴をGemini にまとめてもらうと「心地よい動きを通して、脳と身体の新しいつながりを学び、より楽に、より豊かに動けるようになるための探求」ということでした。
アレクサンダー・テクニークもフェルデンクライス・メソッドも基本的に先生からレッスンを受けるべきものですが、どちらも一人でできるテクニックやワークを解説している本が出ているので、まずはそうしたものを手に取ってみるとよいかもしれません。
以前のわたし自身も含めて、極論するとほとんどの人はどこかしら身体の使い方を間違っています。歩き方、立ち方、座り方や腕の使い方や股関節の使い方、そして目の使い方などには改善できる余地が大いにあります。例えばですが、マッサージ屋に来るお客さんには腰痛持ちの人が多かったですが、腰を痛めている人の大半は腰を関節だと勘違いしています。前屈みになったり、座っているときに上体を動かすためには股関節を使うのが正しいのですが、その意識がないと腰から曲げていこうとすることになってしまいます。すると、先に述べたように腰は関節ではないため腰椎と脊椎に負担がかかって痛めてしまうのです。また、こういう人は猫背になりがちで、姿勢をよくしようと意識すると今度は逆に背骨を反らしがちです。(もちろん腰痛の原因はそれだけではありません)
ブレイン・ジム
ブレイン・ジムはより簡単に行えるもので、「体を動かす簡単なエクササイズを通して、脳の働きを活性化させ、学習や運動能力、心の状態などを改善することを目的とした教育プログラム(by Gemini)」です。
結局学びきれなかったアレクサンダー・テクニークやフェルデンクライスとは違って、自分で実際に行ってみて、かなり効果を感じることができました。定型化された何種類かの簡単にできる運動を覚えて実践するだけなので、本を一冊買えば誰でもできます。自分ではなんの問題もないと思っている人も、いっぺんやってみる価値はあると思いますよ。霊的な探求者が目指すべきものの一つは全人的な調和です。そのためにできることはなんでもやってみる、というのがわたし自身のスタンスですが、みなさんにもそうされるようお勧めします。
ロルフィング
ロルフィングとは筋膜にアプローチするボディワークで、リラクゼーション目的のマッサージよりもテクニカルなものです。わたしは30歳過ぎの頃に週一回 90分で全3ヶ月のロルフィングを中心にしたボディワークの施術を受けたことがあります。施術してくれたのはOSHOのサニヤシンだった女の人で、インドにあるOSHOのセンターでボディワークを学んだ人でした。なかなか濃密な内容で口の中やお尻の穴へのアプローチ(まあ、指を突っ込まれる)まで含むものでしたが、単に肉体の問題だけではなくメンタルの問題まで改善したと記憶しています。
ロルフィングと銘打っているものもあれば、そうでないボディワークも様々にありますが、興味のある人はセラピストを探して受けてみるとよいでしょう。
オステオパシー
すごくシンプルにいうと「西洋風の整体」です。でもちゃんとした哲学と原理のあるもので、筋膜にもアプローチするという点ではロルフィングに似ている部分もあります。こちらはどこか問題があってというより、勉強のために施術を受けに行ったのですが、たまたま施術してくれた人がとてもよかったのもあって、なかなかすごいと思いました。最近の状況は分からないですが、おそらく今でもやってくれる人は少ないと思いますが、覚えておいてもよいでしょう。
クラニオセイクラル(頭蓋仙骨療法)
クラニオセイクラルも、オステオパシーと同じセラピストの方に施術してもらいました。というのも、クラニオはオステオパシーの創始者のお弟子さんが考案したものであり、そのセラピストの方はアメリカで両方いっしょに学んできたということでした。
クラニオセイクラルはとっても繊細なテクニックで、実をいうとわたしはその後、クラニオセイクラルを日本で広められているサークルの人と知り合って、練習会にも参加したことがあるのですが、クラニオとはなんぞや? をここで明確に言いきれるほど会得しているとはとても言えませんので、気になる人はぜひご自分で調べてみてください。とにかく深い癒やしを体験できるはずです。
アイボディとは
では本題に入っていきましょう。
アイボディは、目の構造的各部位と大脳の視覚野、そしてその間にある視床を含む視覚路の全体に意識を向けて統合し、目の使い方を通して身体的、精神的問題の両方を改善するだけでなく、霊的な成長をも促してくれるメソッドです。(これは Gemini ではなくわたしが要約しました)
こう書くと、なんだかすごそうやなオイ! ってなりませんか? なりますよね。本を読んでいただくと分かりますが、そもそもこのアイボディは著者であるピーター・グルンワルドが自らの抱える極度の近視と向き合っていくなかで見出されたものです。なので、この本の基本的な趣旨としては「視力の問題を手術やメガネやコンタクトに頼らずに改善する」ことがメインです。ですので何らかの理由で視力を回復させたい人にはもちろん、またすでに手術を受けた人にとっても本書の情報はとても有益です。
しかしながら上に書いたとおり、アイボディは決してそれだけのものではありません。そもそもアイ(目)ボディ(身体)という名称からして、目の問題と身体の問題は深くつながっているということを示唆していますが、アイボディの核心は「目の問題も身体の問題も、脳のなかの視覚システム(視覚に関わる一連の部位)の問題である」というところにあります。
詳しくは本に譲りますが、ざっくりいうと人間の活動の大半はこの脳の視覚システムに関係しています。単にものを見るだけでなく、体を動かすのも、なにかを考えるのも、視覚システムに依存しているので、このシステムがうまく機能していなければ視力に問題が生じるだけでなく、肉体的にも精神的にもさまざまな不調にみまわれることになるわけです。
ピーター・グルンワルドの気づきは、「目とは唯一外部に露出した脳である」ということで、ここから目を通して脳の視覚システムにアプローチするアイボディの発想へとつながっていきました。
(視覚システムの)第一次機能は生理、感情、知性の状態を整えることです。
中略
はっきりとものを見ることは、視覚システムの二次機能であって一次機能ではありません。これら二次機能は、一次機能が正常に機能しているときにのみはたらく機能なのです。それを知らず知らずのうちに、ほとんどの人はこの一次機能を著しく弱めてしまっています。ということは、二次機能(日常生活における活動)が疲れきってしまっていて、目いっぱいの努力をしているということを意味しています。きちんとものごとをこなすためにはさらなる努力を始めることになります。すなわち人生イコール努力ということになってしまいます。
脳のなかに新しい伝達経路をつくることは可能で、そうすれば一次機能を調和させることができますし、二次機能のはたらきをもっと楽なものにできます。そうすれば脳を含めた全身が、十全の能力を発揮できるようになります。私たちは感情的にも霊的にも、この新たな調和の影響を受け、安心感、満足感、幸福感が増えることになります。
脳のなかに新しい伝達経路をつくる、とありますが、これは実際に行われている視覚情報の伝達経路を解剖学的に理解し、脳の内部までイメージで見る(意識する)訓練を積むことによって可能となります。アスリートでも、自分の競技において重要となる部位の筋肉の構造をしっかり学んでその動きを意識することによってパフォーマンスを上げることが可能ですが、そういうことが脳に対してもできるんだよというのがピーター・グルンワルドの言わんとしていることです。
また、それとともにアイボディでは2種類の「ものの見方、目の使い方」が提示されています。
そのうちの一つは "パノラマ視" というものですが、これは要するに周辺視野を用いて広い視野で見る方法です。目の網膜には桿体細胞と錐体細胞という二種類の視覚細胞が存在しています。視野の中心部にあるのは錐体細胞で、これはモノの色と形をはっきりと見るための細胞です。視野の周辺部には桿体細胞があり、こちらは明暗と動きに敏感です。
現代人はとくにそうですが、人間は錐体細胞を使ってモノをはっきりくっきり見ることが好きで、そのせいで深い二元性に囚われてしまっています。しかし、網膜に存在している視覚細胞の数でいうと圧倒的多数なのは周辺視野を司っている桿体細胞のほうです。細胞の数がそんなに多いということは、人間の本源的な機能としては周辺視野で見ることがそれだけ重要であるということです。
2026.6.10
錐体細胞と桿体細胞を逆に取り違えて書いていたので訂正しました🙇♂️
あとでまた触れますが、この周辺視野を使って見ること = 霊的なものの見方でもあります。すなわち、パノラマ視は二元性から人間を開放し、霊的に成長させる鍵となるものなんですよね。
本書ではこのパノラマ視のやり方と、これの補助にもなる "パーミング" と、網膜や視床、視床下部を刺激する "目のひなたぼっこ" について解説されています。また、パノラマ視のトレーニング用としてピンホールメガネが紹介されていました。ほう、と気になったものの公式のものは1万円超えとちょっとお高いので、Amazonで売っていた安いもののなかから、ピンホールの大きさが公式のものに近そうなものを選んで買ってみました。さっそく試してみていますが、5分ほど掛けて外してみると目がとてもリラックスできている気がしました。
意識的奥行き知覚とは
アイボディにおけるもう一つの「見方」は "意識的奥行き知覚" というものです。そしてどうやら、これがアイボディの奥義、といったら大げさですが、少なくともアイボディで身につけられる最終地点がこの意識的奥行きであるようです。
意識的奥行き知覚
意識的方向づけであり、意識的に考えることであり、上部視覚野で生じるプロセスをイメージすることです。この過程において生理的視覚路とともに外界のもろもろの側面を視覚化します。これにより内界と外界の切れ目のない統合がつくられます。
意識的奥行き知覚は、一次的調整機能を活性化して、意識的思考と視覚的過程として、上部視覚野において発生します。この過程においては物質的視覚通路と外界の諸相が視覚化されます。ここで自動的、継続的に確かに起こることは、視覚システムと身体の解放です。これが視覚路、身体、神経組織、脳の思考過程を同時に調整する初源的機能です。
脳のなかの階層はそれぞれ視覚システムに関連づけられています。爬虫類の脳は身体的機能に、辺縁系は感情的機能と、そして新皮質は知的機能とつながっているのです。意識的奥行き知覚はこれらすべてを統合し協調させるもので、身体的機能を超えたところにある、より微細な霊的機能につながっています。この意識的奥行き知覚は、脳と目を統合させるためだけにある機能ではなく、周囲のものごと、つまり環境にまで広がり、外界とつながるはたらきをもっています。
上部視覚野とは、脳の後ろの方にある視覚野の上の部分のことを指しています。これも詳しくは本に譲りますが、わたしの理解では上部視覚野は桿体細胞から入ってくる周辺視野の情報とつながっていて、いっぽう視覚野の下部は中心視野とつながっているのですが、ピーター・グルンワルドはこの上部視覚野こそがいちばん重要な場所と考えているようです。そして、その上部視覚野をいい感じに働かせることによって "意識的奥行き知覚" が発生するそうです。
しかしながら実をいうと、この意識的奥行き知覚については、あちこちで頻繁に言及されてはいるのですが、それが具体的にどのような知覚なのかについてや、この知覚を実現するためのトレーニング方法については本書では説明されておらず、レッスンを受けてくださいということになっています。
こう書くと、「なんだよ結局はレッスンに誘導しているだけか!」と少々がっかりした人もいるかもしれません。しかし、この本に書かれている情報はどれもこれも非常に素晴らしい知見です。仮に、この本を読んだだけで済ませて意識的奥行き知覚をものにできないとしても、それでもわたしはこの本は絶対に読んだほうがよいと思います。この本からどれだけの気づきを得られるかは正直いってその人次第ではありますが、すくなくともこれから挙げていくわたしの記事をすでに読まれている人であれば、この本の内容がそれらの記事と関連していることには容易に気づかれるでしょう。
おいおい話していきますが、わたしはすでにこの意識的奥行き知覚を持っています。それも、偶然に身につけたわけではなく意識的に訓練した結果としてです。といっても、その訓練は意識的奥行き知覚の獲得を目的としていたものではありませんから、ピーター・グルンワルドが確立した方法とは異なるものでしょう。
ですが、意識的奥行き知覚がその呼称からして「意識的に奥行きを知覚する」もの以外のなにをも指してはいないと考えられる以上、わたしがこれから書いていく方法でそれは会得できるはずです。
IF(直感的フィールド)
それが、わたしが提唱している "IF(直感的フィールド)" というメソッドです。これはホーキンズ博士が『 I <わたし> 真実と主観性』の中で書いていた周辺視野を用いた観想法を元に、氣のイメージを使って視覚だけでなく聴覚や触覚、体感覚などのすべての感覚において「フォーカスを外す」ことを体得できるようにアレンジした訓練法です。詳しくは下記の3つの記事をお読みください。
また、以前に連載したリアリティ・トランサーフィンの記事のなかのおまけとして「理性を緩める方法」について書いた記事があります。
この方法は氣のイメージを使っていないだけで、原理としては IF と基本的には同じものです。この記事では「見ている」から「見えている」、「聴いている」から「聴こえている」という知覚のシフトに重点を置いて解説していますが、このやり方はそのまま IF を実践する際にも使えますし、使うと効果的です。
アイボディの用語を IF に絡めていうなら、IF とは、パノラマ視の原理を視覚以外の知覚へと拡張するものと言えます。そのうえで、大きく広げたり、体の周囲だけに小さくまとめたりできる立体的な氣のイメージを養うことによって意識的に奥行きを知覚するとともに、その奥行のなかにあるものすべてと調和(=全体性を把握)しようと試みるメソッド——なのですが、今回アイボディを読んでみて、この奥行き知覚をみなさんが身につけるために、もうすこし説明を加えたほうがよいと思いました。
これまで説明してきたやり方だけでも、結果的に意識的奥行き知覚は体得されるはず(わたしがそうなったので)ですが、ちょっとしたコツのようなものを書いていきます。
IFのアップデート(上下方向の視野拡大と奥行き方向のノンフォーカス視)
今回のアップデートは視覚、つまり目の使い方についてのものです。
ホーキンズ博士の観想法や IF をやってみた人は経験されていると思いますが、周辺視野を使って見るのは、最初のうちはかなりしんどいです。ほんの数秒で目を閉じてしまうことでしょう。それはつまり、桿体細胞が使われていないからなのですが、したがって練習を積んでいくと桿体細胞が鍛えられ、その状態で見続けることができるようになっていきます。さらに慣れてくると、意識しなくても普段からずっと周辺視野が働くようになっていきます。つまり、中心視野でスマホを見たり本を読んだりしているときにも、同時に周辺視野でも見ている状態になるわけです。これが統合的な目の使い方です。
さて、この周辺視野を鍛えていくことについてですが、そもそも人間の目は左右に二つあって、それぞれがすこし離れています。これが意味しているのは、人間の視野は左右に長いということです。逆にいうと、上下方向には短いのです。そのようなわけで、周辺視野を意識するとき、おそらくほとんどの人は視野の左右への拡がりを意識していると思われます。もちろん、それはそれでよいのですが、今回指摘しておきたいのは、「周辺視野は上下にも存在している」ということです。
まあ、これは見たままなので普通はあえて言うことでもないのですが、周辺視野を活性化させる=桿体細胞を鍛えるという風に捉えてみると意味が出てくるのです。論より証拠ではないですが、まずは実際に上下の周辺視野を意識してみてください。視野そのものを上下に引き伸ばすようなイメージでやるとよいでしょう。そうすると、おそらく初めて周辺視野を意識したときと同じように、ほんの数秒しか見ることができないかと思います。つまり、これまでに周辺視野を意識してきた人でも、今までのやり方では網膜における上下方向に対応している部分の桿体細胞はあまり刺激されていなかったということです。これらの桿体細胞も十分に鍛えてあげれば、これまで横長だった視野が円形に変わっていくはずです。まず、これが1つ目のアップデートです。
これをトレーニングすると、IFをやったときに作る氣のイメージも上下により広がるようになっていきます。地面や床の上に居るときでも、その地面や床の下にまで氣が広がって、氣の球体に包まれている様子がイメージしやすくなるでしょう。逆に、IFの方でそのように球体のイメージを練習していくと、周辺視野の上下方向も活性化していくとは思いますね。両方やるとよいでしょう。
もう一つのアップデートは、視野の奥行方向の知覚の仕方についてです。周辺視野を意識しているときって、実はその視野は平面的というか2次元的になっています。一枚ののっぺりとした絵を見ているような感じに近いでしょうか。このようになるのは視野のどこにもフォーカスを置かないからなのですが、それはそれで目的にかなっているので悪いわけではありません。ただし、これは統合的な視野(霊的視野)の第一段階に過ぎません。
霊的視野の第二段階は先ほどすこし触れた、周辺視野と中心視野を同時に働かせられる状態です。この段階まで来ている人も、もしかしたら上下方向の周辺視野が十分に活性化されていない可能性があるので、ご自分でチェックしてみてください。
第三段階が周辺視野に奥行きをもたせた状態です。どういう感じか把握していただくために、まずは視野の全体ではなく、例えば自分の足元から見える限りの遠くまでまっすぐ地面に線を引いたとイメージしてみてください。そして、この線の端から端までを同時に見てください。どこか一箇所にフォーカスしないで、その線の全体に意識を置くわけです。第一段階の周辺視野の使い方では視野を平面的に捉えてその全体を同時に把握しますが、いまやっているのは中心視野においてものの奥行きを把握する見方です。
このようなものの見方は、普通はやっていません。その証拠に、試しにやってみるとやはり数秒くらいしかできないはずですが、それは視覚細胞がそのような見方に慣れていないということです。わたしたちは普段から左右の目の「両眼視差」を利用して世界を立体的に見ているんですが、じゃあ片目だけしか視えない人が立体視できないのかというと、そうではないんですよね。片目だけしか使えないとなると、脳は単眼での情報から立体視の手がかりを探し出し、うまく統合することによってある程度まで世界を立体的に見ることができるようになります。
なにが言いたいかというと、ほとんどの人は両眼視差があるため意識しなくても世界を立体的に把握できてはいるけれども、実は本当に奥行きを見ているわけではないということです。
さきほど線の奥行きを把握する方法を紹介しましたが、第三段階の霊的視野とは、この奥行きの把握を視野全体でできるようになる状態です。これはなかなか難しいと思います。
トレーニング方法としては、一つには片目ずつ見る練習を積むことです。片目でそれぞれ立体視できるようになるためには奥行きを意識することが必要不可欠ですので、練習としては直接的でよいのですが、片目で歩くのは慣れるまでは危険です。かといって、椅子に座ったままでは動きがなさすぎてあまりトレーニングにはなりません。
もう一つは、IF を活用する方法です。ここではほかの感覚は無視してとりあえず視覚と氣のイメージだけを用います。やり方としては、IF の大きさを数mから数十mくらいの幅で大きくしたり小さくしたりしながら、そのイメージと視覚を連動させるだけです。大きさが変わることによって奥行きを感じることができます。そもそもこれは IF の普通の使い方なんですが、ここでは特に奥行きということを意識するわけです。
第三段階の霊的視野を体得すると、すべてのモノが今までよりも立体的に生き生きとして見えるようになるだけでなく、世界全体が調和していることが知覚できるようになります。これは自分自身の存在が調和の中にあることを意味しており、この段階に至って IF の目的である "全体性を把握する" ことが可能となります。
ちなみに、IF をやるときにもアイボディの「視覚システム」の解剖学的イメージを意識するという方法を一緒にやってもよいと思います。また、ここまで読まれた人でも、興味のある人はアイボディを教えている人を見つけて、そこで意識的奥行き知覚について学んでみてもよいと思いますよ。本には書かれていない知見も得られるでしょうし、どこを目指すにしてもそこへ至るための道はいくつもあってよいわけです。
余談
ここからは余談になります。今回、ピーター・グルンワルドのいう意識的奥行き知覚をわたし自身が知覚しているものと同じだという前提で話をしましたが、そもそもなぜそう言えるのかという話をしましょう。
ピーター・グルンワルドは上部視覚野がこの意識的奥行き知覚の生まれる場所であるといい、霊的にも非常に重要であると指摘しているわけなのですが、先ほど紹介した『どうすれば理性の働きを弱めることができるのか』という記事のなかで、わたしはこういうことを書いています。
ちなみに、この状態になると、脳の後ろ側の血流が増える感覚があります。 右とか左とかではなく、両脳の後ろの方です。これがどういうことを示しているのかは分からないですが興味深いと思います。みなさんも、やってみたらこの感覚が分かってくるはずです。この感覚があるときは理性が働いていないときだと思ってもよいでしょう。
この、脳の後ろ側というのが実はちょうど上部視覚野にあたるんですよね。もちろん IF をやっているときも同じようにここの血流が増える感じがありますが、もっというと現在のわたしはなにもしてなくてもここの部位の血流を感じていますし、この部位から頭の外側へとなにかエネルギーが広がっていく感覚もあります。ついでに言うと、初めてこの部位の血流増加を感覚として経験したのは石垣島でマジックマッシュルームを食べていた時でした。
それはともかくとして、そういうわけで、次のような記述をみて「だよねえ」と思ったとともに、ピーター・グルンワルドが霊的な高みに到達していたことも知るのでした。
また身体の外層の空間はオーラと呼ばれることもありますが、この部分は人間にとって不可欠です。この外側の複数の層、とくに頭蓋骨の後ろは、より高次の視覚システムとその機能があります。上部視覚野の後ろのこの複数の層の中心は、視覚システムと直接にかかわっています。これらの部分を視覚システムの一部に組み入れてゆけば奥行きが生まれ、人生を生き生きとさせる多くの特質が実現します。これらの層は目には見えませんが、私たちが知らずとも、また感じることがなくとも、私たちのなかや周囲に存在しています。
大昔(20年ちょっと前)になりますが、 5Meo-DMT というDMTの数倍強力とされるサイケデリクスを不用意に試したことがあったんですけど、そのあと一ヶ月くらい、やはりこの頭蓋骨の後ろ側の、なにもないはずの外側の部分に知覚が発生したことがあります。それによってオーラのボディが存在していることを知ったんですが、そのときはオーラボディのその部分に穴が開いたように感じられてちょっと怖かったです。でもいま考えると、別に穴が開いたわけでもなかったのかもしれません。
それはともかく、この上部視覚野を鍵にしてピーター・グルンワルドのいう意識的奥行き知覚なるものと IF で達成可能な第三段階の霊的視野とをつなげて書いてみた次第なのですが、両者はまったく同じものというわけでもないと思います。しかしいずれにしても、霊的な知覚はさらに成長していくものであり、意識的奥行き知覚も第三段階の霊的視野も、その成長のスタートラインだということは言ってよいと思います。
「アイボディ」おすすめですよ。わたしは何回も読むつもりです。贈ってくださった方、本当にありがとうございました。
それでは今回はこれで以上になります。また次の記事でお会いしましょう。
おまけ
capsule(いまはCAPSULE表記みたいです)はわたしの中ではアルバム「Sugarless GiRL」以降のEDM主体の楽曲よりも、初期のポスト渋谷系? 的ポップな楽曲のほうが好きです。なかでもこのRGBはよく出来た曲だなあ名曲だよなあ、と思うんですが、好きな曲はとなるとmusic controller と グライダー なんですよねえ。
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