Photo by
soeji
「1万時間やれば一流になれる」は間違いだった…6,000人超の選手を調べた研究が示す、"トップ同士の差を練習量で説明できたのは1%"という現実
「1万時間」神話の土台が揺れています。一流同士の差を練習量で説明できた割合はごくわずかで、世界水準に届いた選手ほど開始が遅く、他競技を多く経験していました。量ではなく設計の話です。
― 世界水準に届いた人ほど、始めるのが遅く、寄り道をしていました ―
いま、何が起きているのか
まず数字から入ります。スポーツを対象にした分析では、練習量で説明できた成績の差は全体で18%。ところが一流水準の選手だけに絞ると、その割合はわずか1%まで落ちました。さらに、高い水準に達した選手が、そうでない選手より早く競技を始めていたという事実も確認されませんでした。
18%は小さくありません。始めたばかりの人にとって、練習量はいまも最大の味方です。けれど「同じくらい強い人同士のどちらが勝つか」を練習量で当てることは、ほとんどできませんでした。
分野をまたぐと、この傾向はもっとはっきりします。練習量で説明できた割合は、ボードゲームで26%、音楽で21%、スポーツで18%、学業で4%、職業では1%未満でした。ルールが決まっていて、環境が安定している世界ほど、練習量の効き目が大きいということです。
過去には、何が行われてきたのか
ここから先は
4,941字
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
