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「声を出せ」と怒鳴るチームほど弱くなる…スポーツ心理学者が明かす「ベンチの声」が勝敗を分ける本当の理由

試合に出ない選手の声が、出場選手の力を変える。ベンチの空気は勝敗を左右する実力そのもの。承認と協調を高める4つの合図、信号機モデル、ソマリセット法で、チーム全体の力を引き出す方法を解説する。


はじめに──「戦力」は、コートの中だけにあるのではない

試合会場で、こんな光景を見たことはないでしょうか。

一方のチームは、点を取った瞬間、ベンチが立ち上がる。控えの選手が名前を呼ぶ。応援席から具体的な言葉が飛ぶ。 もう一方のチームは、点を取っても、ベンチが座ったままです。誰かが小さく拍手をして、それで終わる。

どちらのチームが勝つか。もちろん、技術も体力も戦術も関係します。けれど、実力が拮抗しているとき、最後に差がつくのは「ベンチの空気」であることが、少なくありません。

多くの指導者は「声を出せ」と言います。しかし、怒鳴られて出す声は、チームを強くしません。むしろ、その逆が起きることがあります。

この記事では、「試合に出ていない人の声」が、どのようにチームの実力に変わるのかを、国内外の研究をもとに、順を追って解説していきます。


第1章 仲間は、支えにも、重しにもなる

仲間関係は「両方向」に効く

まず、いちばん大事な前提から。

仲間関係は、スポーツを続ける力にもなるし、やめる理由にもなる。

これは、感覚的な話ではありません。研究で繰り返し確認されている整理です。

米国の10〜18歳を対象とした研究を集めたレビューでは、仲間や友人がスポーツや運動の行動に影響を与える経路が、6つに整理されています。仲間からの支え、仲間がその場にいること、仲間内の「あたりまえ」(規範)、友情の質と受け入れられている感覚、どの集団に属しているか、そして仲間からの被害体験です(Fitzgerald et al., 2012)。

つまり、仲間は「エンジン」にも「ブレーキ」にもなるということです。

同じレビューでは、友情の質と「受け入れられている感覚」が高い若者ほど、その活動を楽しいと感じ、自分の意志で続けようとする傾向が示されています(Fitzgerald et al., 2012)。

「楽しくない」が、やめる理由の第一位

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スポーツ心理学者でありメンタルコーチの笠原彰です。今すぐ使える心理学、スポーツ心理学、メンタルトレー…

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