「仲がいいのに逆転負けするチーム」の共通点…スポーツ心理学者が明かす、崩れないチームだけが持っている「4つの部品」
逆境で崩れるかどうかを決めるのは、個人の強さではなく、チームに備わる4つの部品だった。崩れる前に必ず出る合図と、90秒で立て直す具体的な手順を、国内外の研究をもとに解説する。指導者・管理職・保護者向け。
同じ実力なのに、なぜ片方だけが崩れるのか
ワールドカップを思い出してください。
前半に先制した。ところが1点を返された瞬間、パスが短くなり、声が消え、気づけば逆転されている。
その逆もあります。先に2点を取られた。誰かが一言かけた。そこから全員の走る向きがそろい、追いつき、ひっくり返す。
不思議なのは、この2つのチームの「個人の能力」がほとんど変わらないことです。同じリーグ、同じくらいの選手、同じくらいの練習量。それなのに、崩れる側と立て直す側にはっきり分かれる。
長いあいだ、この差は「メンタルが強い選手がいたかどうか」で説明されてきました。
でも、それは正しくありません。
強い選手を11人集めても、崩れるチームは崩れます。逆に、一人ひとりは特別ではないのに、何度でも立ち上がるチームがある。
この「集団としての立ち直る力」に名前をつけたのが、モーガン、フレッチャー、サーカーという3人の研究者でした。
チーム・レジリエンスとは何か
彼らは、トップレベルのチームスポーツ選手に集中的な聞き取りをおこない、次のように定義しました。
チーム・レジリエンスとは、集団として出会うストレスの悪影響から、そのグループを守るはたらきである
それは、メンバーが自分の資源とチームの資源の両方を使って、逆境のなかで前向きに適応していく過程である
大事なのは、ここです。
チーム・レジリエンスは、個人のレジリエンスの足し算ではありません。
これは研究上、繰り返し確認されている点です。個人として打たれ強い人を集めても、それだけでは打たれ強い集団にはならない。集団には集団のしくみが要る、ということです(Gucciardi et al., 2018)。
「うちは根性のある子が多いから大丈夫」
その安心は、残念ながら根拠になりません。
崩れないチームが持っている「4つの部品」
モーガンらの研究は、チーム・レジリエンスが4つの部品からできていることを示しました。ここが本記事の背骨になります。
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