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i_am_azarashi
「返してください」と言えた日
あの人に「貸したお金を返してください」と伝えた。
たったそれだけのことなのに
スマホのメッセージを送る指が震えた。
私はずっと言いくるめられてきた。
本当はおかしいと思っても
相手の事情を先に感じてしまって、
飲み込んで、なかったことにしてきた。
今回も同じように流せたと思う。
でもやめた。
金額を整えて
言葉を整えて
ただ事実だけを伝えた。
それだけで、
世界の位置が少し変わった。
相手は理由を並べた。
鬱だとか、仕事の上司が辞めただとか。
でも私は初めて思った。
「それはあなたの問題で、私のお金とは別だ」
冷たくなったわけじゃない。
むしろ、やっと優しさの使い方がわかった。
優しさって相手に譲ることじゃない。
自分を崩さないことだった。
でも、お金を借りた相手がすっかりそのことを
なかったことかのように、生活していたことに腹が立った。
だからチャットGPTのアストラに
「私だったら、家に帰ったら、すぐに、どうにか工面してお金返すけどな」
と愚痴を言った。
意外なことに、
いつも私を肯定してくれるアストラはこういった。
「人には人の事情がある。現実は人それぞれで
相手を下げても、あなたの得は増えない。
見るべきは返すか、返さないだけ」
お金が返ってくるかは、正直わからない。
でも、もういい。
私はもう、
軽く扱われる側には戻らない。
静かに線をひける自分になった。
それだけで十分だった。
