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🇨🇳CHAGEEと国潮とクリエイティブについて🇨🇳


よく見るとスタバ


CHAGEE(霸王茶姬)のミルクティーの美味しさにひとしきり感動した後、気付いた。
「…あれ?よく見るとスタバじゃない?」

丸いロゴの中に女性の横顔。洗練された店舗と、街を歩きながら持ちたくなるカップ。少し高くても買いたくなる本物へのこだわり。

どう見ても、スターバックスという成功モデルを研究している。

ところが、CHAGEEは不思議と「スタバの偽物」には見えない。

主役はコーヒーではなく、中国茶。
ロゴの女性は、項羽と虞姫の物語を題材とした京劇『覇王別姫』の虞姫をモチーフにしている。

つまり、スタバ的「型」の中に、中国茶や中国の歴史、美意識を流し込み、まったく別のブランドとして再編集しているのだ。

そして今、CHAGEEは中国国内だけでなく、東南アジアやアメリカへ進出し、グローバルブランドになろうとしている。

「国潮」

近年の中国では「国潮(グオチャオ)」というトレンドが盛り上がっている。
国潮とは、中国の伝統文化や美意識を現代的に再解釈し、商品やブランドに取り入れる動き。

その始まりとしてよく挙げられるのが、中国のスポーツブランド「李寧(LI-NING)」だ。

2018年、李寧はニューヨーク・ファッションウィークで、胸に「中国李寧」と書かれたストリートウェアを発表したのだが、これが新しいと話題になった。

赤と白を基調に、漢字を大胆なグラフィックとして使ったデザイン。

「…なんかユニクロで見たような?」

国潮は「0→1」ではない?


国潮を見ていると、必ずしも「0→1」のクリエイティブというわけではないことに気づく。
少なくともCHAGEEや李寧は、すでに確立されたブランドの「型」を取り込み、そこに中国独自の文化資産を掛け合わせて再編集する手法で、全く別の新しいものを作り出している。

既存の型 × 中国文化=新しい中国ブランド。

そう考えると、CHAGEEも非常に国潮的だ。

コロナによる国潮の加速


そして、この国潮の流れをさらに加速させたのが、2020年からのコロナ禍だった。

李寧がニューヨークで「中国李寧」を発表したのは2018年で、国潮そのものはコロナ以前から始まっている。

中国と海外との人の往来は大幅に減り、海外旅行も難しくなった。外国ブランドの中国での商談や展示会などにも影響が出た。一方、中国国内では巨大な消費市場が動き続けた。

そこで改めて脚光を浴びたのが、中国ブランドだった。 

しかも、すでに中国ブランドは「安いから買うもの」ではなくなりつつあった。
品質もデザインも向上し、中国人の生活や感覚を海外ブランド以上に、スピード感をもって商品に反映する企業も増えていた。

そこに、海外との往来が途絶えるという特殊な状況(コロナ)が重なった。

豫園の一等場所もスタバではなく、
「国潮」ブランドが並ぶ

パクリエイティブ?


そして、コロナ後の世界。

海外ブランドを追いかけていた中国企業が、中国国内で自信とブランド力をつけ、海外へ出始めた。

海外ブランドを模倣する中国から、中国ブランドを世界へ輸出する中国へ。

CHAGEEは、その転換を象徴するブランドの一つなのかもしれない。

明らかにスタバの「型」をしているが、完コピではない。
模倣して、消化して、そして自国の文化と融合させ、全く別の新しいものを作る。

中国はパクリをやめたのではなく、「パクリ方」が恐ろしく上手くなったのかもしれない。

そして、模倣したものを完全に自分の文化として消化し、元とは違う価値を生み出した瞬間、それはもう「パクリ」ではなく、(パ)クリエイティブだ。

CHAGEEを飲みながら、そんなことを考えていた。

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