IQが高い人への誤解
IQが高い人と聞くと、"冷徹でロボットのような人"を想起する人が多い。
おそらく「冷徹で」というのは、EQが低いという意味であり、IQが高いからといって、必ずしもEQが低いわけではない。したがって、「冷徹で」というのは偽になろう。
「ロボットのような」というのは的を射ているのかもしれない。
だが、おそらくこのように想起する人は「ロボットのような」=「エンジニア思考(狭義)を持っているような」と考えているだろう。
IQが高いこととエンジニア思考を持っていることはさほど関係がない。
以下、IQに関する議論に関して、IQが高いことを、言語理解・知覚推理・ワーキングメモリー・処理速度の4つの群指数を総合して算出されるFSIQの値が高いことと便宜上仮定する。
群指数とFSIQについては下記参照のこと。
前提だが、私はエンジニアを尊敬している。メカエンジニア・ITエンジニア問わず、彼らがいなければ今の日本が存在しなかったことは明白であるからだ。
また、生まれ変わるなら私はエンジニアになりたいと思っている。
だが、優秀なエンジニアであれば理解いただけそうだが、優秀ではないエンジニアは、ただエンジニア思考を持っているだけで開発などの案件を成功させていく能力を持っていないことが多い。
この時の「エンジニア思考」を揶揄して、下記に議論を進めていく。
エンジニア思考というのは、与えられた手順で与えられた仕様・様式を完成させるための思考である。
エンジニア思考の優れている点としては、彼らが考えている範疇では「漏れがない」ということになる。
逆に、エンジニア思考に染まり切っている人の優れていない点としては、「所与の条件を、勝手に所与としてしまい、その条件が本当に所与のものなのかは考えにくいところ、また条件の変化に対応しにくいところ」
「目的達成思考ではないため、与えられた手順で与えられた仕様・様式を完成させたとしても、それが必ずしも目的達成したということを意味するわけではないところ」
である。
後者については、つまるところ、優れたエンジニアの場合、全体感を持って案件をクリアしようとする動きをするが、そうでないエンジニアの場合、自分の範疇を勝手に区切って、その範疇内のみ完璧にする動きをする。(本文では後者のような思考をエンジニア思考と呼ぶ)
もちろん、優れたエンジニアも最初はエンジニア思考を持っていたに違いない。しかし、経験と反芻を経た上で、全体感を持った思考にシフトチェンジできているのだと思う。
確かに、IQが高い人の中には、このようなエンジニア思考を持っている人もいるだろう。
だが、これはIQが高い人全てがEQが低いわけではないように、IQが高い人全てがエンジニア思考を持っているわけではない。
完全な所感だが私から見ると、エンジニア思考が高い人でIQが高すぎる人はほぼいない。
IQが高い人でエンジニア思考に染まっていない人は、本人の中で強いこだわりを見せる部分はありつつも、どうすれば最短で目的を達成させることができるのかに注目する。
条件や前提は一旦無視して、どうすれば目的を達成できるかを考える。そこで考えだせた暫定解を実現するにあたって、条件や前提を考え直す。
それが、最初に与えられていた条件や前提と同じであれば、問題ない。
ただ、彼らは常に今既にあるものを疑い、検算しているのである。
