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カナ氏名の1文字違いで返戻されていた手続きが変わる!外国籍の方の厚生年金 資格取得届、令和8年10月から

外国籍の従業員を採用したとき、被保険者資格取得届を出したのに「氏名が一致しません」と返戻されてしまった・・・
そんな経験のある人事担当の方は、けっこう多いのではないでしょうか。

その返戻の一因になっていたカナ氏名の突合ルールが、この10月から見直されます。

厚生労働省年金局事業管理課長から日本年金機構あての通知(年管管発0803第3号・令和8年8月3日「日本国籍を有しない厚生年金保険被保険者の資格取得等に係る事務の取扱いについて」)の内容です。
適用は令和8年10月1日から
目的は、事業主と日本年金機構の双方の事務の効率化とされています。

今回はこの見直しについて、これまでの取扱いとの違いを整理してみます。

そもそも、どんな確認が行われているのか

外国籍の方の厚生年金保険の資格取得届が出されると、日本年金機構は本人確認を行います。
その際に照合されるのが、いわゆる「5情報」です。

  • 漢字氏名(漢字文化圏の方に限る)

  • カナ氏名

  • 生年月日

  • 性別

  • 住所

この5つを、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が保有する本人確認情報や、機構がすでに持っている情報と突き合わせます。
ここが一致すれば本人確認完了、一致しなければ事業主に確認・返戻、という流れでした(平成26年7月11日付 年管発0711第3号)。

問題は、外国籍の方は、カナ氏名は「正解」が1つとは限らないということです。

たとえばアルファベットで「NGUYEN」と書かれた氏名を、会社が「グエン」と届け出て、住民票のカナ表記が「ニューエン」だった。
あるいは長音や小書き文字の有無が違った。
これだけで5情報が不一致となり、返戻される。
そもそも、外国籍の方のお名前を、日本語の50音にあてはめることが無理なのに。
生年月日も性別も住所も合っているのに、です。
現場でよくある「あるある」でした。

何がどう変わるのか?

① 住民基本台帳の本人確認情報を取得できない方の場合
厚生労働大臣がJ-LISから機構保存本人確認情報の提供を受けられない方(住民票がないケースなど)については、資格取得届にローマ字氏名届を添えることになっています。

これまでは、J-LIS照会の結果、5情報のどれかが一致しなければ事業主に確認・返戻。

これからは、カナ氏名のみが一致しない場合には、ローマ字氏名届で届け出られたアルファベット表記の氏名と突合し、アルファベット表記が一致すれば本人確認ができたものとして資格取得の処理が行われます。
そのときは、届出のカナ氏名がそのまま原簿に登録され、既保有情報となります。

② 住民基本台帳の本人確認情報を取得できる方の場合
こちらは住民票がある方のケースです。
届出事項と機構の既保有情報を突合し、一致しなければJ-LIS照会、それでも一致しなければ返戻、という流れでした。

これからは、資格取得の届出の際に、必要に応じてアルファベット表記の氏名が確認できる書類を添付するなどして、アルファベット表記の氏名の提供を求めることができるようになります。

そのうえでJ-LIS照会をした結果、カナ氏名のみが一致しない場合であっても、提供されたアルファベット表記の氏名と一致すれば本人確認ができたものとして処理されます。
このときは、届出事項のカナ氏名で既保有情報のカナ氏名が更新される、とのことです。①とは扱いが少し違います。

ポイントは2つあります。

ひとつは、書類の添付はあくまで任意だということ。義務ではありません。

もうひとつは、添付がない場合の取扱いは従前のとおりだということ。
つまり、カナ氏名が合わなければ、これまでどおり確認・返戻になります。添付しておくと返戻を回避できる可能性がある、という位置づけです。

③ 健康保険の被扶養者(異動)届も同様
外国籍のご家族を扶養に入れる場合の健康保険被扶養者(異動)届における認定でも、同じ取扱いになります。
J-LIS照会でカナ氏名のみ一致しない場合でも、アルファベット表記の氏名が一致すれば本人確認ができたものとして、扶養認定の処理が行われます。
届出事項のカナ氏名が原簿に登録されます。

実務でどう活かすか

いちばん現実的なのは、外国籍の方の資格取得手続きを進めるときに、パスポートや在留カードなど、アルファベット表記の氏名がわかる書類のコピーをセットで用意しておくことだと思います。

これまでは「カナで合っているか祈る」しかなかったところに、アルファベットという確実な照合軸が加わるわけですから、返戻のリスクをひとつ減らせます。
特に、入社が集中する時期や、社会保険の資格取得が期限に追われがちな場面では、返戻1件の手戻りが地味に効いてきます。

一方で、②の場合は「添付がなければ従前どおり」ですから、添付しないという選択をした瞬間に、これまでと同じリスクに戻るという点は押さえておきたいところです。
任意だからこそ、社内のルールとして「外国籍の方は在留カードの写しも一緒に」と決めておくほうが、結果的にラクになるはずです。

なお、①のケースでは届出のカナ氏名が原簿に「登録」され、②のケースでは既保有情報のカナ氏名が「更新」されます。
いずれにしても、会社が届け出たカナ氏名が正になるということです。
入社時のカナ氏名の聞き取りは、これまで以上にていねいにしておきたいところです。

適用は令和8年10月1日から。今から準備しておけば、秋以降の手続きがひとつスムーズになります。

外国籍の方の採用・社会保険手続きは、在留資格の確認や雇用状況届出など、確認すべきポイントが重なりがちな分野です。
「うちのケースはどうなるんだろう」と迷われたときは、お気軽にご相談ください。


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