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日本がホルムズ海峡依存から脱却できない理由

また、ホルムズ海峡が有名になりましたね。

ホルムズ海峡が有名になるときは、大抵、日本にとって良くないときが多いです。

この記事を読んでみようと思った方はもうご存じだと思いますが、ホルムズ海峡が有名になるときがなぜ日本にとって良くないときなのかというと、ホルムズ海峡は日本のエネルギー問題における最大の急所だからです。


中東への依存割合をご存じですか?

日本が、石油のもととなる原油を海外からの輸入に頼っていることをご存じの方は多いことでしょう。

そして、その原油の輸入先がほとんど中東に偏っていることもご存じのことでしょう。

年度によって差は出るかも知れませんが、日本の原油の輸入先はアラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアの2国で8割を超え、クウェート、カタールまで加えると95%を超えます。


そして、この4国で日本が原油を輸入している油田はいずれもペルシア湾沿岸にあります。

このペルシア湾からオマーン湾を経て外海に出るためには、必ずホルムズ海峡を通らねばなりません

そのため、このホルムズ海峡を封鎖すると、ペルシア湾から原油を積んでタンカーが出て行くことが出来ず、日本のエネルギー事情に大打撃となってしまうのです。


ちなみに、ペルシア湾以外にも、紅海に面しているサウジアラビアやオマーン湾に面しているUAEはホルムズ海峡を通らずに紅海やオマーン湾の港から原油を輸出できるようパイプラインを持っています。

しかし、これらのパイプラインを使ったとしても、やはり海上の輸送力を完全に代替することは出来ません。

なかなか難しいですね。


なぜ日本は輸入先を分散しないのか


「じゃあ、中東以外に輸入先を分散させれば良いじゃないか」

そう思った方もいらっしゃると思います。


そうですよね。

レアアースの輸出を中国が引き締めにかかったときと同じように、新たな輸入先を探すというのは当然重要な選択肢になるはずです。


しかし、必ずしも、それが簡単に進まない理由があるのです。


1.産出量と輸出量

1つ目の理由は産出量輸出量です。

世界に原油を産出できる地域はいくつかあります。

しかし、産出できるのと輸出できるのとは別です。

例えば、実はアメリカは世界最大の産油国なのですが、日本がアメリカから原油を輸入しているという話はとんと聞きません。

その理由は、アメリカは世界最大の産油国であると同時に世界最大の消費国でもあるからです。

アメリカ産の石油は自国での消費に回ってしまいますので、日本ほどの経済規模の国が必要とする原油を賄うことは出来ません。

そういう観点でみたとき、日本の経済規模を賄えるほどの原油を輸出できる国となると、どうしても中東に偏ってしまうのです。


2.石油の質

次に石油の質です。

アメリカがベネズエラの石油を掌握したときに話題になりましたが、実は世界中の原油は地域によって品質に大きな差があります。

そして、原油の精製は、それぞれの品質に合わせた精製工場で行われています。

もし仮に、その精製工場に合った品質以外の原油を精製しようとすると、それが例え高品質の原油であったとしても、精製の仕方が合わないことになり、非常に効率が落ちることになります。

既に日本は中東産の原油に合わせて日本中の精製インフラを整えてしまっているため、今更、新しい精製工場を作りにくいという現実があります。

もしこれから新しい品質の原油に対応した精製インフラを整えるとなると、巨額の投資が必要になることでしょう。


3.輸送コスト

最後は輸送コストです。

中東ほどの輸出量とはいかなくても、中東以外にも輸入を期待できそうな国もいくつかあります。

それらの国から少量でも輸入すれば良いのではないかと思った方もいらっしゃらることでしょう。


しかし、次は輸送コストの問題が立ちはだかります。

中東以外で輸入を期待できそうな国としては、西アフリカブラジルなどがありますが、これらはほぼ地球の裏側です。

タンカーで輸送するには非常に大きなコストがかかってしまいます。

今、日本では、ガソリンの値段が上がるたびに大騒ぎしていますが、西アフリカ産やブラジル産の原油を使うとなると、ガソリンの値段の上がり方は今までの比ではないでしょう。


じゃあ、日本は何をしてきたのか?

何かアイディアを出そうとしても、すぐに行き詰ってしまう原油問題。

じゃあ、これまで日本は何をしてきたのかというと、石油の備蓄です。


中学校のときに石油備蓄基地とうう言葉を習ったことがありませんか。


日本は世界でもトップクラスの石油消費国であるにも関わらず、自国で石油を賄えない国ですので、これまで日本はせっせと中東から原油を買っては、石油を備蓄してきました。

実は世界で日本ほど石油を備蓄している国は他にありません

備蓄量で言えば、アメリカや中国なども多いのですが、「自国の消費量に対して何日しのげるか」という観点では、日本は世界トップです。


おわりに

日本は、自国で石油を大量に消費するのに、自国で原油を産出できないのに大変苦しい立場の国です。

この状況に対応するため、日本はこれまで一生懸命石油の備蓄を増やしてきましたが、皆さまお気づきの通り、当然、備蓄の量も限界があります

これまで日本は、新たなエネルギーや省エネ技術の開発に力を入れてきました。

エネルギー問題の大切さや、エネルギー安全保障という言葉をこれまでお聞きになったことがある方も多いと思います。

今回、この記事をお読みいただいて、改めて日本が置かれているエネルギー事情と、日本が取り組む新エネルギーの開発や省エネ技術に対して、理解を深めて頂けたら幸いです。


松本 佑介 @ 枚方を動かす新しいチカラ


最後まで読んでいただいて
ありがとうございます。

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