人口減少でも増加する医師数。なのに、なぜ医師不足なんだ?
今、様々な業種で人口減少の影響による人手不足が深刻化しています。
しかし、実は、日本における人口10万人あたりの医師数は年々増加しているんです。
地方をはじめ、よく医師不足のニュースをよく耳にするのに、一体なぜこんなことが起こっているのでしょうか。
医師不足と医師余りが繰り返される
実は、今のようなトレンドで医師が増えているのは2008年に遡ります。
それまで、日本は一県一医大構想などにより医師の成り手を増やそうとしたり、それが順調にいくと医師の過剰供給が目立つようになってまた抑制方針を打ち出すなど、医師数の増加・抑制方針は時代とともにコロコロと変化していました。
しかし、これらの大きな転機になったのは2008年です。
この頃は、全国的に医師が足りなくなり救急搬送が拒否される事例が起きたりしていました。
また、新臨床研修制度も開始されました。
これまで大学の医局に所属し、そこから地方の病院に派遣されていた若手の医師たちが、自らの意思で都心の有名病院を研修先に選ぶようになり、このあおりをうけて、地方の医師不足がどんどんと顕在化するようになっていました。
さらには、勤務医の過酷な労働環境が明らかになったり、超高齢社会の到来や医療の高度化によって、医師一人あたりの負担が大きくなってきたりしていた時期で、これを解決するために医師の成り手をどんどんと増やそうとしたのです。
これは奏功します。
当時、医師の成り手を確保するために大学の医学部の定員枠を増加させていたのですが、今もなお、この流れは脈々と受け継がれ、順調に医師数を増やすことに繋がりました。
しかし、今、社会においては医師余りではなく、医師不足がよく叫ばれているようです。
医師が年々増加しているのに一体なぜでしょうか。
医師不足の理由
原因は、いくつかあります。
1.医師の労働環境改善、働き方改革
勤務医の労働環境がかなりハードだというか話はお聞きになったことがある方もいらっしゃると思います。
この労働環境の改善を進めるべく、2024年から医師の残業規制を厳格化されることになりました。
そのため、これまで医師が一人でこなしていた分量もこれ以降は一人でこなすという動き方が出来なくなってしまい、同じ作業であっても複数人を確保しなければならないような状況になりました。
2.超高齢社会の到来
単純に高齢者の数が増えることによって医療ニーズも拡大し、それにともなって、対応できる医師の数が足りないという状況が生まれてきました。
3.診療所の偏在
さらに診療所の偏在も問題です。
これまでは医局の指導である程度バランスよく医師が配分されていたのですが、新臨床研修制度が開始してからは地方に行きたがる医師が減ってしまったことと、情報の普及により、勤務環境のハードな診療科は忌避されるようになりました。
おわりに
そうなんです。
誰でも選択肢が幅広くなり、自分で好きな選択肢を選べるということになれば、そりゃあ都心の有名病院や、勤務環境の恵まれている診療科を選びますよね。
この、「医師は一定数いるのに、大半が都心を志向しているため地方で医師不足が生じている」という現状はなんとかならないものでしょうか。
さいごに、読売新聞で面白い記事が載っていましたので紹介します。
医師が不足する中、コンパクトシティを推進するように、医師もスキルの希少性によって中核病院で働くか、地域の病院で働くかを決定するような仕組みを検討しているとのことでした。
こういった、仕組み面で課題を解決していく方法を、私たちはもっと考えないといけないのかもしれません。
松本 佑介 @ 枚方を動かす新しいチカラ
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