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「売ること」よりも「後悔させない」ことを選んだ接客マニア


私がアパレルで一番最初に配属されたのは、
そのブランドの中でも
売上げ上位5位以内に入る店舗でした。

販売員の先輩は売り上げを
どんどん上げていくのですが、
その中で違和感を覚えたことがありました。

ある日、お客様が
ブーツを探しに来られていて試着され、
悩まれているときに先輩は
ぐいぐい勧めていました。

そして、
「もうちょっと他も見て悩みます」
って言われた途端、
ものすごくわかりやすく
嫌な顔をされたんですよね。

それを見て、
 
「販売ってそういうことじゃないよな…」

「ただ悩むって言っただけなのに、
そんな嫌な顔したらお客様委縮しちゃうし、
買いたくなくなるよな…」

って思いました。

今の私がお客様から
「(これを買うか)悩みます」
と言われたら、
「ぜひほかのものも見てみてください。
それでこれが一番良かったらお待ちしてます」
と伝えています。

買う買わないに関わらず、
納得して選んでもらいたいんですよね。

その方が結果的にブランドイメージも
よくなると思っています。

「納得して」買ってもらうということ


私が一番避けたいと思っているのは、
お客様が買った後に後悔することなんです。


後悔すると、
「あの店員さんが勧めたから買った」
「あの店で買ったから…」
と言う気持ちが芽生えるかもしれない。

そうなると、ブランドのイメージが
下がっちゃうこともあると思うんです。


私は自分から買ってくださったお客様は、
納得して買って欲しいと思っています。
それと同時に後悔もして欲しくないんです。

「押し売りしない」けど、「提案はする」


お客様に押し売りと感じられることは
避けていくべきなのですが、
だからと言って何もしないわけではありません。

お客様によって選んでもらい方を変えていきます。

今買われている商品が、
お客様にとって得意な分野のものだった場合。

例えば、ハンドメイドの作家をされている方が、
アクセサリーの買い物をしていらっしゃった場合などは、

お客様の視線から何を気にしておられるのか察する
→それについて説明する
→気になられているものに絞る
→お客様が選ばれるものを尊重する

という流れになることが多いです。

逆にお客様があまりその買い物に対して得意ではない場合。

会話の中から好みや用途を聞き出す
→「何を探されているのか」要点を絞る
→その意図を反映して、
予算内でいくつかの提案をする
→決定してもらう

という流れになっていきます。

お客様がご自身である程度選べる方なのか、
お手伝いをした方がスムーズなのかによって、
接客を変えていく必要があります。

選択肢の提示と販売員としての意見


ご提案をする際に私が心がけていることがあります。

それは提案はなるべく2つに絞るということです。
沢山の商品が並べられていると、
「どれから見たらいいかわからない」
「どれがいいんだろう」
と悩まれる方もおられます。

そこで、「こちらとこちらはいかがですか?」
と、絞って提案することで、
悩む負担を減らすことができると同時に
「買うか、買わないか」のフェーズから
「AとBどちらにしよう」というフェーズに一段階上がり、
「買ってみようかな」
という気持ちに繋げることができます。

お客様に選んでもらう、
と言うと販売員の意見はあまり出さない方がいい
と思われるかもしれないのですが、
私自身はお客様によって
自分の意見もしっかり伝えていきます。

お客様から「どっちがいいと思います?」
と聞かれることもよくあるのです。

「私なら○○なのでこちらを選びます」
とお伝えするのですが、必ずそのあとには
「でも、こちらのこういうところも
捨てがたいですよね」
と付け加えるようにしています。

ここで私が大事にしているのは、
あくまで私の意見は参考にしてもらいたいだけで、
おすすめしたからと言ってそれを選ばなかった時に
お客様が気まずく感じられるのは避けたいからなんです。

最後は必ずお客様自身の選んだ答えとして
買ってほしいというのが私の想いです。

「自分で選んだ」という感覚を大事にしている理由


これはあくまで私の考えですが、
「店員が売ってきたから買った」
という意識のものは、
あとから何か後悔することがあったときに
「あの人が、あのブランドが勧めたせいだ」
となる可能性もあるんですよね。

「自分で」選んだもの
「自分で」納得してかったもの
という感覚で買ったときは、
「自分で選んだ」という納得感があると思います。

自分で選んだものは、
買った後も大切に思えたり、
満足度も前者に比べて高くなったりするはずです。

“なくしたピアス”を買いに来られたお客様エピソード

私がアクセサリーの販売をしているときに、
以前購入したピアスをなくして
それと同じものを買いに来られた方がいらっしゃいました。

片耳ずつ買えるお店だったので、
もちろん同じものをすぐご提供できたのですが、
接客の中でお客様がほかの商品も
気になっておられるようだったので、
それらの商品を紹介しながらお話していました。

「可愛いな、いいなぁ」
と立ち止まられていたので、
私はなくしたピアスと一緒に使える
別のピアスを提案することにしました。

それなら、
・新しいピアスとなくしたピアスを組み合わせる
・新しいピアスをつける
という今までとは違った使い方ができるのでいいのでは?
と思ってのことでした。

お客様は来店されたとき、
ピアスをなくして残念そうにしておられました。
ですが、ここに来てもっている片方のピアスと
新しいピアスで今までにはない使い方ができるのを
楽しみにしてくださいました。

なくしたらもちろん悲しい。
でも、なくしても新しい出会いがある。
というのを体験していただけて良かったと思います。

今回のをきっかけに、
「困ったとき、ここの店員さんに
相談したらいい案があるかもしれない」
と、思ってもらえる
きっかけになったのではないかなと思います。

「売上」はあくまで結果

押し売りをしないこと。
自分の意見を言える商品を勧めること。
お客様の予算内で提案すること。
お客様に合わせて提案の仕方を変えること。
買った後のことまで考えること。

これらが、私の大切にしていることです。
お客様から信頼されたうえで、
売り上げは立つものだと思います。

販売員は人と出会う仕事でもありますよね。
作家ともお客様とも出会いがあります。

商品を知ってもらって、
新しい楽しみを見つけてもらって、
困ったときに相談してもらう。

そして、会う前よりあった後の方が
少しでも幸せな気持ちになってもらえたら、
私は販売員として何より嬉しいのです。



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Madre | 接客コンサルタント 2年後、接客を学べる場を作るのが目標です。 いただいたチップはその活動費に大切に使わせていただきます。

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