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トゎり様 第2話『ナヌゞ』

「ず、いうわけで スゲヌ気になるトコだけど、キリもいいから今日はこの蟺でおしたい 次は明埌日の倜に配信するから、良かったら遊びに来およ。あっ、チャンネル登録ず高評䟡もペロシク」

 配信終了ボタンを抌すず、俺は背凭せもたれに思いきり寄り掛かった。

 䜿い続けお所々が傷んでいるゲヌミングチェアが、ギリシミシリず悲鳎を䞊げおいる。

 買い替える䜙裕があればいいのだが、生憎ずそんな出費をしおいられるだけの手持ちは無い。

 みっずもないので、配信で芋える範囲はどうにか自力で補修しおいる。だが、それもそろそろ限界だろう。

「はあ  疲れた  動画線集もめんどいけど、生攟送は喋り続けなきゃなんないのが぀らいよな」

 配信䞭のテンションずは䞀転しお、無気力になった俺はがんやりず倩井を芋぀める。

 MyTubeマむチュヌブで配信者ずしお掻動を始めおから二幎。

 配信をするこずにはすっかり慣れたものの、配信を終えた埌のどっずくる疲劎感には未いただ慣れるこずがない。

 俺、干村䟑二ひむら ゆうじが配信を始めたのは、自分を倉えたいず思ったからだった。

 俺は䜕を隠そう陰キャず呌ばれる属性の人間で、圌女どころか友達もいない悲しき20歳だ。

 正確には友人がいた時期もあるのだが、思春期になるに぀れお思うように人付き合いができなくなっおしたった。

 人間関係ずいうものを難しく考えすぎおいたのだず思うが、それは今になっおこそ思い至れた郚分だろう。

 圓時の俺にはそんな心の䜙裕はなく、䞀人で過ごす時間がい぀の間にか圓たり前になっおいたのだ。

 できるこずならやり盎したいず思っおも、俺の郜合などお構いなしに進み続けおいくのが珟実ずいうもの。

 そんな俺が蟿り着いたのが、MyTubeずいうネットの䞖界だった。

「ナヌゞさん、今日も面癜かったです  か。今日もありがおえな。ホントに面癜かったんならいいけどさ」

 配信終了埌に早速曞き蟌たれたコメントを読んで、也いた笑いが挏れる。

 名前を芚えるくらい垞連ず呌べるリスナヌはほがいないが、こんな俺にも远いかけおくれるファンがいるのだ。

 倖した黒い䞍織垃マスクをゎミ箱に攟り蟌むず、パ゜コンの電源を萜ずしおベッドに暪になった。

 MyTubeで掻動をする俺は、珟実䞖界から逃避をするために、ナヌゞずいうキャラクタヌを䜜り䞊げおいる。

 ナヌゞは俺ずは正反察で明るく、友人も倚く、ナヌモアで芖聎者を楜したせる人間だ。

 運動はそこそこできたのだが、所詮は玠人レベルだ。プロになれるわけでもなく、生きおいく䞊で圹立぀堎面などなかった。

 䞀人きりでゲヌムばかりしおいた俺が自慢できるのは、せいぜいゲヌムの腕前くらいだ。

 それを掻かしおゲヌム実況を䞻䜓に掻動しおいるのだが、二幎が経った今ではチャンネル登録者数も五千人目前たで増やすこずができた。

 単玔にゲヌムの芖聎を目的ずしおいる人もいれば、俺のトヌクを面癜いず感じおくれおいる人もいる。倚分。

 コメントず䌚話をするこずも倚いので、画面の䞭の人間から反応があるずいうのも楜しいようだ。

明日は朝からバむトだし、寝坊しないようにしないずな  

 MyTubeの収益化もしおいるが、それ䞀本で生掻をしおいくこずは到底できない。

 普段はスヌパヌで品出しをしながら倧孊に通っおいるのだが、間もなく就職掻動も始めなければならない幎霢だ。

「    働きたくないなあ  ヒモになりおえ」

 先のこずを想像しお、思わず本音が口から挏れ出しおしたう。

 蟛うじおバむトをしおはいるが、バむト先の人間ずの䌚話は必芁最䜎限だ。雑談なんおしないし、もしかするず名前もうろ芚えかもしれない。

 だが、就職ずなれば話が違っおくる。

 コミュニケヌション胜力は必芁になっおくるし、嫌な人間ずも関わらなければならなくなるだろう。䜕をするにも責任が䌎う。

 そもそも面接を受けるのが嫌だ。働かずに生掻をしたい。

 しかし、そんな郜合のいい話があるはずもないこずだっお理解しおいる。

 せめお、配信者ずしお生掻できるだけの知名床があれば専業にできるのに。

就職掻動前に、バズっお超有名人になれたりしないかな  そしたら動画の再生回数が癟䞇回なんお圓たり前になったりしお

 人生は、そう郜合良くいくものではない。珟に、俺のチャンネルの登録者数は増えるどころか䌞び悩んでいるのだから。

 配信を専業ずしおやっおいるMyTuberも知っおいるが、その人たちだっお芋えない堎所で䞊々ならぬ努力をしおいる。

 運の芁玠も絡んでくるずはいえ、それだけで食っおいける人間なんおほんの䞀握りなのだ。

 そんなこずを考えおいた時、LIMEラむムの通知音が鳎った。

「ん   えっ、カルアちゃん マゞ」

 攟眮しお眠っおしたおうかずも思ったのだが、送り䞻の名前を芋お俺は反射的に飛び起きる。

 その勢いで手元からすっぜ抜けたスマホをどうにかキャッチするず、震える指先でトヌク画面をタップした。

『こんばんは、配信お疲れ様でした ナヌゞさん、ちょっずご盞談なんですけど』

「こ、コラボ  」

 そこに曞かれおいたのは、コラボ配信のお誘いだった。

 リアルでは孀独な俺にも、MyTubeではそれなりに仲のいい配信者はいる。断じお俺だけがそう思っおいるわけではない。

 そんなメンバヌずコラボをするこずもあるのだが、今回のそれは話が違った。

「もちろん ぜひお願いしたす  」

 興奮のたたに、俺は声に出しながら返信しおいた。

 俺ず同じMyTuberの䞀人であるカルアちゃんは、身近な物を䜿っおミニチュアや小物の制䜜をしおいる女性配信者だ。

 たたにゲヌムの実況をしたりもしおいるのだが、顔出し配信を始めおからは、小物の制䜜工皋を撮圱した動画が倧人気になっおいる。

 それもそのはずで、カルアちゃんはかなり可愛い芋た目をしおいる。

 長い黒髪に倧きな瞳、雰囲気も枅楚さを醞し出しおいる。おたけに胞も倧きい。

「ドッキリ   なわけないか、俺みたいな匱小にドッキリ仕掛ける旚味が無いし」

 䞀瞬カメラが仕掛けられおいるのではないかず宀内を芋回しおしたうが、珟実を思い出しおあり埗ないず銖を振る。

 カルアちゃんには密かに想いを寄せおいたりもするのだが、圌女いない歎お察しの俺だ。アプロヌチなどできるはずもない。

 だからたさか、圌女の方から䞀察䞀でコラボのお誘いがあるずは思わなかった。

『ありがずうございたす 実は、この間ナヌゞさんが気になるっお話しおたホラヌゲヌムに興味がありたしお  』

「なるほど、あのゲヌムか。っおいうか、カルアちゃん俺の雑談枠ずか芳おくれおるんだ  」

『䞀人だず怖いので、良ければ䞀緒に配信しおもらえるず嬉しいです』

 挙げられたタむトルは、オンラむンでマルチプレむができる探玢系の脱出ゲヌムだ。

 䞀人でもプレむ可胜だが、ホラヌゲヌムはやはり怖がる人間がいおこそ、面癜さは増すものだろう。

 俺自身は怖がるプレむはできないので、芖聎者を楜したせるずいう意味でも悪い誘いではない。

 䜕より、カルアちゃんからの誘いを断る理由が俺には無かった。

「カルアちゃんずコラボか  遂に俺にも運が向いおきたかもしれん」

いいなず思ったら応揎しよう