見出し画像

ガス人間より竹野内豊


 「Netflix」で7月2日から独占配信されている今話題の「ガス人間」全8話を視聴しましたので感想を。

小さい頃からの東宝特撮ファンの私としては観なければならない作品で、私の生まれる少し前の1960年の「ガス人間第一号」のリメイクですね。


東宝特撮黎明期のインフラ3部作の1本のリメイク


 始めこのドラマの話を聞いた時、ゴジラ映画全作品鑑賞、東宝特撮の9割方観ている私でさえ、よくこんな企画が通ったなと思いました。

というのも、1950年代末から1960年代初頭にかけて東宝が製作した「変身人間シリーズ」の1本で、他は「美女と液体人間」「電送人間」、つまり水、電気、電話、ガスのマイナーなインフラ特撮ものが今の豊かな令和の世の中に受け入れられるのか疑問に思ったからです。

昭和の香りブンブンの映画タイトルですしね。

私がプロデューサーだったら、「マタンゴ」か「妖星ゴラス」、今年の秋公開のゴジラ-0.0を睨んでなら、「フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン」、「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」を持ってきますね。

ドラマに強く世界発信のNetflixならではのチョイスでしょうか。

私は、過去Netflixがこれまでの「新幹線大爆破」「極悪女王」などの作品がいずれもクオリティも高くエンタメ作品として安心感があり、さらに今回も8話一気にまとめて観れるのも魅力で鑑賞しました。

以下はネタバレを極力抑えての感想です。



ガス人間より変身した男

 
 まず特筆すべきは、ゴジラ-1.0のSFXを担当した白組の作品だけあって特撮のクオリティは見事でした。

ハリウッド映画の「ひつじ探偵団」「マーティ・シュプリーム 世界をつかめ」を直近で観た後なのですが、ハリウッドに特撮技術は負けてませんし、ショボいところやアラもないです。

最初の、今年亡くなられた大学名誉教授役のモーリー・ロバートソンの空中を彷徨い腹を膨らませての人間爆発シーンなんかすごく良かったです。

ストーリーは、報道記者役の蒼井優と刑事役の小栗旬がテレビ生中継中の人間爆発の真相を追う中、体質改造実験でガス化能力を得たガス人間が姿を現し怪事件を起こし、やがて背後に潜む日本の巨大な闇と対峙していきます。

今回も俳優陣は体を張ってかなり頑張ってます。

主役の、現在NHK大河ドラマの「豊臣兄弟」で織田信長役をやっている小栗旬の刑事役は熱演でした。

あと、広瀬すずと竹野内豊、高嶋政宏などは本人の面影すらない程ですねさすがです。

広瀬すずは顔に痣がある妹役だし、高嶋政宏はスカートはいているしプッ飛んでます。

日本の役者おそるべし。

特に竹野内豊は初め誰か分からないほどで、声をよく聴いて始めて分かったほどです。



竹野内豊のムダ遣い?


 

 よくこんな役・竹野内豊が引き受けたな――という感じの全然風貌の違う長髪の元ヤクザの上場企業社長役で、多くの作品で主役を張っているだけに竹野内豊のムダ遣い?これ竹野内豊でなくてもいいのでは?とも感じました。

渋いイケオジ役に飽きたのでしょうか、新境地です。

また、UTA(ウタ)のガス人間も力演で煙(ガス)の特撮も凄いですが、竹野内豊の方がある意味「変身人間」でした。

「ガス人間」より「竹野内豊」の方が変身していたのは見事としか言いようがないですね。


 そしてこのドラマ、韓国と日本の共同制作だそうで、監督は日本の片山慎三氏が務めていますが、エグゼクティブプロデューサー兼脚本を韓国の「新感染 ファイナル・エクスプレス」のヨン・サンホ氏がやってます。

アクション・シーンは韓国流ですかね。

カジノの場面はすっぽんを使い、カジノのある韓国ならではのアジアテイストでリアリティがありました。

この作品の欠点は、途中ダレるシーンもあり、これは絶対日本ではないやろというリアリティのないシーンも多かったです。

特に日本では暴力団が現役の刑事をボコボコにしたりはまずありえないですし、事の発端の1999年って今より日本は豊かでいろんな面で発展していました。
同じ服を着た強制収容施設なんて、韓国はあったかもしれませんが、日本ではありえなかったですね。

失われた30年ってよく言われますが、韓国と違いホンマ日本はこの間いろいろ進んでないですよ、後退しているところも多いし。

日本国民の熱とか正義感、連帯感、倫理観とかは昔の方がむしろあった。

ドラマは昔をダメだと誇張し過ぎです。

ただ、それらを踏まえてもシナリオはよく出来ていたし及第点です、観て損はないと思います。

やっぱり予算は豊富にかけているので、規制の厳しい日本でこんなシーンがよく撮れたなという場面も多かったです。

今の日本のテレビ界ではこのクオリティはまず無理です。

次回作は……


 
 配信後の成績、反響はというと、配信開始初週で日本の週間TOP10(番組部門)1位。
グローバルランキング(非英語番組部門)では7位にランクインし、世界でも注目を集める好スタートを切ったそうです。

ラストで真の黒幕が明かされていないことや意味深なラストシーンから、シーズン2を見据えているのではないかとも思われますが、私としてはシーズン2はもういいかなという感想です。

日本の俳優陣の素晴らしさ、ドラマ制作のレベルの高さは十分堪能出来ただけに、次回、日本特撮作品をNetflixでやるのなら前述のとおり、「マタンゴ」、「妖星ゴラス」、「フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン」、「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」を観たいです。


いいなと思ったら応援しよう!

紀南クリエータークラブ 富田 翔吾 よろしければサポートお願いします!