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除去土壌を埋めた経産省の花壇で思う

2026年6月11日、川辺川(かわべがわ)ダム計画(熊本県)と山鳥坂(やまとさか)ダム計画(愛媛県)について、住民団体が国土交通省に対してモノ申すというので取材に行った。場所として経産省別館の会議室が使われた。

取材を終え、別館から本館へ抜けて出ることにした。


「復興再生土」が埋められた花壇

2つの間の駐車場には、政府の「福島県内除去土壌等の県外最終処分の実現に向けた再生利用等推進会議」が、昨年8月に「中央官庁の花壇等への復興再生利用」と称して霞ヶ関庁舎9ヶ所に除去土壌を”最終処分”した花壇があることを思い出したからだ。あった。

2026年6月11日(経産省本館側から筆者撮影)

「福島の除去土壌を埋めた花壇はあれですね?」とそこに立っていた人に聞くと、「そうです」というので、車の出入りを邪魔しないように近づいた。

2026年6月11日(経産省本館と別館の間の駐車場にて筆者撮影)

「除染実施者名」の名前と連絡先だけ

見ると、「復興再生利用実施場所」という小さなプレートが花壇に刺さっている。除染実施者名として「環境省」とその連絡先が書いてある。

除染実施者名」とは法律用語だが、ここでは、除染を行った者ではなく、逆の除染で取り除いた汚染土(除去土壌)を埋めた者を意味する。

これは、環境省が、放射性物質汚染対処特措法第41条第1項による施行規則第58条の4を解説した「復興再生利用に係るガイドライン」(2025年3月)にある通りの最低限の表示内容だ。以下の通り。

環境省「復興再生利用に係るガイドライン」(2025年3月)

環境省なのに、本当に最低限の情報しか表示しないんだな、と呆れた。

環境省は国会で定められた法律にはなかった「復興再生利用」という言葉を、破廉恥にも突如「規則改正」で盛り込み、次のように定義した。

「事故による災害からの復興に資することを目的として、再生資材化(除去土壌について、用途に応じた必要な処理をすることにより、盛土、埋立て又は充塡の用に供する資材として利用することができる状態にする行為をいう。)した除去土壌を適切な管理の下で利用すること(維持管理することを含む。)をいう」

施行規則第58条の4

要するに「適切な管理」が必要な放射能で汚染された土であり、掘り出してはいけないが、このプレートには、そう分かる情報が書かれていない。

「適切な管理」が必要な年限が書かれていない

本館を抜けようとすると、立っていた人が「そこに色々書いてありますよ」と教えてくれた。

2026年6月11日(経産省本館1階にて筆者撮影)

掲示を正面から写したのが以下だ。覆土の厚さは20cm、復興再生土の厚さは55cm、体積は27m3と書いてある。

だが、適切な管理が不要になるまでの期限は書いていない。せめて放射能の濃度が書いてあればいいのに、それもない。

2026年6月11日(経産省本館1階にて筆者撮影)

「適切な管理」に必要な情報は最長190年保存されるのか

復興再生利用に使われる除去土壌は8000Bq/kg以下であるとされている。

この花壇に限らず、仮に8000Bq/kgである場合、管理が要らない100Bq/kgまで減衰するのに190年かかる(既報)。

「適切な管理」のために不可欠な放射能濃度という情報を、規則では「復興再生利用に係る措置が終了するまでの間、保存すること」になっているが、「措置が終了するまでの間」とは最長190年のことなのかも、環境省は明らかにしていない。

記録は、除染実施者が保存・管理することになっているが、たとえば、環境省は190年後にあるのか? 公共事業にも使えることになっているが、公共事業を行う、例えば国土交通省や自治体は、190年もの間、管理が必要な除去土壌をわざわざ使うのか?肝心なことがあまりにも不透明なままだ。

環境省「復興再生利用に係るガイドライン」(2025年3月)より

出発点はどこにあったか

大熊町と双葉町に中間貯蔵させてもらっている除去土壌の最終処分場を見つけるのは困難であることが出発点となった「復興再生利用」だが、管理の行先が不透明な小分けで使うのではなく、「最終処分場」をどうするのかを、困難であっても、真正面から議論することが必要なのだと、改めて思った。

【タイトル写真】

2026年6月11日 経産省にて筆者撮影

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