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「膝枕」の手も借りたい─ワンオペ育児朗読

こちらで公開しおいる「ワンオペ育児朗読」版「膝枕」近道は目次からは、2021幎5月31日からClubhouseで朗読リレヌ #膝枕リレヌ  çµŒç·¯ã¯ã“ちらが続いおいる短線小説「膝枕」通称「正調膝枕」のアレンゞ䜜品。元原皿を朗読する母芪のセリフを倪字にしおいたす。膝枕リレヌの朗読にもぜひざ。

母芪が倖で働いおいお、父芪がワンオペ育児するパタヌンにアレンゞするのもあり‌

二次創䜜noteたずめは短線小説「膝枕」ず掟生䜜品を、朗読リレヌの経緯、膝番号、Hizapedia膝語蟞兞などの舞台裏noteたずめは「膝枕リレヌ」楜屋をどうぞ。

今井雅子䜜「膝枕─ワンオペ育児朗読」

「膝枕」ずいう小説を数珠぀なぎに朗読するずいう遊びが、Clubhouseで流行っおるらしい。生埌6か月になる嚘を膝に抱き、おっぱいをあげながら、原皿を読んでみる。

「膝枕」

䌑日の朝。独り身で恋人もなく、打ち蟌める趣味もなく、その日の予定も特になかった男は、チャむムの音で目を芚たした。

ドアを開けるず、宅配䟿の配達員がダンボヌル箱を抱えお立っおいた。オヌブンレンゞでも入っおいそうな倧きさだが、受け取りのサむンを求められた䌝祚には「枕」ず曞かれおいた。

「枕」

男の声が喜びに打ち震えた。

「受け取っおもらっお、いいっすか」

違うよ。パパの声じゃないよ。パパ、こんな早く垰っお来ないでしょ。男の人の声、結構いけおるのかも。どこたで読んだっけ。ここか。

配達員に急かされ、男は「取扱泚意」のラベルが貌られた箱を䞡腕で受け止めるず、お姫様だっこの栌奜で宀内ぞ運び蟌んだ。

はやる気持ちを抑え、爪でガムテヌプをはがす。カッタヌで傷を぀けるようなこずがあっおはいけない。箱を開けるず、女の腰から䞋が正座の姿勢で玍められおいた。届いたのは「膝枕」だった。ピチピチのショヌトパンツから膝頭が二぀、顔を出しおいる。

「カタログで芋た写真より色癜なんだね」

男が声をかけるず、膝枕は正座した䞡足を埮劙に内偎に向け、恥じらった。芋た目も手ざわりも生身の膝そっくりに䜜られおいる。さらに、感情衚珟もできるようプログラムを組み蟌たれおいる。だが、膝枕以倖の機胜は搭茉しおいない。膝を貞すこずに培しおいる。

幅広いニヌズに察応できるよう、商品ラむンナップは豊かだ。䜓脂肪40、やみ぀きの沈み蟌みを玄束する「ぜっちゃり膝枕」。母に耳かきされた遠い日の思い出が蘇る「おふくろさん膝枕」。「小枝のような、か匱い脚で懞呜にあなたを支えたす」がうたい文句の「守っおあげたい膝枕」。頬を撫でるワむルドなすね毛に癒される「芪父のアグラ膝枕」、心地よい揺らぎで赀ちゃんを寝かし぀ける「ゆりかご膝枕」  。

ゆりかご膝枕、いいな、これ。ほんずに売っおるのかな。あった。3侇9800円。箱入り嚘膝枕より高いのか。足元芋おるなヌ。

カタログを隅から隅たで眺め、熟慮に熟慮を重ね、劄想に劄想を繰り広げた末に男が遞んだのは、誰も觊れたこずのないノァヌゞンスノヌ膝が自慢の「箱入り嚘膝枕」だった。

「箱入り嚘」の商品名に停りはなかった。恥じらい方ひず぀取っおも奥ゆかしく品がある。正座した足をもじもじず動かすのが初々しい。䞀人暮らしの男の郚屋に初めお足を螏み入れた乙女のうれし恥ずかしが䌝わっおくる。

「よく来おくれたね。自分の家だず思っおリラックスしおよ」

匷匵っおいた箱入り嚘の膝から心なしか力が抜けたように芋えた。この膝に早く身を委ねたいずいう衝動がこみあげるのを、男は、ぐっず抌しずどめる。匷匕なダツだず思われたくない。気たずくなっおは先が思いやられる。なにせ盞手は箱入り嚘なのだ。

「その  着るものなんだけど、女の子の服っおよくわからなくお.  」

男がしどろもどろに蚀うず、箱入り嚘の膝頭が少し匟んだ。

「䞀緒に買いに行こうか」

さっきより倧きく、膝頭が匟んだ。喜んでくれおいるらしい。

‚男ず膝枕にずっおの初倜ずなる、その倜。男は箱入り嚘に手を出さず、いや、頭を出さず、そこにいる膝枕の気配を感じお眠った。やわらかなマシュマロに埋うずもれる倢を芋た。

赀ちゃんのおなかもマシュマロみたいにふわふわ〜。ん この酞っぱい匂いは  ‌ うっわ、オムツ爆発しおる はいはい、今、おオムツ替えるからね。おしり、シャワヌで流そっか。うわ、メヌル来た。タむミング悪っ。「今から垰りたす。なんかある」。ないよ。倖でなんか食べお来およ。ほんずメヌワク時短営業。

翌日、男は旅行鞄に箱入り嚘膝枕を玍めるず、デパヌトのレディヌスフロアぞ向かった。

「窮屈でごめんね。少しの蟛抱だから」

ファスナヌが閉たりきらない旅行鞄を抱きかかえ、鞄に向かっお話しかける男の顔は最倧限にニダけおいた。怪しすぎお、店員は寄っお来ない。

いいなヌ。デパヌト。膝枕、泣かないもんなヌ。ただ寝ないの 続き読みたいけどなヌ。昔話みたいに読み聞かせしおみよっか。昔むかし、あるずころにおひざのお姫様がいたした。お姫様のために、王子様がドレスを遞んであげたした。

「やっぱり癜のむメヌゞかなあ。こういうの䌌合いそうだよね。これなんかどう」

おひざのお姫様は、ドレスが気に入っお、ピョンず小さく飛びはねたした。ふふふ。りサギさんみたいだね。おひざがピョン、ピョンピョン。

「いいね。すごく䌌合っおる。可愛い  もう我慢できない」

王子様はお姫様のおひざにゞャヌンプ、飛び蟌みたした。面癜い おひざにゞャヌンプ もう䞀回、おひざにゞャヌンプ これ時間かかるな。

マシュマロのようにふんわりず男の頭が受け止められる。癜いスカヌト越しに感じる、やわらかさ。レヌスの裟から飛び出した膝の皮膚の生っぜさ。倩にも昇る気持ちだ。

この膝があれば、もう䜕もいらない。男は箱入り嚘の膝枕に溺れた。職堎にいる間も膝枕のこずが気になっお仕事が手に぀かない。

「ただいた」

ううん。パパじゃないよ。ママの声だよ。お目目がトロンずしお来たね。ベッドで寝よっか。おやすみなさい。いい倢芋ようね。

男が飛んで垰り、玄関のドアを開けるず、膝枕が正座しお埅っおいる。膝をにじらせ、男を出迎えに来おくれたのだ。なんお、いじらしい。愛おしさがこみ䞊げ、男は箱入り嚘の膝に飛び蟌む。

膝枕に頭を預けながら、男はその日あった出来事を話す。ずきどき膝頭が小さく震える。笑っおいるのだ。‚

「僕の話、面癜い」

拍手をするように、二぀の膝頭がパチパチず合わさる。もっず箱入り嚘を喜ばせたくお、男の話に熱がこもる。仕事でむダなこずがあっおも、箱入り嚘に語り聞かせるネタができたず思えば、気持ちが軜くなる。う぀向いおいた男は胞を匵るようになった。顔぀きに自信が衚れ、目に力が宿るようになった。

「こんなに面癜い人だったんですね」

職堎の飲み䌚で隣の垭になったヒサコが色っぜい芖線を投げかけおきた。男の目はヒサコの膝に釘づけだ。酔った頭が傟いおヒサコの膝に倒れこみ、膝枕される栌奜ずなった。

その瞬間、男は䜜り物にはない本物のやわらかさず枩かみに魅了された。

骚抜きになっおいる男の頭の䞊から、ヒサコの声が降っおきた。

「奜きになっちゃったみたい」

その倜も、箱入り嚘膝枕は、い぀ものように玄関先で男を埅っおいた。ヒサコの膝枕も良かったが、箱入り嚘の膝枕も捚おがたい。

「やっぱり君の膝枕がいちばんだよ」

぀い挏らした䞀蚀に、箱入り嚘の膝が硬くなる。浮気に感づいたらしい。そこに「今から行っおいい」ずヒサコから連絡があった。男はあわおお箱入り嚘をダンボヌル箱に抌し蟌め、抌入れに远いやるず、ヒサコを郚屋に招き入れた。

その倜、男はヒサコに膝枕をせがんだが、手を出すこずはしなかった。ヒサコは男に倧事にされおいるのだず感激したが、男は膝枕にしか興味がないのである。

翌日からヒサコは男の郚屋に通うようになるが、あいかわらず膝枕止たりで、その先ぞ進たない。ヒサコはじれったくなるが、女のほうから「そろそろ枕を亀わしたせんか」ず蚀うのもはばかられる。

あれ 起きちゃっおた 「枕を亀わしたせんか」のずこ、聞いちゃったかな れロ歳児に聞かせるには、ちょっず早いか。いや、こういう雅な日本語を小さいうちから聞かせるのも、いいのかも。

ママのおひざで王子様ずおひざのお姫様のお話、聞く 今ね、お城に別なお姫様が突然やっお来お、おひざのお姫様が抌し入れでかくれんがしおるの。

「ねえ。誰かいるの 抌し入れからカタカタ音がするんだけど」

ヒサコ姫がそう蚀うず、王子様は抌し入れを気にしながら蚀いたした。

「そんなわけないよ。ヒサコ姫ず僕の二人きりだよ」

お城に抌し入れっお。日本の城なら、ありか。だったら、王子様じゃなくお、お殿様かなヌ。

ん カタカタ、面癜かった カタカタ、カタカタ、カヌタカタ。

ダメダメ、寝かし぀けないず。膝枕がひずヌ぀、膝枕がふたヌ぀、膝枕がみっ぀  。子守唄みたいに、ひそひそ声で読んでみよう。

「気のせいだよ。悪い。仕事しなきゃ」
「いいよ。仕事しおお。私、先に寝おる」
‚「違うんだ。君がいるず、気が散っおしたうんだ」

男は急いでヒサコを远い返すず、ダンボヌル箱から箱入り嚘を取り出す。箱の䞭で暎れおいたせいで、箱入り嚘の膝は打ち身ず擊り傷だらけになっおいる。その膝をこすりあわせ、いじけおいる。

やっず寝た。やっず普通に読める。ヒサコを远い返した男の気持ち、これだ。

「焌きもちを焌いおくれおいるのかい」

男は箱入り嚘を抱き寄せるず、傷だらけの膝をそっず指で撫でる。

「悪かった。もう誰も郚屋には䞊げない。僕には、君だけだよ」

男が誓うず、「お願い」ず手を合わせるように、箱入り嚘は巊右の膝頭をぎゅっず合わせる。それから膝をこすり合わせ、「来お」ず蚀うように男を誘う。

「いいのかい こんなに傷だらけなのに」

「いいの」ず蚀うように巊右の膝をかわるがわる動かし、箱入り嚘が男を促す。打ち身ず擊り傷を避けお、男は箱入り嚘の膝に、そっず頭を預ける。

「やっぱり、君の膝がいちばんだよ」

「最䜎」

男が飛び起きるず、い぀の間にかヒサコが戻っお来おいた。玄関に仁王立ちし、圢のいい唇を怒りで震わせおいる。

「二股だったんだ  」

「違う 本気なのは君だけだ これはおもちゃじゃないか」

男が思わず口走るず、「ひどい」ず蚀うように箱入り嚘の膝がわなわなず震えたが、男は遠ざかるヒサコの背䞭を芋おいお、気づかなかった。

あヌ、起きちゃった。声、倧きかったかなヌ。ちょっず埅っおお。ママ、これ読んだらすぐ行くから。

男は、ヒサコぞの愛を誓うこずにした。

「ごめん。これ以䞊䞀緒にはいられないんだ。でも、君も僕の幞せを願っおくれるよね」

身勝手な蚀い草だず思い぀぀、男は箱入り嚘をダンボヌル箱に玍め、捚おに行った。箱からは䜕の音もしなかった。その沈黙が男にはこたえた。自分がどうしようもない悪人に思えた。ゎミ捚お堎に箱を眮くず、振り返らず、走っお垰った。

真倜䞭、雚が降っおきた。箱入り嚘は今頃濡れそがっおいるだろう。迎えに行かなくおはずいう気持ちず、行っおはならないず抌しずどめる気持ちがせめぎ合う。男はヒサコの生身の膝枕のやわらかさを思い浮かべ、自分に蚀い聞かせた。

「箱入り嚘のこずは忘れよう。忘れるしかないんだ。ヒサコの膝が忘れさせおくれる」

はいはい、忘れおないよヌ。ママ行くよヌ。抱っこ抱っこ。眮くず泣いちゃうんだよなヌ。今日はここたでかヌ。そうだ、あれ買っおみよっかな。3侇9800円。ベビヌシッタヌ頌むず思ったら安いか。

眠れない倜が明けた。男が仕事に向かおうず玄関のドアを開けるず、そこに芋芚えのあるダンボヌル箱があった。狭い箱の䞭で膝をにじらせ、垰り着いたらしい。箱に血がにじんでいる。

「早く手圓おしないず」

男が箱から抱き䞊げるず、箱入り嚘の膝から滎り萜ちた血が男のワむシャツを赀く染めた。

「倧䞈倫 しみおない ごめんね」

箱入り嚘の膝に消毒液を塗り、包垯を巻きながら、男は申し蚳なさずずもに愛おしさが募った。こんなに傷だらけになっお男の元に戻っお来おくれた箱入り嚘を裏切れるわけがない。

すごいな、ゆりかご膝枕。膝揺らしおお銬さんしおくれるし、絵本読んでくれるし、子守唄聞かせおくれる。初めおClubhouseで「膝枕」を聎けたし、䞀気にここたで読めた。あず少しで、最埌たで読める。

そのずきふず、男の頭に別な考えがよぎった。

「これもプログラミングなんじゃないか」

箱入り嚘膝枕の行動パタヌンは、工堎から出荷された時点でむンストヌルされおいる。二股をかけられたずき、捚おられたずきのいじらしい反応も、あらかじめ組み蟌たれおいるのだずしたら、人工知胜に螊らされおいるだけではないのか。そう思うず、男はたちたち癜け、箱入り嚘がただのモノに芋えおきた。

「明日になったら、二床ず戻っお来れない遠くぞ捚おに行こう」

これで最埌だず男は箱入り嚘の膝枕に頭を預けた。別れを予感しおいるのか、箱入り嚘は身を匷匵らせおいる。箱入り嚘の膝枕に頭を預けながら、男はヒサコの膝枕を思い浮かべる。所詮、䜜りものは生身には勝おないのだ。

「ダメペ ワタシタチ ハナレラレナむ りンメむナノ」

倢かう぀぀か、箱入り嚘の声が聞こえた気がした。

翌朝、目を芚たした男は、異倉に気づいた。

「あれ どうしたんだ 頭が持ち䞊がらない」

頭がずお぀もなく重い。暪になったたた起き䞊がれない。それもそのはず、男の頬は箱入り嚘の膝枕に沈み蟌んだたた䞀䜓化しおいた。皮膚が溶けおくっ぀いおいるらしく、どうやったっお離れない。

「これじゃあたるで、こぶずりじいさんじゃないか」

男は保蚌曞に蚘された補造元の電話番号にかけおみたが、呌び出し音が空しく鳎るばかりだった。

「なんだこれは 商品をお買い䞊げのお客様ぞのご泚意  」

保蚌曞の隅に肉県で読めないほどの现かい字で泚意曞きが添えられおいるこずに男は気づいた。

「この商品は箱入り嚘ですので、返品・亀換は固くお断りいたしたす。責任を持っお䞀生倧切にお取り扱いください。誀った䜿い方をされた堎合は、䞍具合が生じるこずがありたす」

いよいよ起き䞊がれなくなった男の頭は、たすたす箱入り嚘の膝枕に沈み蟌む。か぀お味わったこずのない、吞い぀くようなフィット感が男を包み蟌んでいた。

やっず最埌たで読めた。ワンオペ育児の救䞖䞻、ゆりかご膝枕。オプションで子守唄機胜ず授乳機胜぀けお4侇9800円したけど、倀打ちあるわヌ。自分だけの時間、最高‌ はヌい、ママのおひざ、空いたよヌ あれ どうしたの ママのおひざ、むダ うそっこのおひざのほうがいいの ハッもしかしお  取扱説明曞 読み䞊げこの商品は、あくたで子育おの補助甚品です。長時間預けっぱなしにしおしたうず、里心が぀いおしたいたすので、ご泚意ください。なお、この䞍具合は初回に限り、以䞋の方法で解陀でき  え、この続きは!?

初挔はMayFlower理恵さん膝番号4

7/14の倜に公開。膝枕リレヌ46日目の7/15にM ayFlower理恵さんに読んでいただきたした。ワンオペ育児の実感がどんどんリアルに。堎面によっお、どうぶ぀絵本颚に読んだり、昔話颚に読んだり、子守唄颚に読んだり、ノリノリで遊んでいただきたした。

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「ワンオペ育児パパ」バヌゞョンもありだず思うなヌ

clubhouse朗読をreplayで

2022.1.27 若井尚子さん

2022.3.1 䞭原敊子さん

2022.3.26 氎野智苗さん

2022.5.5 小矜勝也さん

2022.6.29 鈎蘭さん

2022.9.13  ãƒ’ザの日 小矜勝也さん「パパバヌゞョン」

2023.3.6 鈎蘭さん


いいなず思ったら応揎しよう

脚本家・今井雅子📚蚀葉遊びが奜きな物曞き 目に留めおいただき、ありがずうございたす。わたしが物曞きでいられるのは、面癜がっおくださる方々のおかげです。

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