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変えるのは「過去」ではなく「自分」。タイムスリップを通して人間としての成長を促す世にも奇妙だけど素敵な物語『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』

【個人的な満足度】

2025年日本公開映画で面白かった順位:95/130
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

【作品情報】

   原題:A Big Bold Beautiful Journey
  製作年:2025年
  製作国:アメリカ
   配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
 上映時間:109分
 ジャンル:ファンタジー、ヒューマンドラマ
元ネタなど:なし
公式サイト:https://beautiful-journey.movie/

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
友人の結婚式で出会ったデヴィッド(コリン・ファレル)とサラ(マーゴット・ロビー)。ふたりがレンタカーのカーナビに導かれてたどり着いたのは、奇妙なドア。通り抜けると<人生で一番やり直したい日>へタイムスリップしていた。

ドアはデヴィッドが淡い初恋を経験した高校時代や、サラの母親が最期を迎えた場所など彼らの過去に繋がっており、ふたりは人生のターニングポイントとなった出来事をもう一度やり直すことで、自分自身、そして大切な人たちと向き合っていく…。

【最悪な思い出】から【最高の愛】を見つけるための、ふたりの時空旅行がはじまる――!

【感想】

独身のデヴィッド(コリン・ファレル)とサラ(マーゴット・ロビー)がタイムスリップを通して自らと向き合い、お互いのよさに気づいていく映画です。タイムスリップ自体の仕組みには言及されていないので、SFというよりファンタジーに近いですかね。正直、ツッコミどころはあるものの、世にも奇妙だけど素敵な物語という感じで個人的には割と好きでした。

<新しい形のタイムスリップ>

デヴィッドとサラがレンタカーに設置されたカーナビに従って走っていると、目的地には奇妙なドアがポツンと置かれていました。扉を開けて中に入ると、そこはデヴィッドがかつて一人旅で訪れたカナダの灯台の中。どうやら時空を超えたようです。再びカーナビの通りに車を進めると、そこにも奇妙なドア。今度はサラのお気に入りの美術館へと繋がっていました。その後も、デヴィッドの高校、サラの母親が最期を迎えた病院、そして2人が気まずい思いをしたカフェなど、2人がそれぞれ人生でやり直したい日に戻れます。ただ、タイムスリップしたとき、デヴィッドとサラの姿は現在のままだなんですけど、飛び先の人たちには当時の姿に見えている様子。さらに、扉の向こうの時間軸と現実世界の時間軸は繋がっておらず、過去での行動が現代に反映されることもなさそうでした。というより、2人とも特に過去を変えようとしていないところがこの映画の最も特徴的なところです。

<痛みを伴う過去とのけじめのつけ方>

これまでのタイムスリップ系の映画って、過去に戻って自分の都合のいいように改変したり、または歴史が変わらないように元に戻したりして、過去・現在・未来の辻褄を合わせることがメインじゃないですか。でも、本作の場合は過去を変えて未来が変わるなんていう都合のいいことはありません。ここでは、人生のターニングポイントとなった出来事をもう一度体験することで、あのときの自分やまわりの人と再び向き合うことにフォーカスしています。そうやって自分のことを再認識・再発見して気づきを得ることで、「変えるのは"過去"ではなく"自分"」という本作のテーマが見えてきます。結果、デヴィッドとサラも心の傷をえぐられながらも本当の自分の気持ちや考えに気づくことができました。

まあ、それでこの2人がくっつく理由にはならない気もするんですけどね。もっと他にいい人がいるかもしれませんし(笑)そこはほら、こういう奇妙な体験をいっしょにしたっていうことで不思議な縁が生まれたっていうのもあるでしょうし、そもそも初対面の時点でお互いビビビッときていたそぶりがあったので、付き合うための理由づけをずっと見せられていた気がしないでもありません(笑)

<やり直したい過去、あなたにはありますか?>

もう一度戻りたい過去、自分にはあるかな~。こういうのって「あのとき右に行ったけど、左に行けばよかった」という単なる選択のミスであればタイムスリップによる修正はしやすいと思うんですよ。選択を変えればいいだけなので。でも例えば、進学や就職、恋愛とかだとけっこう難しいんじゃないですかね。というのも、下手したら準備に年単位の時間がかかったり、その人の人間性そのものを変えないといけなかったりするので、性格や記憶がそのままで過去に戻っても、また同じ結果になるような気がするんですよ。よっぽど強い意志がないと生活習慣って変えられませんから。それを踏まえて、自分だったら高校時代に途中で部活を辞めたことをなしにしたいですけどね(笑)

<そんなわけで>

簡単に過去を変えるのではなく、過去と向き合い学ぶことに主眼を置いた新しいタイムスリップの映画でした。過去とのけじめのつけ方を優しく描くと同時に、自己分析をするときに活用できそうな設定だなと思います。コリン・ファレルとマーゴット・ロビーのミュージカルシーンも面白いのでぜひご鑑賞あれ。

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