『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』(2026)、お茶目な素子を楽しもう

カンテレ・フジ系で放送が始まった、TVアニメ『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』(2026)(原作:士郎正宗、監督:モコちゃん、脚本:円城塔、キャラクターデザイン:半田修平)が始まりました。制作はサインエンスSARU

脳以外は全身義体で、超高度な電子戦能力とハードな戦闘能力を持つ”少佐”こと草薙素子(もとこ)と、その部下の精鋭サイボーグによる超法規特殊部隊、公安9課・攻殻機動隊が、さまざまな電脳テロや陰謀と戦う、SFアクションアニメ。

これまで、押井守監督の同名アニメ映画シリーズや、神山健治監督のTVアニメシリーズが、何度も配信されているので、その新作やオリジナル脚本の続編かと思いきや、第1回を見る限り、原作漫画に寄せたキャラクターデザインと、脚本で始まっていますね。

そして、今回のアニメでは、声優さんが、これまでのシリーズとは一新されました。

そもそも、キャラクター・デザインが原作寄りになり、素子を始め、バトー、トグサ、荒巻など、顔付きや微妙な性格付けも、少し違うので、声優が変わっても別にいいのでは、と個人的には思っていました。

その辺は、好みとか、べき論で、色々意見が分かれるところでしょう。

それでも、さすがに、素子役の田中敦子さんがお亡くなりなり、必ず代わる声優が、単純に絵柄に合わせて、キャピキャピ声になったら、どうしようと思っていたところ、ARISEなど最近の作品で素子を演じていた坂本真綾さんが、かなり田中さんを意識した低めの声でやって頂いたので、これは少し安心しました。

作画に合わせて、声優・声質を変えても悪くはないのですが、やはり、これまでの作品のイメージにある、あの、男共にビシッと命令を下す、低めの声は、残して欲しかったので、ありがたかったです。


当方も、アニメシリーズや劇場版から入った口なので、もし、原作漫画を読んでいなかったら、 1995年の押井版劇場映画GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』や、神山版TVアニメシリーズ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の、ちょっと近寄り難い、大人な素子(好みですがw)と、イメージがちげえよ、とか、主要メンバーの声優が変わり過ぎとか、思ったかもしれません。

(追記)『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』制作現場にDIVEせよ!|プライムビデオ​(無料公開動画)



押井版 GHOST IN THE SHELL↓


神山版 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX↓



原作漫画に近い、今回のTVアニメ『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』(2026)の方の素子は、少し若く、茶目っ気があり、チャーミング(義体ですがw)。

肉体でない、義体としての顔のはずが、人間ぽく、変顔になったり、怒った時の漫画的省略の表現になっている原作なので、これはこれで、これまでの各アニメシリーズとは違う、感情の起伏がある素子として描かれた、士郎正宗の世界を、繰り広げてくれるのではと思います。



ただ、原作では、草薙素子と攻殻機動隊がメインの話は、第1巻(全3巻)のみで、出て来る事件は、「外務大臣拘束事件」、「人形使い事件」、そして「人形使いと素子」(ネタバレしないように言ってますw)の3つなので、今回のテレビシリーズが、仮にワンクール12回とすると、脚本担当の円城塔などのオリジナル回が、出てくるのかもしれません。

そうであったとしても、今回は、オリジナル素子の性格付けを、活かすような展開を期待したいですね。

漫画は、一度に一つの視野、静止画だけで、動き、時間、雰囲気を表現し、ペンタッチの手書き成分が、逆に想像力を刺激するアート。

アニメは、いろいろな角度からの視野を描く事ができ、動き、効果音、声優のセリフを付け、直接的に説明する表現。

どっちがどう、という議論は意味がなく、質の違いを楽しむのがいいと私は思います。


さて、士郎正宗の原作漫画が、1989年に「ヤングマガジン海賊版」発表されてから、もう37年。

Windows95に、ブラウザなどインターネット機能が加わって、一般に普及したのが1995年と言われていますが、その6年前、大学の研究者とか米軍など一部でしか、ネットが使われなかった時代から、電脳世界と国家、企業の関係、さらにはAIの進化、人間と電脳の問題を、予見していたSFマンガの金字塔。

SF小説では、科学・技術的に、ネットを巡るいろいろなアイデアは出されていたのでしょうが、それを日本の国家、官僚、企業、政治、社会の変容の未来まで絡めて、予見し、具体的に描き切っていたので、本当に面白いですね。

さらに、今回のアニメシリーズでは、どこまで行くか分かりませんが、肉体を持たない生命体、という概念、生命とは何かという哲学的な話も、含んだ原作なので、ここを今回、どこまで広げていくかもの楽しみです。

また、そういう堅い話ばかりでなく、お茶目な素子と、攻殻機動対のメンバーや荒巻とのやり取りも、今回のシリーズは、期待できるのではないでしょうか。


さて、2週目以降も楽しみですが、やはり、原作の第1巻は、是非読んでおきたいところです。

単行本ではカラーページも鮮やかに、素子他キャラクターも映えています。TVでは放映できない、ムフフページもちょっとだけありますしね。


第2巻は、2001年に出版され、副題がMANMACHINE INTERFACE
注意点として、「攻殻機動隊」の続編とは言っても、第1巻から4年5カ月後の、素子一人のストーリー(著者も、巻頭に機動「隊」はほとんど出てきませんと断り書き)。

企業の考査部長「荒巻素子」という立場で、仕掛けられた事件に電脳戦で立ち向かい、そこでまた、電脳上で分身との融合、生命とは何かというテーマも出てきます。

この巻の素子(同位体)は、絵柄的には、手足の長いスーパーモデルみたいな体型で、しかもコマ割りを超えて、裸体がページ上に踊る、異色のデザイン。素子ファンは必読ですw

最初に出た豪華版では過激な性表現もあったとのことですが、通常版ではネット上を、裸体で漂うイメージのみ。表紙とも違います。士郎先生、これでもかなり抑えて描いたようですね。

建物も含め、カラーページも美しく、眼福ですが、エロはないものの、若干R-15的かもしれません。たぶん、地上波ではやらないでしょう。


第2巻の後の、2003年に出た、『攻殻機動隊1.5 HUMAN ERROR PROCESSER』は、1巻と2巻の間をつなぐ、素子不在(ちょっとだけ出ますが)のストーリーで、トグサを中心とした攻殻機動隊の、事件解決の話が中心になっています。

押井版、神山版と違って、若手のイイ人ではなく、中堅に成長して、なかなかえぐいトグサの活躍が見られます。


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