マヨネーズがまた値上がりする理由に、投資のヒントが隠れている
スーパーの棚で「あれ、また値段が上がってる」と感じたことはありませんか。
キユーピーがマヨネーズなど主力商品の値上げを発表しました。原材料の高騰と円安を背景に、食品の値上げラッシュがここ数年止まりません。
卵や油、包装資材までコストが上がり続け、企業としても価格に転嫁せざるを得ない状況が続いています。
正直なところ、「またか」とため息をついた人も多いのではないでしょうか。
ただ、この値上げのニュースは単なる家計の痛手として片づけてしまうにはもったいない情報でもあります。
「なぜ値段が上がるのか」を理解することは、実は資産づくりを考えるうえでとても役に立つ視点だからです。
値上げの裏にある「原材料高」と「円安」の構造
キユーピーのような食品メーカーは、原材料を仕入れて加工し、商品として販売しています。
その原材料の多くは輸入に頼っているものも多く、円安が進むと仕入れコストがそのまま膨らみます。
さらに、原油高や天候不順による農産物の不作なども重なると、企業のコストはじわじわと増えていきます。
こうしたコスト増を企業が自社で全部吸収してしまうと、利益が減り、事業を続けること自体が難しくなってしまいます。
だからこそ、値上げという形で価格に転嫁する必要が出てくるわけです。
ここで意外と見落とされがちなのが、値上げは企業の「弱さ」の表れとは限らないという点です。
むしろ、値上げをしてもお客さんが離れずに買い続けてくれるブランド力を持つ企業は、コスト増を価格に反映しやすく、利益を守りやすい傾向があります。
逆に、値上げすると一気に売れなくなってしまう商品を持つ企業は、コスト増を自社で抱え込むしかなく、経営が苦しくなりやすいのです。
たとえば、いつも同じメーカーの調味料を選んでしまう、というのは多くの家庭で心当たりがあるのではないでしょうか。
多少値段が上がっても「やっぱりこれじゃないと」と手が伸びてしまう商品を持つ企業ほど、値上げによる痛手が小さくて済みます。
こうした「値上げしても選ばれ続ける力」こそが、企業の強さを測るひとつの物差しになるのです。
インフレ下で「現金」だけを持つことのリスク
このような値上げが積み重なっていく状態を「インフレ」と呼びます。インフレが続くと、同じ1万円でも買えるものの量がだんだん減っていきます。
たとえば、去年1万円で買えていた食料品が、今年は9,800円分しか買えなくなる、といったイメージです。
銀行の預金だけで資産を持っていると、この目減りをそのまま受け止めることになります。
預金の金利がインフレ率を下回っている状態が続けば、数字の上では減っていなくても、実質的な価値は少しずつ削られてしまうのです。
こうした背景から、「現金や預金だけでなく、株式や投資信託などの資産にも分散して持っておく」という考え方が重視されるようになっています。
企業は値上げによって売上や利益を維持しようとするため、株式を保有していれば、そうした企業の成長やインフレへの適応力を、自分の資産形成にも取り込める可能性があるのです。
もちろん株価が下がるリスクもあるため、特定の銘柄に集中するのではなく、幅広い銘柄に分散した投資信託などを使い、長期でコツコツ積み立てていく方法が基本とされています。
「値上げする側」に立つという発想
普段の生活では、私たちはどうしても「値上げされる側」の立場でニュースを受け止めがちです。
家計簿を眺めながら、増えていく支出にため息をつく場面も多いでしょう。
ですが、株式や投資信託を保有するということは、見方を変えれば「値上げする側」の企業の一部を、少しだけ自分のものにするということでもあります。
キユーピーのような企業が値上げによって利益を守れば、その企業の株式を保有する人にとっては、業績や株価というかたちで恩恵が返ってくる可能性があります。
もちろんこれは保証された話ではなく、値上げが消費者離れを招き、逆に業績が悪化するケースもあります。
だからこそ、個別の企業を見極めるだけでなく、幅広い企業に分散して投資する視点が大切になってくるのです。
値上げのニュースを「家計の敵」で終わらせない
食品値上げのニュースを見るたびに気分が沈む、という人は少なくないでしょう。
ですが、その裏側にある原材料高や円安の構造を知っておくと、ニュースの見方が少し変わってきます。
筆者としては、値上げのニュースは「自分の資産をどう守るか」を考えるきっかけにするのがちょうどいいと感じています。
値上げそのものを止めることはできませんが、インフレに負けない資産の持ち方を学び、少しずつ実践していくことはできます。
「新NISA(少額投資非課税制度)」のような制度を使えば、運用益にかかる税金を抑えながら長期的な資産形成を進めることもできます。
マヨネーズの値上げというささやかなニュースの向こうに、家計と資産を守るための大きなヒントが隠れているのかもしれません。
