味わうことができない瞬間も、未来につながっている
味わえなかった夜
体験すること。体感すること。
そして、目の前の瞬間を味わうことを大切にしています。
でも、どうしても味わえなかった夜がありました。
雨のコンサート
雨の降る夜の、屋外コンサート。
すでに雨が降っていたので、防水のレインジャケットを着て出かけました。
でも、レインジャケットではなく、防水加工がしていなかったようで、すぐに冷たい雨が内側まで染み込んできました。
気づけば全身ずぶ濡れ状態。
雨に打たれ、震えながら歌を聴いていました。
「この寒さも、ありがたく味わおう」
そう思おうとしました。
でも、歯がガチガチと鳴り始め、味わうどころではなくなりました。
結局、コンサートの途中で会場をあとにしました。
体感も、感情も、できるだけそのまま味わいたい。
そう思っていても、味わえないときがあります。
グリーフの中で
似たようなことを、僕はグリーフ(大切なものを失う悲しみ)の中でも経験していました。
悲しみをしっかり味わい切る。
でも、自分が悲しみそのものになっていて、ただ一秒、一秒を過ごすだけで精一杯でした。
楽しい思い出で満ちているはずの過去も、笑顔を思い描けるはずの未来も、入り込む余地がありませんでした。
そこにあったのは、ただ、今、この瞬間だけ。
悲しみという感情に埋没しているから、何も感じたくない。
そんな瞬間の連続でした。
今、思うこと
振り返った今、思います。
グリーフの中の僕も、雨のコンサートの僕も、目の前の出来事を味わうことができなかった。
けれど今、味わいきれなかった自分も含めて、味わい直しています。
味わえなかった時間は、消えてしまうわけではないのです。
味わえない瞬間があっても、自分を不甲斐なく思ったり、責めたりしなくていい。
味わうことは、その場、その瞬間だけで完結しなくてもいいのだと思うようになりました。
いつか、その時間を味わえる、未来の自分へとつながっているかもしれないから。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
日々の小さな気づきや出来事を綴った文章が、あなたのこの瞬間をほんの少しでも照らすことができたら嬉しいです。

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