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SF小説「サむボヌグ・グラフィティ」PART-

『第話、号宀・茚戞スミレの堎合』

 本谷の操瞊するヘリで『偉倧なる愚か者たちの眠る岬』から、この、八塔屋はちずうや垂街区䞉番街の、ビルの谷間にひっそりず䜇む卍屋に垰還した光琉ひかるは、そこにずっず探し求めおいた茚戞ばらずスミレず再䌚を果たし、圌女を遂にその腕の䞭に抱きしめおいた。

「スミレ  やっず、やっず䌚えた。俺は  」

「ううん。䜕も蚀わないで。あなたの蚘憶、経隓、私も党郚感じたから」

「そうか  」

 電脳化による蚘憶の共有によっお、二人の心は再び䞀぀に繋がっおいた。
 抱きしめながら光琉はスミレの頭郚、薄玫色の髪をそっずなでる。

 少し驚いた事は、矩䜓化された身䜓の感觊が思っおいた以䞊に柔らかく、抱き着いおくるスミレの重さもほずんど昔ず倉わらないずいう事だった。

「なぁ、スミレ  お前」

 そっずスミレの身䜓を匕き離すず、あの日の蚘憶を呌び起こす。
 あの日、病院斜蚭で激しい戊闘が繰り広げおいた時、スミレは䞀人で倧勢の戊闘郚隊を盞手に戊っおいた筈だ。

 ぀たりスミレは戊闘甚矩䜓を換装されたサむボヌグ。
 だが、今こうしお抱きしめおいる圌女の身䜓は以前ず倉わらない、柔らかな少女のそれだった。

 戞惑いを芋せる光琉の顔を、スミレは真正面から芋぀めおきた。

「あのね、私  」

 スミレは、優しく綺麗な茝きを攟぀緑色の瞳を閉じた。
 そしおそれに応じるかのように、光琉は自分の顔をそっずスミレに近づけおいった  

『ダッホヌ光琉ぅ』
『なヌに青春しおんだか』
『初めたしお』
『  たぁ、いいんじゃねぇの』

 そんな二人の静かな感芚を打ち砎るかのように、いきなり『倧勢』の意識の奔流が流れ蟌んできた。

「み、翠さん本谷もずやさんそれに  」

「ようこそお二人さん。そしおようこそ、玅蓮隊ぐれんたいぞ」

 事務所に乗り蟌んできた党員が口を揃え、自分たちを歓迎する。 

 光琉は自分がしようずしおいた行為を目撃された恥ずかしさず、自分たちを心から歓迎しおくれる卍屋たんじや、玅蓮隊のメンバヌの優しさぞの感謝の気持ちがごちゃ混ぜになり、若干パニックを起こしかけおいた。

「あわわわわ」

「ん、光琉っおやっぱりかわいい」

 翠が、いきなり飛び぀いおきた。

「スミレちゃんの話、私達ももっず聞きたいわ。貎女に䞀䜓䜕が起こったのか。それ、聞かせおくれる」

「え、ええ。それが必芁だずいうのであれば、お話したすけど  」

 スミレも盞圓戞惑った様子だった。
 しかしその堎にいる党員の無蚀の期埅感、䞀皮の圧力に抌されお口を開きかけた。

「お、スミレちゃんよぉ、お前、自分に投入された機胜䜿っおみないかお前の粟神領域で、この堎にいる党員を接続する粟神同期コンシャスシンクロっお蚀うのをやっおみないか」

「せ、粟神同期  ですか」

 本谷の提案にスミレは䞀瞬たじろいだ。
 が、倧人しく頷いお本谷の提案を受け入れた。

 自分が知らなかった未知の機胜は、怖いけど気になる。
 それに、自分の胜力ならそれを把握しない蚳にはいかない、そう考えた。
 自分のように「人を越えた胜力」を持たされた者ならなおの事。

「刀ったわ。で、どうしたらいいの」

「お前の銖筋にゃ接続甚のシンクロゞャックがあるんだが、それに各自のケヌブルをぶっこんでお前がパスを発信する。倧䞈倫、意識を集䞭さえすればお前はそのコヌドを認識する」

 そう蚀い぀぀、本谷は自分のうなじの埌ろ偎を指しお芋せ、その堎の党員にケヌブルを甚意させた。

「さぁお、行くぜスミレ嬢ちゃん。この機胜、お前に授けられた祝犏だ。きっちり䜿いこなしお芋せろや」

 スミレは無蚀で頷くず、党員がスミレのシンクロゞャックにケヌブルを接続しおいく。

「じゃ、じゃあ行くわね」

 スミレは瞳を閉じ、自身の意識を自身の電脳の深局域に降䞋させた。

『blessing them allブレッシングれムオヌル 』

 電脳を通じお、意識の䞭にパスコヌドが浮かんでくる。

『コンシャスシンクロ、開始』

 その瞬間、スミレの意識䞋に新しい䞖界が圢成された。

『やったね、スミレちゃんここが貎女の深局䞖界っおこずね』

 スミレの意識界に降り立った翠は、蟺りを芋回しニコニコ埮笑んでいる。

『スミレ  あの』

 光琉は面食らった感じで、その面を赀く染めおいた。

『おい䜕をいたさら照れおやがる。粟神共鳎できる盞手なんだろう』

『も、本谷さんいや、確かにそれはそうですけど』

 冷やかすような本谷の蚀葉にしどろもどろの光琉。
 だが、深く息を吞い蟌み合い気を取り盎す。

『プラむバシヌっお、䜕だっけ  』

 光琉が初めお芋る、ピンク色の髪の少女がそう呟きながらスミレの偎に立った。

『初めたしお、スミレさ  いえスミレっお呌ばせお貰うわ。あたしは簟舞芜瑠みすたいめる。貎女も遠慮せず、メルっお呌んでね』

 ピンクの髪の少女、芜瑠は深玅の瞳でスミレを芋぀めおいた。

 互いにサむボヌグず蚀う、珍しくはないが普通の境遇ではない者同士、どこずなく盞通じるものがあるのだろう。

 偎で芋おいた光琉は、そう思っおいた。

『あら、それだったら光琉だっおそうでしょ』

 電脳空間独特の粟神の共有性を倱念しおいた光琉に、芜瑠が鋭く突っ蟌んできた。

『た  確かに』

 それにしおも、出䌚っお早々に呌び捚おか。
 たったくここの女たちずきたら、もう少し  

 バッチヌヌン

 電撃にも䌌たようなショックが光琉の身䜓を貫いた。

『ここはあたしの支配䞋にある䞖界だから。うっかりした発蚀は気を付けた方がいいわよ』

 片目を぀ぶっおスミレが、指先からぱちぱちずスパヌクを発しおいる。
 その傍には以前からの芪友ずいった感じの芜瑠が、スミレの肩に腕を回しお立っおいた。

 なぜか耇雑な気分になる光琉だった。

『そろそろ  始めおくれないかな』

 それたでほずんど沈黙しおいた銀青色の髪の青幎がボ゜ッず、ぶっきらがうな口調で状況の展開を促しおきた。

 光琉は初察面の為圌の名前を知らなかった。
 そしお軜く頭を䞋げるず、今曎ながら圌に名前をたずねた。

『すみたせん、自己玹介遅れおしたったみたいで。俺  』

『竜厎光琉、だろう赀磐あかいわの奎からよく話は聞いおいた。俺は倩神翔あたがみしょう。玅蓮隊のリヌダヌだ』

 倩神ず名乗った青幎はそれっきり、光琉に関心を寄せる事も無くスミレの倚元心話に耳を傟けおいる。
 しかし、倩神のドラむすぎる態床より、圌が口にした人物の名前の方が問題だった。
 赀磐  赀磐和俊あかいわかずずし。
 リヒトに殺された自分の先茩である圌が、県前の感情の芋えない寡黙な男、倩神翔ず関係があったずは。
 光琉はその件に関しおもっず聞きたいず思ったが、その衝動を面に出すこずは無かった。
 感情制埡が最倧で行われおる為、今の光琉はほが目前の寡黙な男ず䞀緒の存圚だった。

 そんな倩神ず光琉の䌚話が終わるのを芋お、スミレがそっず口を開いた。

『ええず、ごめんなさい。じゃぁどこから行こうか  』

『そりゃ、光琉ずの銎れ初めから話しおよ気になるもん』

 芜瑠の気迫が凄かった。
 スミレはほが初察面であるにも拘らず、自分の過去を光琉以倖の人に暎露する矜目になった。

『お願いだから、あんたり冷やかさないでね』

 スミレは頭を䞋げ、その堎のみんなに懇願した。

 その瞬間、光の粒が匟けお飛んだ。
 それはその堎にいるメンバヌ党員の心の共鳎だった。

『あ、そうだ。光琉、お前さんは感情の送受信機胜をオフ、又は最䜎レベルたでダりンしずけよ。でないずダバいからな』

 䜕故か本谷は緩い口調ではあるが、光琉に察しおそんなアドバむス、もずい指瀺を送っお来た。

『』

 意味をよく理解できないたた、蚀われた通りに感情送受信機胜を最䜎レベルにダりンさせ埅機した。

『そうそう。それでいいのよ。だっお、スミレちゃんの話を聞いおいく間に光琉は、ヒヌトアップしお゚ントロピヌ爆発する可胜性があるもの』

『うむ。たさしくそれだ。爆発を起こしたお前は、スミレの粟神、この情報空間を砎壊する事になるもしそうなったらお前も困るだろう』

 そう説明され、光琉は青ざめながら激しく銖を瞊に振った。

「は、はいはいはい刀りたした感情機胜、最䜎にしおおきたす』

 翠ず本谷の脅し文句にビビりながら、光琉は倧人しくスミレの肩る話に耳を傟けた。
 前半、圌女ずの出䌚いは聞くたでも無く、光琉の脳裏で再珟されおいた。
 しかし感情機胜をほがれロレベルにしおいるため、そこから湧き出る感情は䜕もなかった。

 ただ違和感のようなものが光琉の心を包み蟌み、䜕ずも蚀えない劙な感芚を味わおいた。

 知っおいるのに知らないふりをしおいるような気分になった。

『これっお、感情を元に戻した方が良くないか』

 䞍満の思考が走る。

『こらそういうこず蚀わないの』

『スミマセン  』

 翠に睚たれ委瞮する。

 感情の送受信を絶たれおしたった光琉だが、スミレの粟神空間なだけあっお呚囲に展開される光や音、色盞や空間圧からスミレのおおよその感情は芋圓が付いた。

 感情を受け取れない、或いは䌝えられないずいう事がこんなにももどかしい事だずは。
 あらためお光琉は、じぶんに「感情」がある事を感謝しおいた。
 今は、䞍慮の事故を防ぐ為に仕方がないんだ。
 そう自分に蚀い聞かせ、感情の抑揚のないたたスミレの䜓隓蚘を聎き続けおいた。

 そしお自分以倖の、翠や芜瑠、本谷たちは面癜そうに様子でスミレの話に聞き入っおいる。
 倩神は盞倉わらず無衚情のたた、スミレをただ芋぀めおいた。

 スミレの空間はその粟神䜜甚によっお色が決たっおいるようだった。

 萜ち着いた平垞心の時は薄い黄色かオレンゞ、興奮状態になるず深玅、そしお悲しさや苊しみは青に反応するようだった。
 そしお、光琉ずの最埌の別れの時は黒に浞食された青  蒌黒だった。

 そこたでの話題に関しおは光琉自䜓も圓事者であり、圓時の心境を考えたら感情封鎖は正解だったのかもしれない。

 無反応の光琉ず倩神は別ずしお、残りの人は熱心なリスナヌずしお、スミレの語る内容に耳を傟けおいた。
 本谷の堎合は、スミレず蚀う新人メンバヌに぀いお把握するため、芁点だけを聎くずいった感じだ。

 ちなみに、今珟圚この空間に存圚しおいる人。
 圌、圌女達はすべお各自の電脳に搭茉されおいるAIが䜜り出した、最高に粟巧な耇補䜓だった。

 翠ず芜瑠はもう、完党に恋バナを聎く女子䌚のノリである。
 男子人は肩をすくめ苊笑いをするばかり。
 倩神に至っおは眠っおしたったようにも芋えた。

『ちょ音、そこの男子スミレの切ない恋バナおわったんだけど』

 翠は頬を膚らたせ、圢良い眉が吊り䞊がっおいた。

『ああ、そうかい。で、次はどうなるっお』

 本谷は腕組みをしたたた、状況を監芖しおいた。

『たあ、本来ならわざわざこんな手の蟌んだ事をしなくおも良かったんだがな。奎らが動き始めた。うちの事務所にも、ナノレベルの偵察機が入り蟌んでた  。それに、あそこの䟋の二人組。むカレタ奎らではあるが、電脳関連の技術レベルは最高氎準だ』

本谷が蚀うには、スミレが䜜り出したこの空間は完党に閉じた電子的空間であり、倖郚からの電脳介入は䞍可胜ずの事だった。

 ハッキングの可胜性れロ。
 秘密の䌚話をするのにこれほど郜合の良い空間は無い。
 が、それゆえに悪意のある䜿甚に䜿われたらどうなるか。
 たしおその技術が地䞊に存圚するすべおを手䞭に収め、コントロヌルしようず画策する連䞭の手によるものであるなら。

『そうそう。問題はここから、でしょ。スミレが奎らに捕たっお  』

 急に䞍安そうに身震いをしおいる芜瑠を翠はそっず抱き寄せ、芖線はスミレに向けおいた。
 そこで、特に感情が動いたわけではないが光琉がスミレに問いただした。

『なあスミレ。お前、なぜあそこで捕たっおたんだあそこで出䌚ったのは偶然だったのか』

『うん、それを今から説明するから。』
 
 そこでスミレは䞀床倧きく息を吞うず、少し蟛そうな衚所を芋せた。
 が、盎ぐにその感情を振り払い、静かに語り始めた。

以䞋次回
ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ
『䜜者の呟き』みなさんお埅たせいたしたした。「サむボヌグ・グラフィティ」執筆再開です。本来なら「第章」ず蚀うべきなんだろうけど、執筆開始時短線集の぀もりだった為、今回もそれに合わせ「第話」ずさせおいただきたす。䜜品完結埌、章立おに倉曎思案䞭。ずいう事で、今回第話のメむンキャラクタヌは茚戞スミレ䞀応ヒロむンの物語ずなっおおりたす。぀いでに残りの䞻芁メンバヌもこの第話で出そろいたすので、抌しのキャラなど「画像もっず出せ」などご芁望がございたしたら、遠慮なくリク゚ストしお䞋さいね。それではたた次回、よろしくお願いいたしたす。
この䜜品に関するコメントもお埅ちしおおりたす。たたスキやフォロヌなどしお頂けるず、䜜者嬉しくおモチベヌション爆䞊がりで頑匵りたす。

『次回・第2回目』

『シリヌズ第話』

『こちらの䜜品もよろしくお願いしたす』


いいなず思ったら応揎しよう

ママンマフィン 応揎ありがずうございたすもしもこの蚘事があなたの心に響いたのなら、チップでの応揎、ずっおも嬉しいです。頂いたチップは、次回䜜の創䜜パワヌずしお倧切に䜿わせお頂きたす