見出し画像

「ただ遊んでいるだけ」が、子どもの未来をつくっている

「うちの子、すぐ飽きる…」は勘違い?! 夢中になる力は育っていく

おもちゃを手にしたと思ったら、数分後にはもう別のおもちゃ。

「さっきまで遊んでいたのに。」

「うちの子、集中力がないのかな。」

そんなふうに思ったことはありませんか。

同じ年頃の子が、一つの遊びをじっくり楽しんでいる姿を見ると、少し心配になることもあります。

「飽きっぽい性格なのかな。」

「何か習わせた方がいいのかな。」

そんな不安がよぎることもあるでしょう。

でも、保育の現場でたくさんの子どもを見てきて感じることがあります。

夢中になれる子と、すぐ飽きるように見える子。その違いは、才能ではありません。

夢中になる力は、生まれつき決まっているものではなく、少しずつ育っていくものなのです。


赤ちゃんは、何でも触ります。

口に入れます。

落とします。

転がします。

また拾います。

同じことを何度も繰り返します。

大人から見ると、同じ遊びを繰り返しているだけに見えるかもしれません。

でも、子どもの中では毎回違うことが起きています。

重さはどうだろう。

音はどう変わるだろう。

転がる速さは。

落ちる場所は。

子どもは「遊んでいる」のではありません。

世界の仕組みを確かめているのです。

その短い時間の積み重ねが、「もっと知りたい」という気持ちを育てていきます。


保育士として、印象に残っている子がいました。

園庭に出ると、毎日のように石を集める子です。

きれいな石。

丸い石。

少し変わった形の石。

周りの子は鬼ごっこや虫探しをしています。

でも、その子は今日も石を見ています。

大人には、昨日と同じ遊びに見えます。

けれど、その子には違いました。

昨日は気づかなかった模様。

今日初めて見つけた色。

光に当てた時の輝き。

触った時のざらざらした感触。

子どもは石を見ていたのではありません。

昨日とは少し違う世界を見つけていたのです。


「すぐ飽きる」と見える子にも、同じことが起きています。

形を確かめる。

回してみる。

積んでみる。

落としてみる。

「分かった。」

そう感じたら、次のものへ向かいます。

飽きたのではありません。

その遊びで集められる情報を集め終えたのです。

そして、また新しい発見を探し始めます。

こうして「知りたい」が少しずつ積み重なっていくと、ある日、子どもは時間を忘れるほど一つのことに没頭するようになります。

夢中は、突然生まれるものではありません。

短い集中が積み重なった先にあるものなのです。


夢中になれる時間には、いくつか共通点があります。

急がされないこと。

評価されないこと。

「早くしなさい」と区切られないこと。

安心して、自分のペースで試せること。

そんな環境の中で、子どもは少しずつ世界の奥へ入っていきます。

だから、夢中になる力は、「集中しなさい」と言って育つものではありません。

安心して没頭できる時間の中で、静かに育っていくものです。


もし今日、お子さんが何かに夢中になっていたら。

あるいは、「すぐ飽きた」と見えたとしても。

少しだけ立ち止まってみてください。

この子は今、何を確かめていたのだろう。

何を知ろうとしていたのだろう。

そんな視点で見てみると、同じ遊びがまったく違って見えてきます。

夢中になれる時間は、結果を出すための時間ではありません。

「好き」と「知りたい」を育てる時間です。

その積み重ねは、やがて勉強にも、仕事にも、人との関わりにもつながっていきます。

子どもの未来は、「何ができるか」だけでは決まりません。

何かに夢中になれた経験が、その子を何度も支えてくれます。

だから今日の遊びは、ただの遊びではありません。

未来へ向かう土台づくりです。

子どもを変えようとする前に、育ちの流れを見つめてみる。

夢中になっている姿にも、「すぐ飽きた」と見える姿にも、その子の育ちが静かに息づいています。

いいなと思ったら応援しよう!

るりさんご|子どもの気持ち通訳者 応援してもらえると、本当に嬉しくて泣きそうになります😭 これからも良い記事を届けられるよう頑張ります!