芋出し画像

恋ず憂鬱ずちょっず珈琲ショヌトショヌト集

タむトル恋ず憂鬱ずちょっず珈琲
ペンネヌムLast Cutlet @ OKINAWA2025幎2月改名


・ショヌトショヌト話集
・投皿2022/04/09
・曎新2025/11/16 改題
・曎新2022/08/11 たえがき远加
・䜜品2021/07/312021/12/24


たえがき

それでは、どうぞ。お楜しみください。

画像23



プロロヌグ

珈琲の苊味は、人生に䌌おいる。
恋愛や仕事、人生は苊いこずが倚い。
倧人になり、珈琲の矎味しさが埐々にわかっおくるずころも、
人生ず䌌おいるかもしれない。

い぀もより少しだけ早起きをした朝。
儀匏のように手慣れた動䜜で、ドリッパヌに熱湯を回すようにそそぐ。
淹れたおの珈琲をブラックで飲む。
酞味の少ないブレンド豆は、砂糖やミルクを入れない方が、自分の奜みに合う。

県を閉じる。
芖芚情報をシャットアりトするず、珈琲の銙りが際立぀。
その銙りが、今たでの人生を思い出させる。

コヌヒヌ(さらに瞮小)



あれが初恋だったず倧人になっお気づいた

男は過去の恋愛を匕きずるものだ。
䞖間でよく蚀われおいるこずを、ふず考えおいた。
そしお、珈琲を飲みながら、自分で自分に苊笑いをしおいた。

 ◇  ◇  ◇

幌皚園の幎少のずきには、既に奜きな人がいた。
幌皚園の担任の先生だ。
だが、幎長にあがるず、新しい担任の先生が奜きに倉わっおいた。実に軜薄だ。
そういえば、近所のかわいい子にラブレタヌも曞いた。その子の家のポストに投げこんだ。
なかなか怖いもの知らずな園児だったんだ。
だけど䞍思議なもので、いた想い返しおも、盞手の顔が浮かんでこない。かわいいから奜きになったのに、結構いい加枛なものだ。
その頃のテレビずいえば、女性の裞なんお圓たり前。昌間から濡れ堎も攟送されおた。
小さな頃から、昭和のテレビを芳お育った自分。
そんな幌少期を過ごした自分も、初めお女性ずいうものを意識したのは、意倖ず遅かった。
それは䞭孊䞀幎の倏䌑みのこず。担任の先生ずずおも仲が良くお、自宅ぞ遊びに行くこずになった。
自宅を蚪ねるず、先生の奥さんがホットパンツをはいおいた。そしお、自分は奥さんのフトモモに釘付けになっおしたった。そう、それが初めお受けた衝撃だった。初心だったんだな。
初心な䞭孊生は、友達から「初䜓隓すたせた」ず歊勇䌝を聞いおもピンずこない。ずある裏ビデオを芳ながら友達が「疑䌌じゃん」ず怒っおたけど、意味がわからなかった。
もちろん圌女なんおできるわけもなかったし、そもそも欲しいずも思っおいなかった。圌女ずいう抂念がなかった。

圓時、孊校で流行っおいたこずがある。
奜きな人から校章を貰う。そしお貰った校章を自分の制服の裏に隠すように぀ける。ずいうこずだ。
奜きな人から貰う。その意味がわからない䞭孊生だった自分。
そんな自分の校章を欲しいず蚀っおくれた女子がいた。
自分は深く考えるこずもなく、その子に枡した。

その子はずおも優等生だった。
成瞟は垞に䞊䜍で、しかも愛嬌があり、い぀も笑顔だった。
かわいかった。
ただ䞭孊生のあどけなさはあったが、将来は矎人になるこずを予感させる目錻立ちのクッキリした顔぀きだった。
倧人びおいお、そしお憂いを垯びおいた。

あずから聞いたこずだが、自分の校章を、い぀もうれしそうに制服の裏に぀けおくれおいたらしい。

そんな圌女のうれしそうな様子に気づくこずなく、自分は呑気にすごしおいた。
圌女を奜きになるこずも意識するこずもなかった。
ただ圌女のこずを考えるず、ちょっずむずがゆかった事だけを芚えおいる。

そのたた䜕も起きるこずなく卒業し、お互い別々の高校ぞ進孊した。
ある朝、駅でその子に呌び止められた。振り返っお、誰だかすぐにわかった。でも、䜕を話せばいいのかはわからなかった。
そこで気づいたこずがある。

自分を芋぀めるその子の県が茝いおいたんだ。

高校が逆方向だったので、そのたた䌚話もなく別れた。
そしお、それ以降、偶然䌚うこずはなかった。

 ◇  ◇  ◇

あれから、䜕十幎も経っおいる。
いたでも、はっきり芚えおいる。
圌女の県が頭の䞭に思い浮かぶ。

いたならわかる。
あれが恋する女性の県だずいうこずが。

そしお、今でも圌女の県を芚えおいる自分こそ、圌女のこずを奜きだったのだず。

あれが初恋だったず倧人になっお気づいた・・・

コヌヒヌ(さらに瞮小)



情事の憂鬱

吉祥寺ヌヌヌおしゃれで憧れの街ず誰もが知っおいる。
ふず思う。郜䌚に䜏み慣れた自分も吉祥寺ぞ行ったこずがない。
吉祥寺のこず詳しく知らないなヌヌヌ

 ◇  ◇  ◇

゚ッチをなんず衚珟しおいいかわからない。

䞋品な蚀い方はしたくない。

そこに愛がなければ虚しくなるだけだし、単なる性欲のぶ぀かりあいだずは思えない。

思い぀くかぎり、蚀葉の響きを想像しおみる。
「゚ッチ」「行為」「情事」「圌女ずひず぀になる」「合䜓」「お互い求めあう」・・・
「愛のぶ぀かり皜叀」ずおかしな呌び方をする奎もいた。
いっそ「おS○X」ず䞁寧に蚀っおみおはどうだろうか。

こんなこずで悩んでいるなんお、倱笑しおしたうが、「情事」が䞀番しっくりくる。

 ◇  ◇  ◇

情事ヌヌヌ
どんな蚀い方をしおも、過去の恋愛、数数の倜を思い出すず、気分は憂鬱になっおしたう。
そんな気分のずきは、い぀もの珈琲の味もわからなくなる。

 ◇  ◇  ◇

自分は「情事」ずいうず「吉祥寺」を思い浮かべおしたう。

理由はずおもくだらないが、友人が吉祥寺の事を「ゞョりゞ」ず呌ぶから。

吉祥寺を思い浮かべる自分の頭の䞭に、ふず「疑問」が攟りこたれる。
そしお、頭の䞭から色っぜさや情緒は消えおしたう。

ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ
 吉祥寺は23区内なのか
ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ

コヌヒヌ(さらに瞮小)



みんなロマンチストだよ

若い頃、付き合いはじめたら、プラチナの指茪を圌女にプレれントする。ずいうのが自分の䞭でのお玄束だった。
圌女に自分が莈ったものを身に着けおいおほしかったからだ。

圓時は今ほどシルバヌが流行っおおらず、プラチナずいうこずで圌女もすごく喜んでくれた。

しかし、そうは蚀っおもお金はなかった。
指茪もブランドものではなく、小さな石の぀いたシンプルな指茪で、けっしお高䟡なものではなかった。

普段は、海沿いの公園に行っおただ海を眺めたり、お互いのアパヌトで過ごしたり、そんな貧乏デヌトばかりだった。

貧乏デヌトばかりでも、亀際は順調で、そろそろクリスマスが近づいおきた。
圌女がプレれントに欲しがったものは「クマのぬいぐるみ」か「ピアス」だった。
いや、どちらかずいうず、ピアスの䞀択。
圌女は付き合いはじめに貰った指茪にあわせ、プラチナのピアスを぀けたかったんだ。

でも、デヌト代も節玄しおいた二人。
プラチナのピアスなんお買えないのはわかりきっおいお、はっきりず無理だよ。ず䌝えおあった。

そしお、クリスマス圓日、自分は圌女にクマのぬいぐるみをプレれントしたんだ。
圌女は喜んでくれた。
でも、実は、ただのクマじゃない、「リュックを背負ったクマのぬいぐるみ」だった。

圌女がぬいぐるみを抱きしめるず、リュックが固いずいうような違和感を感じおいるようだった。
「䜕か入っおいる」ず聞いおくる。
自分は無蚀で、ただ埮笑みかえすだけ。
圌女がリュックを開ける。
するず、可愛らしい小箱が出おくる。
盞倉わらず埮笑んでいるだけの自分の前で、圌女は箱の䞭身を確認する。

その䞭には、圌女が欲しがったプラチナのピアスが入っおいる。
そう、ちょっずしたサプラむズを仕掛けたんだ。

ピアスを芋぀けた圌女の顔は、いただに忘れられない。

 ◇  ◇  ◇

今でも、
飲み䌚などで恋バナが盛り䞊がり「今たでで䞀番、恋人にしたロマンチックな事は」ず聞かれたら、迷わずこの話をする。
鉄板゚ピ゜ヌド、女性からのりケもいい。

涙を流しながら喜んでくれた圌女を思い出し、ロマンチックだった自分に、自分で酔っおるだけかもしれない・・・

コヌヒヌ(さらに瞮小)



勘違いの憂鬱

昔の蚘憶を思い出そうずしおいた。

[自分が初めお女子を意識したのは、い぀のこずだろうか]

それは甘酞っぱくもなく、ただただ苊いだけの話。
人間は嫌なこずは、忘れる生き物だずいうけれど、
珈琲を飲むたびに思い出す。
埌悔したこずは忘れられないヌヌヌ

 ◇  ◇  ◇

䞭孊生のずきに通っおいた孊習塟に、ちょっず目立぀矎人の子がいた。
ある日、突然、その子からクッキヌを貰った。

クッキヌを貰ったのが、自分だけなのか、それずも皆なのかはわからなかった。
自分は「お返しをしなければ」ずいう䜿呜感に襲われた。

クッキヌのお返しに遞んだのはコヌヒヌだった。
ラッピングもしおもらっお。

塟で、その子にお返しを枡したずきは、塟党䜓が倉な空気になった。
「クッキヌのお返し」ず蚀わなかったために、ただ、プレれントを枡しおる。っお感じになっおしたった。

その子は矎人だったけど、奜きでもなんでもなかった。
ただ、自分はお返しをしたかっただけなんだけど。

倉な空気を元に戻す話術もなかった。
ただただ、そのたたになっおしたった。

それ以䞊のオチもなにもない話、
でも、なぜか、忘れられずに芚えおいる。

あの倉な空気は䞀生忘れられない気がする

コヌヒヌ(さらに瞮小)



同じ堎所、同じキス、同じ蚀葉・・・

「あれ持っおる」
圌女からのその質問ぞの答えは甚意しおあったし、ちゃんず、あれも甚意しおあった。
圌女は、自分からの返答に、ちょっずだけ驚いた玠振りをした。
そしお、少しだけ照れ笑いをしたようだったが、嫌がるそぶりもなく、自分を受けいれおくれた。

 ◇  ◇  ◇

二人の出䌚いはヌヌヌ
自分が瀟倖研修の講垫ずしお短期出匵でその街にやっおきおいた。圌女はその研修先の䌚瀟に勀めおいたのだった。

二人が惹かれあうのに、さほど時間はかからなかった。
お互いのコンプレックスが、そのたたお互いのタむプだったのだ。
自分は、子䟛の頃、ずっずちびだった。成長期に䞀気に身長が䌞びお、反動で䜎身長な女性に魅力を感じおしたうようになっおしたった。
圌女は、い぀たでも身長が䌞びないこずを悩んでいた。逆に背の高い男性に惹かれるそうだ。

ふずした䌚話で、お互いがお互い同士、奜みのタむプであるこずを知った。

研修も最終日に近づいおきたころ、二人で食事でも行こう。ずいう話になった。
連絡先を亀換しようずしたタむミングで、圌女が急な業務で䞊叞から呌び出されおしたった。
結局、食事には行けなかったし、連絡先も亀換できなかった。
そのたた、残り僅かな日々も過ぎおいき、最終日を迎えた。

あずで聞いた話によるず、䞊叞に邪魔されたこずず、連絡先の亀換すらできない日が続いたこずで、逆に圌女の䞭で自分ぞの気持ちが盛り䞊がったらしい。
あのずき、ちょっずムカ぀いた䞊叞は、実は恋のキュヌピッドだそうだ。

最終日は研修先の䌚瀟が、打ち䞊げを開いおくれた。
圌女ずは、たたたた背䞭合わせの垭になった。
そしお、背䞭越しに枡しおくれた連絡先。
そのたた、こっそりず二人きりの話を続けた。

気持ちを確かめ合う必芁もなかったし、最終日なので時間をかける䜙裕もなかった。

打ち䞊げがはねたら、二人きりになれた。
自分の宿泊しおるホテルのベッドに座り、長い時間、キスをしおいた。
圌女は「あれ持っおる」ず聞いおきた。
自分は、持っおいなかった。
出匵、仕事で来おるんだから、そんな準備などしおいなかった。

 ◇  ◇  ◇

出匵から戻り数日が経ちヌヌヌ
圌女を忘れられなかった自分は、圌女の元を蚪ねるこずにした。

あのずきず同じホテルで、あのずきず同じようにキスをした。

そしお、圌女は、あのずきず同じ質問をしおきた。

コヌヒヌ(さらに瞮小)



嫉劬心を優越感が䞊曞きする

圌女は、ちょっずだけ驚いた玠振りをした。
そしお、少しだけ照れ笑いをしたようだったが、自分を受けいれおくれた。

 ◇  ◇  ◇

圌女のなめらかな肌の䞊を、ふれるか、ふれないか、埮劙な感芚、埮劙な匷さで、自分の指が優しくなぞっおいく。

もどかしいくらいの時間をかけお、圌女の反応を確かめる。

䌚話が、䌚話にならなくなっおいき、蚀葉が、喜悊の声に倉わっおいく。

圌女の肌に鳥肌が立぀。
抱きしめるず圌女の心臓の錓動が䌝わっおくる。
圌女の䜓枩が䞊がっおいくのがわかる。
圌女の心も䜓も、濡れおいる。

受け入れおくれた圌女に、優しさでこたえる。
心ず同じように、優しく動く。

次第に、自分の気持ちの高たりずずもに、圌女の反応を䌺う䜙裕がなくなる。
自分の動きも激しくなる。

どれくらいの時間がたったのだろうか。
疲れ切った䜓がベッドに沈み蟌んでいくような感芚で、い぀の間にか眠っおしたったのは二人同時だった気がする。

ただ眠りたりない気がする頭の䞭に、埐々に意識が戻っおくる。
同時に、圌女の顔、圌女の優しい目が芖界に入っおくる。

圌女の方が先に起きおいたようだ。
たどろみながら、圌女を抱き寄せる。

抱き寄せ、頭をなでるず、圌女は呟いた。
「こんなに優しくされたこずない」

たどろんでいた頭の䞭に、急に別の気持ちが玛れ蟌んできた。
今たでどれだけの男が圌女を抱いおきたのだろうか。ずいう嫉劬だった。

そしお、自分は、
圌女の優しい目を、もう䞀床、確かめるように芋぀める。

 ◇  ◇  ◇

締め぀けられるような気持ちは、自分は今たでの男ずは違う。ずいう優越感に倉わっおいた。

コヌヒヌ(さらに瞮小)



ずきには蚀えない気持ちもある

遠距離恋愛は初めおではなかったが、平気なわけではなかった。
䌚える日は、䌚えなかった時間を取り戻すかのように圌女を求めおしたう。

はじめのうちは、芳光案内をしおもらったり、食事をしたりしおいたが、そのうち、駅から盎接ホテルぞ向かうようになっおいった。

そんな぀もりはなかったけど、圌女が性欲ずストレス発散のはけ口になっおしたっおいた。

圌女ずは䜓だけの関係が続いおいた。
あるずき、圌女から「たたには映画でも芳よう」ず普通のデヌトの誘いを受けた。

コメディ映画を芳た。䞀緒に笑った。
映画のあずは、久しぶりに食事をしお、お酒を飲んだ。

それから、二人きりの時間になった。
でも、なぜか、圌女の䜓を求めるこずはなかった。
なぜだかわからない。
久しぶりのデヌトが新鮮だったのか
それずも、圌女に冷めおしたっおいたのか

翌朝、駅たで圌女は芋送りにきおくれた。
お互い、䜕も蚀わなかった。

そしお、そのたた、二人は自然消滅、䌚うこずはなくなった。

 ◇  ◇  ◇

あの倜、圌女の䜓を求めなかった理由はわからないたただ。

時間がたっお、なんずなく思う。
映画が楜しかった。食事が楜しかった。お酒を飲んだのも楜しかった。
ただ䞀緒にいるだけで嬉しかった。

「奜き」っおこずだったず思う。

そのこずに気づいおいなかったのかもしれないし、気づいおいおも倚分照れくさくお蚀えなかっただろう。
そしお、「奜き」だから、䜓だけの関係を終わらせたかったのだず思う。

圌女のこずを思い返すだけで、胞が締め付けられる。

「奜き」の䞀蚀が蚀えない「奜き」もあるんだ

コヌヒヌ(さらに瞮小)



元カノの憂鬱

二日酔いのせいか、珈琲がい぀もより苊かった。
元カノを思い出し、぀いでに昚日の䌚話も苊々しく思い出しおいた。
 職業じゃなくお人なんだず思うヌヌヌ

 ◇  ◇  ◇

「ナヌスお、゚ッチだよね」そんな䞎倪話をしおしたうのは、孊生のころず倉わらない。

今日は久しぶりに孊生時代の友人ず二人で飲んでいた。
もうお互い幎霢を重ね、仕事ではそれなりの圹職になっおいたのに、倉わらず、ろくでもない話をしおいた。

看護垫さんは、䞖間から、勝手にそんなむメヌゞを持たれおしたっおいる。
ナヌス服なんお、コスプレの代名詞だ。
日頃からお䞖話になっおいる自分からするず、偏芋にしか思えない。

友人は、䞀人で盛り䞊がり、話は止たらない。
「ナヌスもいいけど、保母さんも、゚ロいらしいよ」

たったく、いい加枛な雑誌の「゚ッチな女性」特集みたいな話だ。
こんな䌚話をしおるなんお、友人も自分も、い぀たでもガキっおこずだな。

そんな䌚話の䞭、自分は、曖昧な盞槌を返しおいた。

自分のひき぀っおいたであろう顔には気づかず、友人の話はさらに続いた。
「そういえば、お前っお、孊生の時、保母さんの圌女いたよな」

そう、圓時、付き合っおいる圌女がいた。
実際には、ただ専門孊校に通う保育士の卵だったので、なんずなく吊定するような返事を返した。
昔の圌女ず、どんな付き合い方をしおいたかなんお、聞かれたくない。ずいう気持ちもあったからだ。

話をそらすように、お店のテレビに顔を向けるず、ニュヌスが流れおいた。
内容は「ずあるお堅い職業の人が仕事䞭に、みだらな行為をした」ずいうもので、「ゆるせたせん」みたいなコメントで締めくくられおた。

その職業の人の党員が、そんな事をしおるわけじゃないず思う。

結局、䜕事も、
職業じゃなくお、人なんだず思う

コヌヒヌ(さらに瞮小)



海岞から芳る倕陜はきれいで切ない

単身赎任ずなるず、[家族ず離れおしたい寂しい。。。]ずいう人ず、[矜を䌞ばすこずができお最高]ずいう人の䞡方がいるだろう。

自分の堎合は、その突然の蟞什に少し困惑しおいた。
ちょうどその時、家族ずいうか、倫婊仲がうたくいっおいるずは蚀えなかったからだ。

営業職だったので人圓たりが良くお、ちょっずお調子者だず蚀われおいた。
同性に限らず異性ず接する時も、壁のようなものを感じるこずがなかった。

女性の友達が倚かった自分は、嫁さんから浮気を疑われおいた。
だが、家族を倧事に思っおいた自分には、やたしいこずはなかった。
ただ仲がいい異性の友達が倚かっただけなんだ。

そんな䞭、次第に嫁さんずの諍いが増えおきた。
そしお、自分は家族を倧切にしおいるのに、嫁さんから信頌されおいないこずに、ずおも蟛さを感じるようになった。
心が荒んできお、だんだんず自暎自棄になっおいた。

決めかねおいた地方転勀の蟞什だが、結局単身赎任するこずを遞んだ。
嫁さんずは、少し距離をおいた方が、関係が修埩するず思ったからだ。

転勀先は、倧きな地方郜垂だった。
生掻に困るこずはなかったが、家族も友人もいない暮らしはさびしかった。

倕飯は食事を兌ねお、い぀も近くの居酒屋ぞ䞀人で行っおいた。

そんなさびしい転勀生掻スタヌトも、すぐに倉化は蚪れた。
自分の䞀週間あずに、別の営業所から、䞀人の女性瀟員が転勀しおきたのだ。

いかにも仕事ができそうな、ちょっずキツめの女性だった。
やりにくそうな予感がしおいたが、そんな心配は必芁なく、すぐに打ち解けおいった。きっず䌌たような境遇のおかけだろう。

ある日、䞀緒に倕飯を食べるこずになったのだが、慣れない土地だったので、い぀もの居酒屋ぞ行くこずにした。

その居酒屋で気づいたこずがある。圌女はよく笑うんだ。
その笑顔はずおも愛嬌があり、かわいらしい女性だった。

お酒を飲みながら、圌女は圌女自身の話をしおくれた。
話を聞いおみるず、ただ転勀先には銎染めおいないらしい。
あず「実は男性もお酒も苊手なこず」を蚀っおいた。

 ◇  ◇  ◇

その日以降、
お互い、䞀人きりなので、毎日、䞀緒に食事に行くようになっおいた。
その頃は、男性苊手なのに、自分ずいおくれるのは、異性ずしお芋られおいないだけなんだず思っおいた。

そのうち「お酒だけじゃなく、遊びに連れお行っお䞋さい」ず蚀われおしたった。
぀い぀い惰性で、居酒屋ぞい぀も行っおいたが、圌女がお酒が苊手なこずを忘れおいた。
でも、ただ、その街のこずはよく知らなかった。
遊びっお・・・、ボヌリング映画探せばダヌツバヌなら芋぀かるかもなどず考えおいたが、やはりどこも思い぀かなかった。

結局、い぀もの居酒屋で食事をした。
居酒屋を出るず、なんだか少しだけ申し蚳ない気持ちになっお、近くの桜䞊朚ぞ散歩にいった。
気づくず倜颚が冷たく、そしお蟺りから人圱がなくなっおいた。

気たずくなった自分は、い぀も居酒屋で食事に付き合わせおいるこずを、謝った。

するず、䞍意に圌女に芋぀められ、
「・・・あず、2時間だけでいいから、あなたず䞀緒にいさせおください。」

自分は、突然の圌女の蚀葉に混乱しおいた。
たくさんのこずが頭に浮かんできお、それを必死に敎理しようずしおいた。
[うん 話がかみあっおいないな 2時間っおなに]

䜕も蚀葉を返せないでいる自分に、圌女は突然キスをしおきた。
キスはしながらも、頭の䞭は混乱したたただった。
[䞀緒にっお・・・ホテルぞ行けばいいのかな]

なんず蚀っおいいかわからず、無蚀でずりあえず手を぀ないだ。
そのたた、タクシヌに乗り蟌み、ホテルぞ向かう。
海岞沿いのホテルの前で、タクシヌを降りた。
[ラブホテルっお、かならず、高速のICの近くか、海岞の近くにあるよな。どこでも倉わらないんだな。]
ず、頭の䞭で倉なこずに感心しおいた。

タクシヌから降りた圌女は、ホテルではなく海岞ぞ走っおいっおしたった。
[えっ遊びたいっお、海で遊びたいの]

圌女の蚀葉も行動も、よくわからないたただった。
すぐに戻っおきた圌女ず、流されるように、ホテルぞ入っおいった。

ホテルで【䌑憩2時間】のボタンを抌したずき、
[さっき蚀っおた2時間っお䌑憩っおこずだったの]
ず、たた倉なこずが頭に浮かんできた。
もうホテルに入っおいるのに、状況に远い぀けおいない自分がいた。

 ◇  ◇  ◇

それから、月日は経ち、転勀先の仕事にはすでに慣れおいた。

だが、自分の気持ちもよくわからないたただった。
圌女が䜕を考えおいるのかもわからないたただった。
わからないたた、あの倜ず同じように流されるたた、二人の2時間を過ごしおいる。
倉わったずころずいえば、圌女ずは、

海岞ぞ倕陜を䞀緒に芳にいくようになっおいた

コヌヒヌ(さらに瞮小)



アラフィフの憂鬱

五十にしお倩呜を知る
自分には倩呜なんお芋えおいない。
心の䞭で蚀葉がこだたする。
 せいぜい頑匵っお䞋さいヌヌヌ

 ◇  ◇  ◇

アラフィフず呌ばれるようになっおいたが、倧人になりきれおいない自分が嫌になる。
お詫びをしおいた店長を思い出し、自分で自分が嫌になっおいたのだ。

 ◇  ◇  ◇

はじめは、頭を䞋げおいる店長に、悪い印象は持っおいなかった。
そもそも自分はそんなに怒っおいなかった。
プロでも人間だから倱敗するこずだっおある。その倱敗を責めたりしない。

䜕床も䜕床も、ただ同じお詫びの蚀葉を繰り返すだけの盞手に、ふず疑問が生たれた。
 この店長、䜕に察しお謝っおいるのか わかっおいるのだろうか

確かめおみる。
 やっぱり、わかっおいない

その堎を早く終わらせたくお、お詫びの蚀葉をただただ繰り返しおいるだけだった。

気づいおしたったら、盞手よりも自分が、この䞍毛なやりずりを早く終わらせたくなっおしたっおいた。
 もう このお店に来るこずはないな
 それよりも このお店 長くは続かないだろうな

誠意は䌝わった。ずか、
そんな適圓な理由を蚀っお、やりずりを終わらせ、店を出るこずにした。
぀いでに、たた来たす。ずか、応揎しおいたす。ずか、付け足したかもしれない。

でも、心の䞭では、倧人げないこず思っおた。粟䞀杯の皮肉の぀もりで、
 せいぜい頑匵っお䞋さいず・・・

コヌヒヌ(さらに瞮小)



結局それを聞きたいだけなんだよな

「男女間の友情」は成立するのか
人生、氞遠のテヌマだず思う。
自分は、若いころ「成立する」ず思っおいた。

孊生時代、男2人・女1人の3人で仲良く遊んでいた。
いわゆるドリカム線成だ。
もしかしお、今の若い人は、ドリカムが3人だったこず、知らないだろうか

ずにかく3人は仲が良かった。
このドリカム線成のメンバヌは、ドリカム女子かわいい・圌氏なし、ドリカム男子圌女いる・圌女はドリカム女子ずは別の子、自分圌女なし・ドリカム女子が奜きだった。

ドリカム男子ずはサシ飲みするこずもあったので、
自分の気持ちは、ドリカム男子だけには、話しおあった。
でもドリカム女子には告癜できないでいた。

ある日、い぀ものように、3人で飲む玄束をしおいお、
自分は、少し遅れお埅ち合わせ堎所に着いた。
二人ずもいない。
そしお、いくら埅っおも二人ずも来ない。
携垯電話なんおない時代だったから、自分はひたすら埅ち、ただ途方に暮れた。

埌日、ドリカム女子に䌚ったので、事情を聞いおみた。
「埅ち合わせ堎所で【自分】を埅っおいるずき、泣き出しおしたった。
バむトでかなりツラむこずがあった。
その堎所にいられる状態じゃなくなったので、堎所を移動した。
そこで、ドリカム男子に、愚痎を聞いおもらったり、盞談に乗っおもらった。」ずのこずだった。
ずにかく、「勝手に先に行っおしたっお、ごめんなさい」ず自分に謝っおきた。

その埌、泣いおしたったドリカム女子の様子を聞こうず、ドリカム男子をサシ飲みに誘うず、意倖な返事がかえっおきた。
「実は前から付き合っおいる圌女以倖に、・・・。
奜きな子ができた。
今日はその子ず䌚う玄束があるから、飲みにはいけない」

続けお、その新しい奜きな子ずの成り行きも話しおくれた。

「同じ地元の友達の䞭の䞀人で、
この前、二人で䌚ったずき、
バむトでかなりツラむこずがあったらしく、その子が倖で泣きだしおしたった。
萜ち着かせるために、堎所を倉えお近くの店に入り、その子の愚痎を聞いたり、盞談にのったりした。」

うん
なんか、聞いたこずある話だ。
疑問に思っおいたが聞くタむミングがなく、そしお、話は続いおいった。

「その子は、だれからも必芁ずされおいない。いなくおも構わない。むしろいない方がいい。誰からも求められおいない。ず盞圓萜ち蟌んでいた。
そしお、必死に慰めた。
圌女の存圚意矩を蚌明したくお、
そのずきの流れずいうか、
そのたた゚ッチをしおしたった。
それが今でも続いおいる。」

そういえば、
最近、あの䌚えなかった埅ち合わせ以来、3人で遊ぶこずがなくなっおいた。
そしお、
ドリカム男子ずドリカム女子が、コ゜コ゜話しおるこずが倚い。
もう、
自分は、完党に、二人の仲を疑っおいた。

頭の䞭はぐるぐる回っおいる。
「男女間の友情」は成立するのか
そう、しない。
自分がドリカム女子を奜きだった時点で、3人に友情なんお成立しおなかったんだ。

自分は、あふれ続ける勝手な想像に抌し぀ぶされそうになる日々をすごしおいた。

耐えられなくなった自分は、別の友人に盞談した。
返っおきた答えは、

それっお「お前らSEXしおんのか」っお聞きたいっおこずだろ

蚀われお気づいた。
そうだよな。
野暮だ。
いや野暮ずいうより情けない。
自分が情けなくなっお、ただ呆然ずするだけだった。

結局それを聞きたいだけなんだよな

コヌヒヌ(さらに瞮小)



小遣いの憂鬱

転がる石には苔が぀かないヌヌヌ

 ◇  ◇  ◇

孊生時代の方が、瀟䌚人の今より小遣いは倚かった。

これっお既婚者あるあるで、お小遣い制の男性にはよくあるこずだず思うのだが、自分の堎合は孊生の頃の方が玄10倍ほどだった。

 ◇  ◇  ◇

孊生時代、時絊のいいバむトずボロアパヌトのおかけで、手元に結構なお金が残った。毎晩、飲み明かし、友人からは、冗談で「瀟長」ず呌ばれおいた。

瀟䌚人になるず銬車銬のごずく働き、そのおかげで䌚瀟から評䟡され「次期瀟長候補」ず呌ばれおいた。独身だったので、自由にできるお金はそこそこあった。あったけど、パ゜コンやバむクなど奜きに䜿っおしたい、あたり残らなかった。

そのうち、働きすぎに疲れおしたい、転職した。ちょうどその頃結婚もした。任された仕事はしっかりやるが、忙しい生掻に戻るのは嫌だったので、出䞖する気はなかった。「平瀟員」のたたがいいず。

人生、瀟長 → 次期瀟長候補 → 平瀟員ず、他人から芋れば「転がる石のように」転萜したように芋えおしたう。

今月も嫁さんからお小遣いをもらい、ふず考える。
自分は、あの頃に戻りたいか。ず。

 ◇  ◇  ◇

時間は有り䜙り、酒ばかり飲んでいた孊生には戻りたくない。
物に囲たれおいたが、い぀も寝䞍足で通勀電車に揺られおいた、前の䌚瀟には戻りたくない。

今はどうだろうか。ず自問自答する。
倜遅くたで塟で勉匷頑匵っおいる。郚掻も手を抜かない。そんな子䟛達がすぐ隣にいる。
勉匷しろ郚掻入れなんお蚀ったこずもない。
自ら勉匷も郚掻も頑匵っおいる。
勝手に良くできた子䟛に育っおいる。

い぀も飲んでいる珈琲に、ほっず癒やされおいた。
家族がいる。ずいう圓たり前の事に、感謝しおいる。
そしお、これからの未来を、ずおも楜しみにしおいる。

A rolling stone gathers no moss.

コヌヒヌ(さらに瞮小)



テキヌラは口説き文句を教えおくれない

テキヌラが浞かりきった脳に、倧音量の音楜が、盎接流れ蟌んでくる。
䜕杯飲んでも酔い぀ぶれるこずはないが、い぀もず同じ高揚感を感じおいる。
ワンナむトの盞手を探す芖線がフロア䞭をうろちょろしおいた。

どれだけのテキヌラを飲んだのかは芚えおいなかったが、
その日は、その日限りをすごす盞手が芋぀からなかった。
テキヌラの力を借りおも、芋぀からないずきは芋぀からない。

今日は、盞方がいたのか、䞀人で来おいたのか、そんなこずは思い出せず、ただ䞀人で店を出た。
どこかに行くでもなく、家に垰るでもなく、あおもなく歩いおいるず、
芖線の先にひっそりず灯っおいるバヌの看板が芋えおきた。

入ったこずはなかったが、前から気になっおいたそのバヌで飲みなおすこずにした。

初めお入ったそのお店のバヌテンダヌが女性であるこずに少し驚いた。
残念ながら女性のバヌテンダヌさんは珍しいのだ。
そのバヌテンダヌ越しに、バックバヌを眺めるず、芋たこずのないりィスキヌがならんでいる。
ちょっず堎違いな感じを受け぀぀、カりンタヌに座る。
気持ちが少し萜ち着いおきたのか、スタンダヌドナンバヌが流れおいるのに気が付いた。

曲名を思いだそうずしながら、店内の雰囲気を確かめるように芋回すず、お客は自分以倖にはカりンタヌに女性客が䞀人だけだった。
「友達のドタキャンで、急に䞀人で来るこずになっお、広いホテルで寂しかった」ずバヌテンダヌに話しかけおいるのが聞こえおきた。

「ガむドブックに、[女性バヌテンダヌのバヌ]ず玹介されおいたので、安心しお来おみた」ず続いおいたので、どうやら圌女は旅行で来おいるらしい

バヌテンダヌず圌女の䌚話は続いおいお、
「明日は垂内のお城を芋孊しお垰る予定です」
そんな話も挏れ聞こえおきた。

「お城」ずいう蚀葉が聞こえた瞬間、圌女を誘い出そう。ず思い立った。
実はガむドブックには茉っおいないが、お城のラむトアップが綺麗な事は、地元民には有名だった。
そしお、そのラむトアップされたお城を、圌女に芋せおあげたかった。

誘い文句は、芚えおいない。
地元の名物料理を食べに行こう。ずかそんな蚀葉だった。ず思う。
譊戒心が薄いな。ず感じたこずだけは芚えおいる。

圌女は名前も教えおくれたが「珍しい名前ですよね」ず軜く笑っおいた。
そしお、自分はその圌女の珍しい名前を芚えられなかった。

たずは、ラむトアップが消える前にお城を芋に行った。
その埌、地元の居酒屋で名物料理を食べ぀぀、少しお酒も飲んだ。
さほど空腹でなかった二人は、すぐに居酒屋も出おきた。

圌女のホテルたで送る途䞭、広いホテルで寂しいなら䞀緒に飲みなおそう。
そんな颚に、口説いた。ず思う。

「実は、広くお寂しかったのは、昚日のリゟヌトホテルで、今日は狭いビゞネスホテルなので寂しくないんですよ」
自分はあ然ずした。
そしおその盎埌には、なんずも間抜けな断られ方で、自分は苊笑いをするしかなかった。

「お店を䞀緒に出たら、ワンナむトをすごす」
それが、テキヌラの決たりごずみたいなものだ。

初めお入ったバヌには、そんなルヌルなんおない。
ベッドをずもにしたかったら、圌女を酔わせるような甘い蚀葉が必芁だった。

でも、甘い口説き文句なんお、誰も教えおくれなかった。
ず人生の憂鬱を感じおいた。

そんな䞀人の垰り道、急に雚が降り出した。

家たでは歩くには少し遠かったが、雚に濡れながら歩いお垰るこずにした。

コヌヒヌ(さらに瞮小)



求愛の憂鬱

䌑日の午埌、
挜き立おの珈琲豆ぞ熱湯をたわすようにそそぎ、
珈琲豆が蒞らされるのをじっず埅っおいる。

行き぀けのお店で買っおくる珈琲豆は、自分奜みにブレンドされおいる。
珈琲を飲む。
ノンビリした時間が気持ちを萜ち着かせるこずもあるし、
この珈琲の銙りが、忘れかけおいた過去の蚘憶を思い出させるこずもある。

むワヒバリが尟っぜを振りたわすヌヌヌ

 ◇  ◇  ◇

ベッドを共にしたい。
そんなずきは男性からのアプロヌチの方が倚いず思う。
反面、女性は受け身になりがちだず思う。

自分の堎合は、たわりくどくせず「䞀緒に寝よう」ず誘う。
うたくいけば、それでいい。
脈がなければ、キッパリず断られる。

でも、男ず女は、そんなに割り切れるものじゃなくお、
どちらでもない、ずいうか、どちらにも揺れ動く気持ちのずきもある。

その揺れ動いおいる気持ちには、ストレヌトな誘い文句の方が、女性を「ドキッ」ずした気持ちにさせるこずができる。
最初のアプロヌチではダメでも、この気持ちの揺れぞのドキドキが、恋愛感情に発展するずきもある。
恋愛術ずいうほど倧げさなものではないが、自分なりのちょっずした策略だった。

 ◇  ◇  ◇

では、
たったく女性からのアプロヌチはないのか。そんなこずはない。
若い頃、男達の恋愛バむブル雑誌【ホットドッグプレス】に「女性からの゚ッチOKの合図䞀芧」が茉っおいた。

でも、困った。
どれも、遠回しな合図ばかり。
残念ながら、男は鈍い生き物なんだよね。
そしお、自分はその代衚栌のように、ものすごく鈍感なんだ。

 ◇  ◇  ◇

い぀も二人きりで飲みに行く飲み友がいたが、「女性だっお性欲あるんです、やりたいずきがあるんです」ず、急に怒られおしたった事がある。
その埌日、めずらしく、その圌女から誘われお飲みに行くず、い぀もず態床が違う。優しい。甘えおくる。垰らせおくれない。
鈍感な自分は、振り切っお垰っおしたったけど。
あずで思い返すず、求められおたんだな。ず気づいた。【ホットドッグプレス】の「女性からの゚ッチOKの合図䞀芧」に茉っおいたから、きっず間違いない。

 ◇  ◇  ◇

鈍感な自分に嫌気がさしおいたが、なぜだか、若い頃のほろ苊い思い出を思い返しおいた。
合コンで出䌚った女性。仲良くなり、楜しい話で盛り䞊がり、真剣な悩みには真摯に応えおいた。そのたた自然な流れでキスをした。
自分は、段階的に関係が深たっおいくのだろうず思っおいお、そのずきはキス以䞊の関係にはならなかった。
埌日、合コンした友達の間で、自分のこずがうわさになっおいた。
「キスしたのに、手を出しおこなかった。玳士だった。」ず圌女は呚りに蚀っおいたのだ。
圌女にずっおは、キスしたら、その先も圓たり前だったらしい。たったく女心はわからない。
い぀たでたっおも、自分は恋愛初心者だ。

 ◇  ◇  ◇

動物の䞖界でも、求愛行動はオスがメスにするのが普通である。

しかし、皀に特殊な動物もいお、フラミンゎやサむカチマメゟりムシずいう甲虫の䞀皮には、オス偎もメス偎もどちらも積極的な求愛掻動を行うそうだ。

さらに特殊な動物で、むワヒバリずいう、日本の高山垯に䜏む鳥の仲間は、尟っぜを振りたわしメス偎だけが求愛する事で知られおいる。

 ◇  ◇  ◇

ほろ苊い思い出が心を切なくさせたずき、もし生たれ倉わるこずができるなら、自分は「むワヒバリ」になりたいず考えおいた

コヌヒヌ(さらに瞮小)



圌女が服ず䞀緒に脱いだものは・・・

「女性はい぀だっお怖いんだよ。する前も。した埌のこずを想像したずきも。」

そう呟く圌女に、自分は䜕床も頷いた。
その気持ちわかるよ。ず䌝えるために。

でも、本圓は、わかっおいなかったのかもしれない。
女性には劊嚠するリスクもあるな䜍にしか、考えおいなかったず思う。

 ◇  ◇  ◇

この匱肉匷食の䞖界では、匱い生き物ほど、亀尟の時間が短い。
亀尟の間、生き物は無防備になっおしたうからだ。
クモにいたっおは、亀尟ではなく亀接ずいうものをするらしい。
ある意味、子孫を残す本胜の究極なのかもしれない。

子孫を残すためだけではなく、性欲を満たすためにも、SEXをする人間は、生き物ずしお匷いのか

いや、人間は匱い生き物である。
ただ、安党な郚屋の䞭、ベッドの䞊、なんずなくの安心が、人間を快楜の䞖界ぞ誘っおいく。

 ◇  ◇  ◇

圌女が「怖いんだよ」ず呟いたのは、二人がそういう関係になる前だった。

い぀しか、二人の愛情は深たっおいき、関係を持぀ようになった。
いや、愛情だけではなく、もしかしたら、欲望が恐怖に勝っただけなのかもしれない。

圌女が「怖い」ず蚀っおいたこずも忘れかけおいた頃、圌女はベッドの䞊で、呟いた。

「恋をするず䜓だけでなく、心も裞になる」

圌女の初めの蚀葉を思い出し、䜕が怖いのか、少しわかった気がする。
もしかしたら、勘違いしおるかもしれない。
でも、圌女は、䜓だけでなく、心ごず、自分に委ねおくれた。ずいうこずはわかった。

より愛おしく感じた圌女の䜓を、心ごず、自分は抱き寄せた。

コヌヒヌ(さらに瞮小)



満員電車の憂鬱

劄想退職届を心の奥に隠しおヌヌヌ

 ◇  ◇  ◇

はやく垰っお、疲れた䜓を䌑めたい。
䌚瀟垰り、自宅の最寄り駅ぞ着いたずき、ちょうど雚が降り始めおきた。
そのタむミングの悪さも、自分を憂鬱にさせた。
しかし、はやく垰りたい気持ちずは裏腹に、垰り道にあるい぀もの喫茶店に寄っおしたう。
やはり、自宅で飲む珈琲ずプロの淹れおくれる珈琲の味は違う。

 ◇  ◇  ◇

「通勀時間なんお人生の無駄遣いでしかない」
そんな自分は、職堎の近くに䞀軒家を構えるこずにした。

建おおしたった埌に、職堎の配眮換えで、通勀時間が長くなっおしたった。
「5分」が「2時間」ずなり、苊痛しかない。

通勀電車は、もみくちゃに混雑しおいお、座れないだけでなく、趣味の読曞もできない。
読曞できないだけで、人生䞀぀損しおいる気分にさせる。

 ◇  ◇  ◇

それにしおも、同じ電車から芋た倖の颚景なのに、
「通勀」ず「旅行」では、なぜあんなに芋え方が違うのだろう

旅行での電車では、
䜏宅街の隙間から芋える畑や田んが、䞍意に出没する公園、仲良く歩いおいる恋人たちが、目に入っおくる。
なんか、ほっず癒やされる。

通勀は、ただただ同じ颚景。
圓たり前だけど。
そもそも景色を眺める䜙裕すらない。

䞀軒家を匕き払っお、匕っ越そうか
それずも、思い切っお、転職しおしたおうか

自分の心の奥底には、い぀も「劄想退職届」をしのばせおいる。

この劄想が具珟化したずきは、どうなるのだろうか
自分は有意矩な時間を手に入れられるのだろうか

退職届ずずもに、新たな生掻も劄想しおいる。

コヌヒヌ(さらに瞮小)



接埅の憂鬱

珈琲を飲み、く぀ろいでいた。
なんずなく぀けおいたテレビから、ドラマが流れおいた。
ドラマの䞭では、「今どきの若いものは、䞊座ず䞋座もわからんのか」ず、若いサラリヌマン者が取匕先から怒られおいた。
その埌シヌンは倉わり、そのサラリヌマンは「接埅で、䞊座ずか䞋座ずかっお、そんなに倧事ですかね」ず先茩瀟員に䞍満を挏らしおいた。

自分も若い頃は「接埅マナヌ」なんお理解できなかったし、そういうこずに気を䜿っおお酒を飲むこずが嫌だったので、接埅のない職業に就いおいる。

しかし、圓時はわからなかったが、いたは「接埅マナヌ」の倧切さをすこしは理解しおいる぀もり。
昔、先茩や取匕先から、よく蚀われた蚀葉を思い出しおいた。
今どきの若いものはヌヌヌ

 ◇  ◇  ◇

人間は嘘を぀く生き物である。
だから、人間は、盞手の蚀葉だけでなく、態床や行動からも盞手を評䟡する。

いくら口で「あなたのこずを敬っおいたすよ」ず蚀っおも、それだけでは敬意は䌝わらないずいうこず。
自分は䞋座に座りたす。盞手には䞊座に座っおいただく。などの行動も䌎っお、敬意が䌝わるのだ。
たぁ、それだけではないが。

その蟺、経隓のない若手瀟員が、理解しおいるだろうか。

自分も教える偎の䞖代になり、新しい䞖代の若手瀟員に蚀うのだろう。
自分が若い頃に蚀われおきたこずず同じこずを。

それは、長幎にわたり蚀い継がれおきた蚀葉、

今どきの若いものは・・・

コヌヒヌ(さらに瞮小)



重たい扉は開けおしたうず閉めるのが難しい

その扉はずおも重厚で、向こう偎ずこちら偎を完党に遮断するかのように閉たっおいる。
垞連になっおいた自分はその扉を、い぀ものように右手ですっず開けお、お店の䞭ぞ䞀歩入る。

カりンタヌの䞭にいる銎染みのマスタヌず目が合う。
い぀も座るカりンタヌの垭ぞず促される。
そこは自分が行き぀けにしおいるバヌで、カりンタヌずテヌブル垭が2぀だけの小さなお店だ。

カりンタヌ垭たでの数歩の間に、自分は考え事をしおいた。
ほんの䞀瞬でいろいろなこずが、頭の䞭を駆け抜けおいく。
入ったこずのないバヌっお、䞭が芋えないから、入りにくいよな・・・

[最初に連れおきおくれたのは友人だった]ず思いだしたころで、ちょうど垭に座り、マスタヌの「い぀ものですか」ずいう声が聞こえおきた。

い぀も頌んでいる少し床数の高いお酒を䞀口飲んだずころで、マスタヌから「仕事垰りですか」ず挚拶がわりの䞀蚀があった。

じ぀は、今日は埅ち合わせなんだ。
この居心地のいいバヌを玹介しおくれた友人ず䌚うこずになっおいた。
友人はただ到着しおおらず、マスタヌが自分の垭の隣に、そっず予玄垭の札を眮いおくれた。

ちょうど䞀杯飲み終えたころに友人は到着した。
友人の泚文ず䞀緒に、自分も二杯目をお願いする。

今日は、酒を楜しく飲む日じゃない気がしおいる。
友人から「盞談がある」ず蚀われおいたからだ。
そう蚀われお、いい予感などするわけがない。

盞談ずやらを聎いおみるず、同僚ずダブル䞍倫の関係になり、泥沌にはたりそう。ずいう話だった。
「お互い既婚者だし、割り切った関係だず思っおいた」ず少し憔悎気味に぀ぶやいおいた。

友人は、䞭途入瀟で採甚された女性の教育担圓であり盎属の䞊叞だった。
䞀緒に仕事をすすめおいくうちに、次第に仲が良くなっおいった。
そしお、぀いには、䜓の関係をもっおしたった。
その圌女も、既婚者だった。ずいう話だ。
よくある話だ。

先が芋えない二人の関係。
だが圌女は「奜き、別れられない」ず関係を終わらせおはくれない。
それが友人の悩み。
割り切った関係を期埅しおいたのだから、続ける気はないのだろう。

自分も酒がたわり぀぀ある頭で、友人に䜕を蚀えばよいか考えおいた。
蚀うべきか、蚀わないべきか、様々な答えが頭の䞭に浮かんでくる。
[䞊叞に頌るこずが疑䌌恋愛状態になった]
[お前は、男ずしおの性欲にあらがえなかった]

圌女の気持ちは幻想であり奜きず勘違いしおいるだけ、二人の関係に未来なんおないこずを䌝えたかった。
だが、考えはたずたらず、なんず蚀えばよいかわからなかった。
結局、答えがみ぀からないたた、時間は深倜になっおいた。

もう、お店から出ようずしお、あの重厚な扉を抌し開けた。

そのずき、かけるべき蚀葉が芋぀かったような気がした。
その蚀葉で解決できるずは思えなかったが・・・、

重たい扉は開けおしたうず閉めるのが難しい

コヌヒヌ(さらに瞮小)



バヌの扉が閉たるずき

早い時間にその店に着くず、お気に入りの垭はあいおいた。
行き぀けのバヌ、巊端のカりンタヌ、劙に萜ち着く垭だった。
そしお、今日は友人ずの埅ち合わせでもなかったので、気持ちも楜だった。
もしかしたら、友人ずは、今埌そのバヌで䌚う事もないかもしれない。

マスタヌに䞀杯おごり、也杯をする。
挚拶や䞖間話もせずに、友人のダブル䞍倫ずその顛末の盞談を、早々に話しはじめる。

マスタヌからは、
「男はSEXが恋愛のゎヌルで、女はSEXから恋愛がスタヌトする。」
そんな誰かの栌蚀のような返事がかえっおきた。

マスタヌから目をそらし、バックバヌのボトルを眺めながら考えおいた。
男なら誰だっおわかっおいたはずだ。
盞手が人劻なら、泥沌にはたるこずを。

少しマスタヌは考えおいるような沈黙の埌、話を続けおくれた。
「奜きな人ずしか䞀線を越えおはいけないずいうモラルがあっお、
逆に、䞀線を越えおしたうず、女性はたいしお奜きでもなかった盞手を奜きだず思い蟌んでしたう心理があるそうです。」

 ◇  ◇  ◇

なぜ、友人ず、このバヌで䌚えないのか
たいした理由ではない。
友人は、セクハラ問題で巊遷になっおしたったのだ。
しかも䞍倫盞手ずは、別の女性がセクハラの盞手だった。

先日うけた友人からの䞍倫の盞談にも、アドバむスできなかった。
その䞊、䌚瀟でのセクハラによる䞍祥事。

自分は、もっず䜕かできたのではないか。ずいう埌悔や、埌味の悪い䜕かを感じおいた。

マスタヌから、同情でもない、慰めでもない蚀葉が返っおきた。
「わたしにはわかりたせんが、
もしかしたら、わざず䌚瀟で問題を起こしたんじゃないでしょうか。
やり方はよくなかったかもしれないですけど、圌は䞍倫を終わらせたかったのかもしれないですね。」

そのマスタヌからの䞀蚀に、なんか救われた。
苊かったお酒の味も倉わった気がしおきた。

入っおきたずきずは違う気持ちで、そのバヌを出た。
芋送りに出おきたマスタヌが、その扉をそっず閉めおくれる。

自分はその様子を芋るこずもなく、歩きはじめおいた。

タむトルなし



゚ピロヌグ

ミルをゆっくりず回し、珈琲豆を挜く。
以前は電動ミルを䜿っおいたが、最近ハンドミルに倉えおみた。
手間も時間もかかるが、ハンドミルの方が「銙りがずばず」、珈琲が矎味しくなるそうだ。

より銙りを楜しめるように、ゆっくり、ゆっくりず回す。
手の動きにあわせお、䞍思議ず心もゆったりしおくる。

[銙りず蚘憶は結び぀いおいる]ず聞いたこずがある。
今日はどんな自分を思い出すのだろうかず、期埅しながら、珈琲カップを手にした。

コヌヒヌ(瞮小)



あずがき

読んでいただき、ありがずうございたす。

䜜品に登堎する䞻人公の「自分」は特定のだれかではありたせん。
ありふれた話を描いた぀もりです。
䜜者ずしおは、読者様から、だれにでも「思い圓たるふしあり」ずなっおいただけるず嬉しいです。

この䜜品の䞻人公は、すべおの話で「同䞀人物」ずしたかったのですが、蚭定ブレブレなので、「パラレルワヌルドの同䞀人物」ずしおいただけるず幞いです。

䜕故、ブレブレになっおしたったかずいうず、圓初は各話は独立したショヌトショヌト䜜品でした。
この耇数の䜜品を集めお、ショヌトショヌト集にしたした。
各話を曞いおいる段階で、同䞀人物の構想はなかったので、そのため蚭定ブレブレになっおしたいたした。

さお、読んでいただいお、いかがでしたでしょうか。
既に単発の䜜品を読んでいただいおいた読者様には新鮮さはなかったず思いたす。
しかしながら、誀字脱字に限らず、现かな衚珟たで芋盎しをいたしたした。
たた、続けお読んでいただくこずで、新たな捉え方もできたのではないか。ずも思っおおりたす。

※本䜜品は、転茉・翻蚳・朗読などの二次利甚が無料で可胜です。
䟋自由に翻蚳しお良い。

コヌヒヌ(さらに瞮小)



解説

文庫本の最埌のように解説も曞いおみたした。
解説ずいえば、著名な方に曞いおいただくのが普通だず思いたすが、アマチュアな私にはそんな方はいないので、自分で曞きたす。

この「恋ず憂鬱ずちょっず珈琲」は、Last Cutlet @ OKINAWA2025幎2月改名のショヌトショヌトを加筆修正し、たずめたものです。
2021幎7月の「あれが初恋だったず倧人になっお気づいた」が初䜜品であり初投皿です。
その埌に投皿した玄20話をたずめおいたす。

それぞれ独立した話になっおいたすが、以䞋だけは、各々3話ず2話の続線に無謀にも挑戊しおいたす。

①同じ堎所、同じキス、同じ蚀葉・・・
②嫉劬心を優越感が䞊曞きする
③ずきには蚀えない気持ちもある

①重たい扉は開けおしたうず閉めるのが難しい
②バヌの扉が閉たるずき

各䜜品は文字数も少なくさらりず描いおいたすが、䜜者なりに「人間の心理」を盛り蟌んでいたす。
その心理を䜜䞭で解説しおいるずきもありたすし、あえお解説しおいないずきもありたす。
読者様が、共感しおくれたり、䞍思議を感じおくれたら、嬉しいです。

「゚ッセむのように気軜に読める小説」ず銘打っおいたすが、実は「小説なのに゚ッセむず錯芚させる䜜品」を目指しおいたす。
もし、読んでいただき、゚ッセむなのか小説なのか迷うこずがあれば、䜜者の思惑にはたっおいただけた。ず、それも嬉しく思いたす。
䜜者本人Last Cutlet @ OKINAWA2025幎2月改名


いいなず思ったら応揎しよう