見出し画像

童話|大賞受賞しても、初稿は赤字パラダイスだった話。

みなさんこんにちは、迂回ひなたです。
先日、童話の担当さんから、最新の原稿データを見せていただきました。
少しずつではありますが、着実に刊行へ向かっていけているのが嬉しいです。
引き続き頑張ります!

さて、みなさまは刊行されている書籍が、応募原稿からどの程度「改稿」されているかご存知ですか?
まあ私はまだ2冊しか作業していないので一概には言えませんが、せっかくの機会なので、実体験を元に話そうではありませんか。

大賞受賞者でも、

すんごい・めちゃくちゃ・大幅に、大改稿していますよという話を!!!

ほんとはね、こういう話しなくてもいいかなと思うんです。
どの口が言うんだって感じですが「ミステリアスな作家」に憧れてるので。(今更?)
でもなんかね〜、話してみたくなるわけです。私が逆の立場だったら、聞いてみたいですし!

ということで「第1回角野栄子あたらしい童話大賞受賞作、初稿が赤字パラダイスだった話」始まります!

✳︎

2024年の11月、授賞式がありました。
その頃から改稿作業をすすめ、今に至ります。
まだ内容について具体的な言及はできませんが、応募原稿から後半の展開が大幅に変わりました。
A→Bで終わっていた原稿に展開Cが加わった感じです。
そのぶん、A B部分をよりコンパクトにしました。
ここまでの過程で、まず10回くらいは直してるんじゃないでしょうか……

そして、ある程度原稿ができあがった頃、あのお方に赤字を入れていただくわけです。

そう、選考委員長の角野栄子先生です!

私が同じ立場の方を見ていたら、こう思うでしょう。

「大賞に選出されたんだから、すごい褒められてたんじゃない?」
「もう直すところなんてないんじゃない?」

さあ、実際のところは……

赤字パラダ〜イス!!!

真っ赤な原稿が返ってまいりました。
「この言葉はこうした方がいいわね」
「この説明はいらないわね」
そんなご指摘をたくさん頂いていたわけです。

迂回、号泣。

(そりゃそうよね、完成が見えてきたと思ったのに赤字ばかりじゃ挫けるよね……)
(自分の未熟さに直面したのね……)

そう思われるかもしれません。
まあ、多少は勿論ありました。
自分を情けなく、悔しく感じる部分もありました。

けれども、間違いのないことを一つ。
私の涙は悔し涙ではありませんでした。

そりゃもう、嬉し涙です!!!

あの角野先生にもう一度フィードバックを頂けるなんて、貴重すぎるチャンス。
だいいち、長編小説だったら選考委員の先生に発売前もう一度読んでいただくなんてことありえません。
原稿に直筆で赤を入れていただけるなんて、ありえません。
これは、童話だからこそのチャンス。
それが分かるから、なおさら嬉しかったです。

赤字の量に対しては、ちゃんと基礎を振り返って、学ばねばなりません。
まだ幼年童話にふさわしい文章表現ができておらす、ご指摘いただいた部分ばかりだったので。
その分析には時間をかけ、関連書籍を読み漁って勉強し直し、一つずつ修正していきました。

もちろん最終文責は著者なので、反映させるかを判断するのは私です。
ご指摘のとおりだと思いつつ、ここはこう表現したいという私の思いで、原文ママとした部分もあります。

でもでも、真っ赤ということは裏を返せば、

大変お忙しい角野先生が、時間を割いて原稿を丁寧に読んでくださり、私の成長を信じてたくさんコメントをくださったということです。

だから、とても嬉しかったです。
それだけ若手に育って欲しいという熱いお気持ちがあるから童話大賞も新設なさったのだなと再認識できました。
今は、そのご期待に応えたい気持ちでいっぱいです。

また、「こういう表現はいいわね」とgoodマークをいただけたところもあり、それが本当に励みになりました。
いただいた赤字データは別途印刷し、一枚ずつノートに貼って、丁寧に分析し、大事な宝物にしています。
一生、読み返し続けます。

(※刊行されたら、今後童話を書く方も勉強になると思うので、ご指摘の具体的な内容を、言える部分だけでも記事にしてみますね!)

✳︎

この記事で伝えたいことは、

この世に完璧な原稿なんてない。
受賞原稿も、改善点だらけ。

ということです。
改善点がないから受賞するのではなく、改善点の多さより、光る箇所の数が上回るから受賞するのだと思います。
だから、受賞してもそこからの道のりは長く、険しいです。ましてや受賞すると自分だけの世界ではなくなりますし、色んな意見と自分の思いをすり合わせなければいけなくなります。

自由に書いていた頃より学びは多いけれど、同時に制約や苦悩、駆け引きも多い。自分は受賞後、心が縮こまってしまいました。数年して、少しずつ本来の自分が戻ってきたかなというところです。

本を出すってこういうことなんだなと思いながら、日々格闘ですね。

また、

人の意見を受け入れることが苦手な人は、商業はやりづらい。

とも思います。
商業で本を出す過程では、多方面から意見が飛んできます。
中にはどちらもプロのご意見だけれど、内容が食い違っている指摘も。
作品を一番に思い、その中から何を取捨選択し、どう組み込んでいくか。
ただ書くだけでなく、そういった「調整力」・「修正力」、「判断力」、「決断力」、「実行力」、「大胆さ」……

さまざまなものが真の作家になるには必要で、自分にはまだまだ足りていないなと痛感します。

でも、「まだまだ」ーーいい言葉です!
「迂回」の名にふさわしく、難しい道ほど迷い甲斐があるというものです!
しみじみ、この筆名には救われているなあ。

ということで(?)
私もこの夏はたくさん童話を書きたいと思います!
童話を創作しているみなさまも、いっしょに楽しく苦悩しましょう(笑)

えいえいおー!!!

おしまい

いいなと思ったら応援しよう!