「マトリックス」と「トリニティ」:レストランサーヴィスにおける運用と実行
キリスト教におけるトリニティ(Trinity:三位一体)とは、「唯一の神」が「父なる神」「子なる神(イエス・キリスト)」「聖霊なる神」という三つの「ペルソナ(persona)」として存在するという教義です。
また近江商人には「三方よし」の教訓があります。これは売り手、買い手、世間の三者が共に「よし」となる日本古来からのビジネスの哲学です。
何故「3」という数字が良いか。それは3つの人間の脳の特性で人間の短期記憶は、一度に処理できる情報量に限界があります。
マジックナンバーセブンという言葉もありますが、例えば7つの数字は人間は瞬時に記憶できるそうです。
しかし、インプットだけはできるという点で、脳で咀嚼しアウトプットにつながるとなるとやはり「3」という研究結果が見られます。
もちろん、1点、2点に絞るのも一見有効に見えます。
しかし点が2つしかなければ「線」にしかなりませんが、3点あれば「面」になり、高校数学でも学習した「動く点P」の可動範囲は無限になると言えます。
この「動く点P」とは人々の思考であって、どこの座標を表すかというのが「マトリックス」と呼ばれるものですね。
ビジネス書としても知られるクラウゼヴィッツの戦争論においての「3つ」は、
ストラテジー(Strategy:戦略)
タクティクス(Tactics:戦術)
ロジスティクス(Logistics:兵站)
として述べられました。
この三つ要素が整合性を持つひとつとなって、かつ敵より大きければ勝てる、という理論です。
この考えをレストラン営業に落とし込むとするならば、売り上げのトリニティとは
売上=客単価×客数×リピート率
ということになります。
ここで、「客単価を上げる」となると、タクティクス、すなわち個のスキルアップにおいて、シェフの腕を上げることやソムリエのが高い単価のワインを売れるようになるなどのストラテジーを構築する必要があります。
一方、「来客数を増やす」というストラテジーなら、広告などに経営資源を投じ、また人的リソースの補充も必要になるということも考えられます。
先ほどの「売上=客単価×客数×リピート率」に当てはめると
成果=「個々人のスキル×従業員数×リピート率アップ戦略」
└タクティクス×ロジスティクス×ストラテジー
この考え方を例えばレストランの日常業務にまで落とし込むと、
ストラテジー:毎日の朝礼、ブリーフィング
タクティクス:ソムリエのワイン販売スキル、語学力など個人個人のスキルアップ
ロジスティクス:在庫管理、什器の確保
といった要素に分解でき、これらは多くの企業や組織においても共通して見られるのではないでしょうか。
このようなトリニティ(三位一体)の概念をビジネスや日常業務に応用することで、より強固なレストラン運営が実現できると考えられます。
初田 智
