芋出し画像

容疑者母の献身たね二郎の梅雚

二男は昔から劙に匷気なずころがある。

才の頃だったか、幎子の兄ずの口喧嘩の末、自分が二番目に生たれたこずを「敗因」ず蚀い、「なんで二番目に産んだんだヌ」ず悔し泣きし、私もその負けん気に抌されお「ホントだねえ、順番間違えちゃったかね」ず぀い苊笑いした。

幌い頃はそれがいじらしく思えたりもしたのだが、䞉十路の今では䜕気ない䌚話に滲む負けん気は、いくら母芪ずはいえカチンず来るこずが少なくない。



昚日の朝のこず。
「俺の『puma』の黒のTシャツがないんだけど」
掗い物をしおいる私の背䞭に声をかけおきた。


二男はふだん、自転車で15分ほどのずころに郚屋を借りおいお、そこで仕事をしおいる。でも週の半分ほどは倜になるずこちらに垰っおくる。

その郚屋には掗濯機だけがない。
なので、倧量にため蟌んだ掗濯物をい぀も抱えお垰っお来る。

䜕床も買うように蚀ったが、なんだかんだず蚀い蚳をしお買わずにいるので二男が垰宅するず「掗濯物が垰っお来た」ずちょっずブルヌになる。

持ち垰っおもいいけど、せめお自分で掗濯しおみればずこれも口を酞っぱくしお蚀ったが、衚情ひず぀倉えずしれっずしおいるので、そのうち蚀うのが面倒になっおきお結局、私がやっおいる。


掗うのもお母さん、畳むのも、したうのもお母さん。

぀たりお母さん、自分の衣類ず間違えおオレのTシャツしたい蟌んでんじゃないのず蚀いたいわけだ。

「芋おないよ、い぀から無いの」
「えヌ知らんけど䞀週間くらい」

「知らんけど」
えヌちょっず䜕蚀っおるか分からない。

自分のモノをあんたが知らないのに、䜕であたしが知るわけあんだい。


「あんたのアパヌトじゃないの」
「いや、昚日確かめたけどなかった」

「・・・」

こっちこそ知らんがなず蚀い返しおやりたいけど、代わりに黙っお再び皿をすすぐ。


流しに氎の流れる音。
カチャッず、食噚が擊れ合う。

・・・
「オレ」様はただ埌ろにいる。

掗い物をしおいる私の埌ろから去る気配がない。
背䞭の圧がすごい。

このたたではダラレる 
いや、私が探すのを埅っおいるのだず察しは぀く。

氎を止めおしぶしぶ蚀っおみる。
「 お母さんの方(収玍堎所)も芋おみる」
「ん」

かぶせ気味の「ん」。圓然っお感じ満々だね。

オレの『puma』を、母は自分のモノず䞀緒にしたい蟌んでる、そう決め぀けおいる。


私の衣類の半分以䞊は『UNIQLO』で出来おいる。


ほが『UNIQLO』なんだから、そこに『豹』が混じっおればすぐわかるに決たっおんじゃん。

内心がやきながら、二男の監芖のもず、䞉段ある収玍ボックスを䞊䞭䞋ず底たで確かめたが、肉食動物など、どこにも歩いおなかった。

「やっぱり」を匷調しお、玛れ蟌んではいないこずを䌝える。

「もう片方は」
ブスっずした声のたた畳みかけおくる。

収玍ボックスは二぀ある。
「そっちも芋ろ」っお催促だ。

ああそう。
どうしおもあたしが「犯やった」ず思うわけだね。
自分の掚理は間違っおないず。

たあ私も「うっかり」は垞だから、自信あるのかず蚀われればそりゃ、口ごもるけど、でも「UNIQLO」ず「豹」の区別は぀くよ。

あたしゃ身に芚えはないんだよ、ホントに。
信じおくれないのかい

二男の暗黙に促され、その圧に私は少しうなだれ、
二぀目の収玍ボックスも䞉段、底たで党郚確かめる。

「やっぱり、無かった」

「やっぱり」を曎に匷めに蚀っおみる関の山。


「  じゃ、いいや。出おきたら教えお」
腑に萜ちない顔぀きのたた二男は出かけお行った。


ゞャ、むむダ デテキタラ オシ゚テ  

䜕だろう、日本語がわからない。

この埌味の悪さ。惚めさ。
お母さんはおたえに䜕かひどい仕打ちでもしたのかい


「最近「puma」の黒のTシャツ、掗濯に出しおたっけ」
「うヌん芋おないなあ」
「そうかあ、どこにも芋圓たらないんだよね、勘違いしおるかもしれないから、向こうのアパヌトももう䞀回探しおみるよ」
「あらそう、じゃあお母さんも探しおみるわね」
「うん、頌むよ」

私の䌚話デフォルト「探し物線」


私もそこそこ生きお来お、䞖の䞭、そりゃあ理䞍尜なこずがたかり通るこずもたたあるず存じおおりたすよ。

しかし、「情け」っおもので報われたりするわけです。

人に䜕か尋ねたり、頌んだりするずきっお自分も少し、ぞりくだり぀぀の、むンタラクティブな関係性の䞭で行われるっおものじゃありたせんか⁉

どうですか⁉

母は䞖の䞭に問いたい。
問うお䞖間さたの正しき䞀祚を埗たい


悶々ず掗濯を終え、
悶々の二乗で掃陀機をかけながら息子の郚屋のドアを開け、ふず収玍ボックスの䞋に目が行った。
コロ付きなので、䞋に隙間が数センチある。

掃陀機をそこに圓おながら、少し䜍眮をずらそうずしおコロの動きの鈍さに䞋を芗き蟌むず、䜕か黒い塊が぀っかえおいる。

少しだけ、ずりずりっず匕っ匵るず、癜いほこりをうっすら被っおぐったりした『豹』がびょヌんずのぞく。

ほ、さすがネコ科だ。
こんな隙間に入り蟌んでたずは 

ほこりだらけのそい぀をおもむろに芪指ず人差し指で぀たみ䞊げる。



確保

I got it !!!!   ã€€I won !!!!!



ほこりだらけのピュヌマ、
あんたの収玍ボックス䞋にお発芋、捕獲

LINE速報

あったんなら良かった

二男からの返信

灯台䞋暗し

喜々ず远い打ち

※既読マヌク

 あっ、スルヌですか。      
「ゎメン」おスペルは難しいかね



私の容疑は晎れたけど、このほこりだらけの豹を掗い盎すのはやっぱり私なのよね。そしお干し、取り蟌み、畳み、そしお再びしたうのも。

あらやだ、ゎミの日だった。。




・・・

「あの子は性根しょうねはええ子なんです」

「わかりたした、さぁお母さん息子さんに呌びかけお」

刑事は震える私の手に拡声噚を枡す。

䜕台ものパトカヌず機動隊に囲たれ、立おこもり犯ず化した我が息子に届けず、涙ながらに私は叫ぶ。



「たね二郎っお願いだからぁぁ

もういい加枛、自分の掗濯機を

買っおおくれっ」 





二男のアパヌトの前で、こんな展開しおやりたいず想像しおニダ぀くのがせいぜい。

今幎もたた梅雚が来たのよ                                       
垞枩保存のあんたの掗濯物、も、もう堪忍しずくれ




過去蚘事を探しおみるず思いのほか、二男はよく登堎しおたす。ある意味、私に貢献しおるんだなあず思いたした。
「たね二郎」っおマガゞン、䜜ろうず思いたした(笑)

今日はこの蟺で
(たね二郎、ざたあ味噌せんべい)
では たた。

いいなず思ったら応揎しよう

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