石巻の“普通の人”が幸せに働けるように──合同会社まちひとワークスを立ち上げました。
このたび、一般財団法人まちと人との合同会社である「まちひとワークス」を設立しました。石巻の「しごと」に関する課題に対してアプローチをし、石巻のすべての人が幸せに暮らせるまちをつくるサポートをする会社です。
代表自己紹介

はじめまして、松本裕也と申します。現在、合同会社まちひとワークスの代表を務めています。また、LINEヤフー株式会社での活動をはじめ、一般社団法人フィッシャーマン・ジャパンの事務局次長、一般財団法人まちと人との理事としても活動しています。
東日本大震災をきっかけに、ヤフーの復興支援チームとして石巻に転勤し、ここで水産業の革新を目指す「フィッシャーマン・ジャパン」の事務局として活動を開始。現在は、地元水産加工業者を中心に、実践型インターンプログラムのコーディネートや、組織改革、採用支援などのサポートを行っています。
"地方創生”に感じてきた違和感
私は元々、高校や大学の頃、ヒッチハイクで日本一周したり、ボランティアしながら世界一周したりしていました。帰国後は九州の林業に関わるインターンもして、地域や人に関わる活動をする中で、いろんな地域でミッションを持って活動するNPO団体や地域の人たちに出会って、「すごくかっこいいな」って感じました。それで、地域で活動する団体を支援できる存在になりたいと思って、NPO支援などのCSRの取り組みを積極的に行っているヤフーに新卒で入社しました。

一方で、全国各地でまちづくりや地方創生の活動をしている中で、「なんとなくうまくいかないな」と思うようになりました。活動しているメンバーや団体自体は楽しくて面白いのですが、街全体が活気づいたり、目に見える形で変化したかと言われると、そうでもない。何かが足りないような、物足りなさを感じていました。
そんな時、東日本大震災をきっかけに立ち上がったヤフーの復興支援のチームの一員として石巻に転勤することになりました。

震災後の石巻市で、ヤフーのメンバーとして何をやるかは、自分で考えて決めなさい。という方針のチームだったので、自分が何をやりたいか、色々考えました。この町を良くするための起点となる産業は何だろう?と考えたときに、水産業や漁業にフォーカスすることは、大事なことじゃないかと思ったんです。興味とかではなく、この町にとって本質的に価値があることが水産業であると思いました。そういったこともあり、同じ部署の同僚が中心となって立ち上げたフィッシャーマン・ジャパンに加わりました。
このまちで見えてきた構造の課題
地方創生の活動としてイメージしやすい1万人以下の小さな町とは違い、石巻は13万人規模の街ということもあり、まち全体を活性化するのがかなり難しいです。なぜなら、13万人もいれば、多様な人々がいて、それぞれに生活がある。こうした背景を考えると、よくある「ヒーロー」を作り上げるだけの地方創生では、その効果は限定的になりがちだと実感しました。地域のために活動するトップランナーや移住してきた目立つ人たちばかりが注目されて、「普通の人々」や、名もない日々を支えている人たちの生活にまで、地方創生の取り組みの効果が波及されにくいんです。
でも、実際にはこういう「普通の人々」がこの地域を支えていて、地域経済を動かしているんです。例えば、石巻は水産業を起点にしたまちであり、水産業に従事する現場の仕事の価値は非常に高いにもかかわらず、その重要性が十分に認識されていない現状があります。
そのため、「ヒーローをつくって終わり」では意味がないと感じました。地元で普通に生活している人たちが、もっと選択肢を持ち、安心して暮らせるような環境を作ることが、本当の意味での地方創生だと思うんです。

だからこそ、FJ(フィッシャーマン・ジャパン)では、特に水産加工会社で働いている従業員が幸せに暮らせるために企業の経営改善や職場環境づくりに取り組んできました。
その過程で、石巻で会社を経営する他の産業の方々と関わる機会もあり、彼らも同じような課題を持っているということに気づきました。現在、私たちが取り組んでいることは、特に水産業に特化していますが、このアプローチは他の産業にも応用できると感じています。
また、水産業で働く人々をサポートする中で、彼らの生活や幸せ、キャリアについて考えると、水産業だけでなく、他の産業でも選択肢を広げることが重要ではないかと思うようになりました。そのため、このまちのすべての産業で、働く人々が幸せに生活できる環境をつくり、「しごと」に関する課題解決を支援する会社である「まちひとワークス」を立ち上げました。

まちひとワークスのビジョン
これからの石巻は、もっと多くの人が自分の可能性を広げられる場所にしていきたいと考えています。
「普通の人」が自分らしく働ける場所が増えることで、街がもっと元気になり、外に出た人たちも「戻りたい」と思えるような環境を作りたい。そうすることで、石巻にとって本当に価値のある「しごと」が生まれ、地域の未来が形作られていきます。
私たちが目指すのは、ただの「しごと」を作ることではありません。地元の人々が誇りを持って働けるような環境を作り、その結果として地域全体が持続可能な形で成長していくことです。
これからも、少しずつではありますが、まちひとワークスとして、石巻が本当におもしろく、活気のある街になるように、しっかりとサポートしていきます。

